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日本の安倍首相は記念撮影も後列/(C)AP
米中首脳に相手にされず…安倍首相が決定的に足りないモノ
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/154961
2014年11月15日 日刊ゲンダイ
北京でのAPECが閉幕した。安倍首相の周辺は日中首脳会談が実現したことでカラ威張りしているが、冗談じゃない。APECでハッキリしたのが日本の存在感の低下だ。一方、米中首脳は親密ぶりを世界に強く印象づけた。安倍首相は相手にされていないことが歴然となったのではないか――。
■間違った歴史認識で世界から孤立
米・オバマ大統領と中国・習近平国家主席による首脳会談は、2日間にわたって行われた。政府の中枢・中南海での夕食会や花火観賞を挟んで、2日目の会談後には共同記者会見も開かれ、ともに過ごした時間は延べ9時間に及ぶ。
昨年6月に習主席が訪米した際、西海岸の保養所で2人が談笑しながら散歩するシーンが話題になったが、今回も2人は黒いコートにノーネクタイで散歩を楽しみ、親密さをアピールした。
わずか25分間で終了し、共同会見もなかった日中首脳会談とは大違いだし、安倍首相とオバマ大統領の会談はなかった。米から「眼中にない」と宣告されたようなものだ。
「今の日本は国際社会で完全に孤立しています。原因のひとつが、安倍首相の間違った歴史認識で、きちんと歴史を学んでいないからか、歴史問題でも感情が先に立ってしまう。教養がないせいか、政治哲学も語らない。これじゃあ、大国の首脳が胸襟を開くわけがありません。安倍外交というと、財界人を引き連れてのトップセールスとか、ODAのバラマキとか、カネの話ばかり。これでは国際社会で尊敬されるわけがないのです」(政治評論家・森田実氏)
■石原慎太郎からも「教養がない」
米ジャーナリストのボブ・ウッドワード氏の著書「オバマの戦争」によれば、軍人経験のないオバマ大統領は、戦争や歴史の本を読みあさり、必死で知識を身に付けたという。学生時代に詩作を趣味にしていたオバマ大統領は文学にも造詣が深い。フェイスブックの読書歴を見ると、シェークスピアの戯曲やメルビル、エマーソンの評論などを読んでいる。黒人差別と闘いながら、勉学に励んで弁護士になった知識人だ。
習主席にも似たところがある。幼少期に父が失脚、貧しい農村に「下放」された。父は78年に名誉回復するが、その間に習主席は清華大の化学工程部に入学し、79年に卒業した。
翻って、我が国の首相はどうか。安倍首相の愛読書は「永遠の0」や「今日われ生きてあり」などの特攻隊小説が有名だ。最近では、極左集団と公安警察の戦いを描いたノンフィクション「狼の牙を折れ」をフェイスブックで絶賛していた。こういう類いの小説を読むのは勝手だが、少なくとも、教養を感じさせる読書ではない。「本棚を見れば、その人がわかる」というが、右翼仲間の石原慎太郎氏でさえ、朝日新聞のインタビューで「(安倍首相には)祖父の岸信介元首相のような教養はない」とコケにしていた。これでは世界の首脳と渡り合えるわけがないのである。
■憲法学の大家も知らない安倍首相
「昔の政治家はよく本を読み、歴史を勉強していた。だから、知識をひけらかさなくても、言葉には重みがあった。宮沢喜一元首相の博識には各国首脳も舌を巻いたものです。パフォーマンス先行に見えた橋本龍太郎元首相も、実はたいへんな読書家でした。安倍首相は、振付師や脚本家任せの耳学問だから、言葉に含蓄がなく、上滑りなのでしょう」(森田実氏)
昨年の参院予算委で、民主党議員に「芦部信喜さんという憲法学者をご存じですか」と聞かれ、平然と「私は存じ上げておりません」と答えたこともあった。憲法改正を掲げる首相が、憲法の大御所を知らない。洋楽評論家がビートルズを知らないようなものだ。
世界を見渡せば、ロシアのプーチン大統領はレニングラード大卒でKGB出身のエリートだし、ドイツのメルケル首相もライプチヒ大で物理学を専攻し、博士号まで取った才媛である。彼らの知的レベルが政治指導者のグローバルスタンダードというものだ。
憲法学の大家の名前も知らない首相と、愛読書がマンガで漢字も読めない副総理がツートップの国では恥ずかしい。
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