http://www.asyura2.com/14/senkyo174/msg/601.html
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内閣総理大臣が衆議院を解散する“大義”は、自分を内閣総理大臣に指名していながら自分が組閣した内閣に対して不信任案を可決(信任案を否決)したとき以外にない。
※ 参照投稿
「内閣不信任案可決を経ない首相の衆議院解散は憲法違反という理由」
http://www.asyura2.com/14/senkyo174/msg/448.html
安倍首相は、外遊という“安全地帯”に身を置きながら、周辺の人たちに解散風を煽らせて(解散を衆知させて)いるが、(選管も準備に入ったことでわかるように既成事実化している)今回の解散・総選挙に大義がないという声があることを気にしてか、予定している解散に大義を貼り付けようととんでもない記憶違いかウソを披瀝した。
転載する「首相 消費税率の引き上げ先送りを示唆」という見出しのNHKの記事のなかに、
「安倍総理大臣は、記者団が「消費税率引き上げの先送りは衆議院選挙を行う大義となるのか」と質問したのに対し、「一般論として言えば、2年前のきょう、野田前総理大臣が衆議院を解散したが、選挙では民主党政権への、そして民主党に対する国民の失望が政権交代の原動力になったと思う。民主党の大失敗は、マニフェスト=政権公約で『消費税を上げる』ということを書かずに、国民生活に大きな影響を与える課題を民主主義の基本である選挙で国民に問うことなく決めたということではないか」と指摘しました。
そして、安倍総理大臣は「当時の自民党の谷垣総裁は、何度も野田前総理大臣に対して法案を通す前に国民に信を問うように迫っていたと思う。政策を進めていく、それは国民の理解と協力なくして進めていくことはできない。一般論として申し上げればだが」と述べ、一般論と断りつつも、消費税のような国民生活に関わる判断にあたっては、衆議院を解散して国民に信を問うことが望ましいという認識を示しました」という内容がある。
「民主党の大失敗は、マニフェスト=政権公約で『消費税を上げる』ということを書かずに、国民生活に大きな影響を与える課題を民主主義の基本である選挙で国民に問うことなく決めたということではないか」というのはその通りだが、自民党は、民主党政権が打ち出した公約違反濃厚の消費税増税政策(社会保障と税の一体改革)について公明党とともに議場以外で協議し、合意後国民に信を問うことなくすぐに衆議院で可決し、その後参議院でも可決・成立させた「共同正犯」の一人である。
安倍首相が「消費税のような国民生活に関わる判断にあたっては、衆議院を解散して国民に信を問うことが望ましい」というようなまともな政治的信条を当時から持っていたのなら、なぜ、そのような主張をしないで消費税増税法案に賛成したのか説明する必要がある。
ここまでは一般論だが、安倍首相の発言として聞き捨てならない内容は、「当時の自民党の谷垣総裁は、何度も野田前総理大臣に対して法案を通す前に国民に信を問うように迫っていたと思う」という部分である。
“思う”という表現でちゃんと逃げ場をつくっているが、当時の自民党及びその総裁である谷垣氏は、「法案を通す前に国民に信を問うように迫っていた」事実はない。
安倍氏は07年までは首相をしていた政治家なのだから、12年の「三党協議」の内容や推移についてはそれなりにウォッチしていたはずである。
当時の谷垣自民党は、消費税増税関連法案成立と“引き換え”に衆議院の解散を求めていたのは事実だが、消費税増税関連法案を“採決する前”に衆議院の解散を求めていたという事実はない。(関連する日経新聞記事を末尾に転載)
自民党は、要するに、民主党の政策をそのまま受け容れることはできないから、自民党や公明党の政策も容れるかたちで法案を練り上げ、法案が成立したら解散して(たぶん自分たちが勝つだろうから)政権を渡して欲しいという動きかけをしたのである。
議場ではなく密室の協議だから、外に漏れないかたちで自民党が民主党に法案採決前の解散を要求した可能性は否定できない。
しかし、12年6月15日に「三党合意」を受けて12年6月21日に「三党確認書」を作成し、間を置かずに6月26日には衆議院で三党の賛成で可決、続いて8月10日には参議院でも可決し消費税増税関連法案は成立した経緯を考えれば、そのような要求はなかった可能性が高いと言えるし、仮に案採決前の解散を要求したとしても本気ではなかったと推測できる。
