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2014/11/15 06:46
国民の生活のために何ら実効性のある政策を何も実施しないで、ただただ日銀の異次元金融緩和を「アベノミクス」だと騒ぎ立てたマスメディアの宣伝効果だけで持って来た安倍政権だった。50%近い高い支持率を維持しているとマスメディアは未だに宣伝しているが、国民はその現実生活とマスメディアの謳う文句との乖離に介在する欺瞞性に気付いている。
12月14日に投開票されると決定しているかのような総選挙に対して、国民は安倍政権2年間の通信簿を付ける心つもりで投票に臨もうではないか。そのためにはマスメディアの宣伝文句に騙されることなく、国民の生活にとって安倍政権はどうであったかを冷静に検証し評価すべきだ。
マスメディアは2009年の総選挙で民主党が掲げたマニフェストに悉くイチャモンをつけて味噌も糞もブッ潰した。未来への投資だった「子ども手当」に対して「財源がww」と政策論争ではなく、まさしくイチャモンを付けてブッ潰した。しかし安倍氏がジャブジャブに業界に注ぎ込んだ公共事業に対しては「財源がww」という批判は皆無だった。
しかしそのために蛍雪労働者や重機のオペレーターが全国的に不足し、入札の不調が相次ぐ事態で東北の復興は後れ、それでなくても民間単価の二倍近い公共事業単価がハネ上がった。税金はダダ漏れに業界へばら撒かれているはずだが、現場で働く建設・土木労働者の労働単価はそれほど上がってない。
安倍政権の通信簿を付けるにあたって忘れてはならない最重要事は「特定秘密保護法」や「解釈改憲」といった憲法の規定を勝手に変更したことだ。憲法に定める「国民の知る権利」を最大60年間も封印するとは何という後進国家だろうか。
米国でさえ30年原則を25年に短縮したではないか。国家の最高機密であれ、何であれ、25年たてば全てを公開するというのだ。その基本的な考え方は国家は国民のモノであり、国家機密も国民の税により賄われ国民の権利の負託により行使されている国事行為により取得されたモノであって、最終的に国民に情報開示されるべきものだ、との基本的な考え方に則っている。しかし安倍政権の考え方はそうではないようだ。あくまでも国民は知らしむべきものではなく、寄らしむべきものだという観念により「特定秘密保護法」が制定されている。それは国民の知る権利を大きく毀損するもので、憲法に抵触するものだ。
閣議決定による解釈改憲は明らかな「立憲主義」を否定する暴挙だ。集団的自衛権が海外派兵を可能にし、米国の要請に基づき自衛隊が紛争地域で米軍の三下扱いされることはミエミエだ。こうした憲法違反と思われる「解釈改憲」は憲政史上あってはならないことだ。
集団的自衛権のヨシアシを議論しているのではない。憲法規定とその運用を問題視している。安倍政権は閣議でこぞって解釈改憲に賛同した。つまり日本国憲法は解釈でどうにでもなるのだと世界に宣言したことに等しい。それは立憲主義を明確に否定するもので、中国や韓国と同等の人治国家だと宣言したことだ。恥ずべき愚行だと断罪するしかない。
マスメディアがいかに持ち上げて騒ぎ立てようと、アベノミクスは日銀の異次元金融緩和のマネーゲームでしかなかった。それは国民の生活よりも財務官僚の帳尻合わせを優先する政治に他ならない。
経済成長なき金融緩和は悪性インフレをもたらすだけだが、同時に実施した消費増税によりインフレよりもデフレ効果により、価値の下がった貨幣を同額面を所得とする国民が圧倒的になった。円安による株高とは外国投資家からみれば、たとえば1万円していた株価が7200円ほどに下落したのと同じだから割安感のある日本の株式に投機先をチェンジしたに過ぎない。何ら日本経済が好調だから株高になったのではない。そうした簡単な原理をマスメディアは一切報道しようとはしない。ただ株高だヨカッタ、ヨカッタと燥いでいるだけだ。国民の生活に関係するのは円安による輸入物品の高騰と消費者物価へのハネッ返りのマイナス要因だけだ。
すでに多くの輸出産業は海外展開しているから円安が輸出増には繋がらなかった。それほど国内産業は空洞化しているのだ。円安はそれらを国内に呼び戻す絶好のチャンスにも拘らず、安倍政権はUターン投資減税などの簡単な有効政策すら打てなかった。そしてカジノが成長戦略だ、と馬鹿な発言を繰り返している。国民をギャンブラーにすることが国家戦略なのかと情けなくなる。
外交は内政以上にメタメタだ。北朝鮮の拉致被害者に関しては最初から大嘘としか思われない「拉致被害者を調査する」発言により安倍氏は一部経済制裁を解除した。なぜ北朝鮮が拉致被害者を調査しなければ所在を知らないと思ったのだろうか。拉致被害者は依然として北朝鮮国内で「拉致」監禁されていると考えるのが常識ではないか。そうした常識すら外務省と政府官僚と政治家たちは喪失していたというのだろうか。大丈夫なのかコイツラは。
政治家は国民の生活が第一の政治を行うべきだ。労働人口が毎年100万人単位で減少している日本で、対前年増の予算を一体いつまで組み続けるつもりだろうか。財務官僚の三下で政治家が顎で使われている限り、対前年増の予算を組み続けて、そのツケは国民負担に転嫁される構造は続くだろう。
本来的に考えれば、財務官僚は歳入を基準にして歳出予算を組むべきだ。歳入が少なければ予算はこれまでしか出せない、と政治家にレクチャーし国民に正直に説明すべきだ。そして歳出の中身に関して人件費はこれだけで、制度事業の中の従事者に支払う労働報酬表はこれだと、正直に国民に説明すべきだ。自分たちは公務員だから制度事業に定める看護士や保育士の二倍以上の「等級、号俸」表で報酬を手にして良いが、自分たちが実施する事業で雇用する労働者はこれだけの低賃金で良いのだ、という屁理屈を正直に説明すべきだ。いや、それはそうしたカラクリを何も知ろうとしない政治家たちの役目かも知れない。
総選挙は願ってもない安倍政権2年間の評価すべき学期末だ。彼がどのような点数を取ったか、御用マスメディアが囃し立てて持ち上げようと、国民は肌で生活が困窮しているのを知っている。小沢氏を中心とした国民の生活が第一の野党大連合が形成されるのを心から望む。
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