ネジレだかったから参議院は与党は過半数割れ、衆議院も消費税増税に反対する小沢グループなどの数が多く与党だけでは解散が覚束ないといった当時の状況に即して言えば、自民党が本気で法案を採決する前に国民に信を問うため解散すべしと“正論”で野田政権に迫れば呑ませることもできたのである。
そうは言っても、首相まで務めていた安倍氏なら、増税法案の信を問うために総選挙を実施すれば、庶民に負担を強いる消費税の増税を企む政党という烙印を押され、民主党ともども負け戦になることがわかっているから、そんな“愚かなこと”は三党すべての考慮外であったことくらいわかっているはずである。
ちょっと別の話になるが、今になって考えればその前の時点で既に解散・総選挙を決めていたとわかのだが、安倍首相は、自分の政治資金相続脱税疑惑が総選挙などで問題や“争点”にならないよう、社民党吉田党首とのあいだで行われた参議院の質疑応答を利用してその問題を封印するような暴挙も行っている。
※ 参照投稿
「首相「犯罪者扱い」に激高 社民・吉田氏の脱税疑惑質問に:あの所信表明直後の遁走に絡む脱税疑惑で説明責任を果たさず逆ギレ」
http://www.asyura2.com/14/senkyo173/msg/887.html
最高裁もかつて認めそれが常態化している日本政界だが、憲法違反の衆議院解散を行うにとどまらず、総選挙でなんとしても確実に勝とうとあくどい言動をしていると足下をすくわれると安倍首相に警告しておく。
「政治資金相続脱税疑惑」は、政権放り投げ遁走事件と絡むもので、政治家安倍氏の命取りになる可能性がある爆弾と言える。
最後に、NHKの記者や論説委員なども、消費税増税関連法案に関する「三党合意」はつい2年前に起きた大きな政局劇だから、その推移がどうものでであったか記憶しているはずである。
NHKなどの記者は、安倍首相の“記憶違い”をきちんとただしてこそジャーナリストと言えると自覚して欲しい。
ジャーナリストと称する人たちのなかには、わざとか不注意かはわからないが、事実をごまかして平然としているひともいるから困ったものである。
※ 参照投稿
「長谷川 幸洋東京新聞論説副主幹よ、恥を知れ!:消費税増税路線は既定であり12年暮れの総選挙での争点にあらず」
http://www.asyura2.com/14/senkyo174/msg/498.html )
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※ 参照記事
一体改革法案 自民、対案で揺さぶり
首相「真摯に向き合う」 連休明け審議入り
消費増税を柱とした税と社会保障の一体改革関連法案の審議が大型連休明けから始まるのを前に、与野党から修正協議に向けた動きが出始めた。野田佳彦首相は29日、野党が一体改革の対案を出せば柔軟に対応する考えを表明。自民党は連休明けに対案の骨格を固める方針で、法案賛成と引き換えに衆院解散・総選挙を迫る「話し合い解散」もにらみ、対案で揺さぶる路線を鮮明にする。
〈中略〉
自民党は政府・民主党が対案を丸のみし「話し合い解散」に応じるなら法案賛成をにじませる。逆に解散につながらないなら法案に反対し「増税の立場は同じでも使い道の社会保障政策が異なる」と批判する構えだ。
〈攻略〉
[日経新聞2012年4月30日朝刊より一部引用]
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社会保障・税一体改革 対案テコに譲歩迫る
自民、話し合い解散誘う 法案提出、時期見極め
自民党は29日、社会保障と税の一体改革関連法案の対案の骨子を了承した。民主党に「丸のみ」させて消費増税関連法案に協力しやすい環境を整え、成立と引き換えに衆院解散を迫るのが基本戦略だ。ただ野田佳彦首相の出方はまだ読み切れない部分が多く、対案を国会に提出する時期は慎重に見極めていく構えだ。
〈後略〉
[日経新聞2012年5月30日朝刊より見出しの記事から一部引用]
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首相 消費税率の引き上げ先送りを示唆 [NHK]
11月16日 18時12分
オーストラリアを訪れている安倍総理大臣は記者団に対し、来年10月に予定される消費税率の10%への引き上げについて、「税収を増やすために税率を上げるわけであって、景気が腰折れして税収が落ちていけば元も子もない。その冷静な判断が求められている」と述べ、引き上げを先送りする考えを示唆しました。
そして、「国民生活に大きな影響を与える課題を国民の理解と協力なくして進めていくことはできない」と述べ、一般論と断りつつも、消費税のような国民生活に関わる判断にあたっては、衆議院を解散して国民に信を問うことが望ましいという認識を示しました。
この中で安倍総理大臣は、消費税率の10%への引き上げについて、「税と社会保障の一体改革、税制改革法においては、付則18条を書き込んである。この付則18条にのっとって、消費税についてどうすべきかということで、去年も、ことし4月に引き上げるかどうか議論した。今回も40名を超える有識者の方々からご意見を聞いている」と述べ、経済情勢によっては消費税率の引き上げを見合わせることができるとした、いわゆる「景気弾力条項」を踏まえ、引き上げの是非を判断する考えを示しました。
そのうえで、安倍総理大臣は「あす発表になる、7月・8月・9月のGDP=国内総生産の速報値などを総合的に勘案して、デフレから脱却し、経済成長させ、国民生活を豊かにするために判断したい」と述べました。
そして、安倍総理大臣は「なぜ税率を上げるのか。税収を増やすために税率を上げるわけであって、景気が腰折れしてデフレに戻り、税収が落ちていけば元も子もない。その冷静な判断が求められている。精神論とかで、国民生活に、国民経済に大きな影響を与える判断はすべきではないと思う」と述べ、景気の回復に足踏みが見られることを踏まえ、引き上げを先送りする考えを示唆しました。
また安倍総理大臣は、記者団が「消費税率引き上げの先送りは衆議院選挙を行う大義となるのか」と質問したのに対し、「一般論として言えば、2年前のきょう、野田前総理大臣が衆議院を解散したが、選挙では民主党政権への、そして民主党に対する国民の失望が政権交代の原動力になったと思う。民主党の大失敗は、マニフェスト=政権公約で『消費税を上げる』ということを書かずに、国民生活に大きな影響を与える課題を民主主義の基本である選挙で国民に問うことなく決めたということではないか」と指摘しました。
そして、安倍総理大臣は「当時の自民党の谷垣総裁は、何度も野田前総理大臣に対して法案を通す前に国民に信を問うように迫っていたと思う。政策を進めていく、それは国民の理解と協力なくして進めていくことはできない。一般論として申し上げればだが」と述べ、一般論と断りつつも、消費税のような国民生活に関わる判断にあたっては、衆議院を解散して国民に信を問うことが望ましいという認識を示しました。
ただ安倍総理大臣は、衆議院の解散について「私が日本にいない間、いろんな発言や動きがあるようだが、私自身は解散に言及したことは一度もない。数日前も北京の記者会見でそのように申し上げたと思うが、この言い方を今変える段階にはないと思う」と述べました。
外交面の成果は
また、安倍総理大臣は、中国との関係について「APEC=アジア太平洋経済協力会議に合わせて日中の首脳会談ができたことは本当によかった。戦略的互恵関係の原点に立ち戻って日中関係を改善させていく大きな一歩になった。その後、ブリスベンにおいても習近平国家主席と握手をし、李克強首相ともミャンマーでことばを交わし、戦略的互恵関係を発展させていくことで一致した」と述べました。
さらに安倍総理大臣は、韓国との関係について「北京でのAPECの夕食の際に、パク・クネ(朴槿恵)大統領の隣に座る機会を得たが、かなり時間があったので率直に話をすることができた。ミャンマーで開催されたASEAN+3の首脳会議では、パク大統領から日中韓外相会談や首脳会議の開催を目指す考えが示された。私からは昨晩、パク大統領に対し、日中韓首脳会議の開催に向けて日本としても協力していきたいと伝えた。非常ににこやかに話をすることができた」と述べました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141116/k10013244221000.html
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