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中国を侮るなかれ 僅か10年50年で世界は変貌する
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2014年11月13日
今夜紹介する、The Financial TimesのEdward Luce氏のコラムは、翻訳が悪いのか、原文が判りにくいのか、否定形が多すぎて読みにくい。ただ、言わんとしていることの中で明確な事実は、アメリカは誰が大統領になっても、対中外交では苦難に出くわすと云う点。また、「習主席は、中国の開放政策を打ち出したケ小平のように話すが、中国の絶対的指導者、毛沢東のように行動する。」と云う例示だが、一党独裁主義と資本主義の組み合わせは、自由民主主義と資本主義の組み合わせに比べて、ルール違反なほど条件的に有利な闘いが出来る点に注目しておきたい。
ロシアも表向き、民主主義と資本主義の組み合わせだが、ロシアの大統領制に関しては、必ずしも選挙の洗礼を年ごとに浴びるような不安定さは見られないので、ひとりの大統領の独裁制と資本主義が混交した政治体制になっている。日本人が考えている以上に、ロシアと中国の潜在的能力を見くびっては拙いだろう。少なくと、ユーラシアの、この2大国は、国家概念が明確だ。しかし、いまのアメリカは、2大政党と言われても、共にグローバル資本に跪く政治集団であって、国家概念は、ますます曖昧なものになってきている。
コラムで語っているように「中国は空や地上からと同様に潜水艦からも核弾頭を発射する能力を備えるなど、米国、ロシアと並んで核兵器の三大保有国の一つになるまであとわずかのところまで来た。」つまり、ロシアは痩せても枯れても、世界に君臨する軍事大国なのである。中国は、その2大軍事大国に追いつこうと必死こいているわけで、最終的には、3大軍事大国の出現は、もうすぐ我々の目の前に現れることになる。このような10年、50年のスパンで物事を見ていけば、反中であるとか、反ロであるとか、口に泡吹かせて語ってはいられないのだ。
たしかに現状は、アメリカには経済力があるから、という反論もあるだろうが、この米国経済の正体が問題なのだ。頼りにする経済の源泉が、国家概念を超えたところ、マネーと云う怪物に存在している点がポイントなのだ。前述のようにアメリカの民主党も共和党も、グローバル企業群の献金により政治活動を請け負っている地位に落ちているのだから、アメリカ合衆国と云う国の味方を常にするかどうか不確かなのだ。
筆者の現状における認識だが、自由主義、民主主義と資本主義の組み合わせは、人々、国民から離れた世界に住んでいるマネーと云う怪物に支配される必然的運命性を持っているようだ。特に、金融資本主義が盛んになるに従って、このシステムの弱点がさらけ出た。前述のように共産党独裁と資本主義の方がシステム上、迅速性や、独善性や、資本の集中等々において、競争力で優位に立つ。このような姿で、世界が回り出すと、自由主義、民主主義と資本主義の組み合わせでは、国家概念が喪失し、「新世界秩序」(世界統一政府による地球レベルでの管理社会を指すものとしても使われる。)の概念に向かう力と、自由主義、民主主義と資本主義を否定し、新たな政治概念を作る方向に大きく分かれて行きそうだ。
我が日本が、どちらに向かって進むべきか、然るべき議論が生まれても良いのだが、どうもこう云う方面になると、政治家も官僚も国民も、まったく興味を示さない。半ちょろけな、グローバリズムに現を抜かしている間に、BRICsに経済的にも抜かれ、東洋の孤島の小国になるのかもしれない。それはそれで、生きる手立てはあるが、グローバリズムの渦に巻き込まれてしまっていると、食い物からエネルギーまで死活問題に直結する肝を握られているだろうから、奴隷的自発性なき島になるだろう。真っ当な良識持つ天皇制と、勤勉で我慢強い国民がいると云うのに、何ひとつ使うことなく、奴隷的自発性なき島になるのは悲しすぎる。
≪ [FT]オバマ大統領、中国相手にできることは少ない
2期目の米大統領は国際舞台に慰めを求めるのが、いわば伝統になっている。オバマ大統領も例外ではない。先週の米中間選挙で大敗した後、オバマ大統領は10日、中国に降り立った。そして中国の習近平国家主席と首脳会談に臨む。
ワシントンに比べて北京の方が意のままに動かしやすいとはいきそうにない。時間の経過とともに、オバマ氏の国際舞台での地位は、国内での弱体化と 切り離して考えるのがますます難しくなっている。実際、そんな論調が広まりつつある。「米国社会は(オバマ大統領の)凡庸さにうんざりしてきている」。中国の準機関紙である環球時報は先週、こう指摘した。
そんなことを口にしないほどには習主席は礼節をわきまえている。しかし二人のうちどちらが上り調子なのかは見誤りようが無い。
■中国軍事費、09年の2倍近く
オバマ氏は就任1年目に中国政府に対し、米中2国で世界の諸問題に取り組む「G2論」を提唱した。中国はオバマ大統領の申し出を拒否した。その後、オバマ大統領は「アジア回帰」戦略を発表。中国は米国による封じ込め政策とみて、これに反応した。中国の現在の実質防衛支出は、オバマ大統領が初めて訪中した 2009年の2倍近い。この間、米国の軍事予算はインフレ率程度しか伸びていない。
弱体化したオバマ氏は中国で何か成果を挙げられるか。答えは必ずしも「ノー」ではない。
北朝鮮を除く中国の近隣諸国は、同地域で米国の存在感が高まることを強く望んでいる。よく皮肉っぽく言われる通り、習主席は、中国の開放政策を打ち出したケ小平のように話すが、中国の絶対的指導者、毛沢東のように行動する。ベトナムやインド、フィリピンなど、かつては米国と軍事的なつながりを持つことを警戒していた国々は、いまでは堂々とつながりを求めている。従来、米の軍事的資源は太平洋地域と大西洋地域に50%ずつ配備されてきたが、オバマ大統領のアジア回帰政策は、太平洋への配備を60%に引き上げる。
さらに、オバマ大統領の前回の訪問時に比べ、中国経済の見通しはずっと勢いが弱まり、米国の経済成長はようやく加速してきた。今週のオバマ大統領の課題の一つは、世界経済の半分以上を優に占める11カ国による環太平洋経済連携協定(TPP)をさらに進展させることだ。
中国はTPPに参加を要請されていない。中国政府の中には、これを米国による囲い込みにつながる経済圏とみる人もいる。もしオバマ大統領が日本や その他の参加各国と協定をまとめれば、同大統領が進めるアジアへ安全保障の軸足を移す「再均衡(リバランス)政策」を強固にするかもしれない。書類上はうまくいきそうだが、実際は違うだろう。
■進展みられないTPP
ここで国内での弱体化がオバマ大統領の足を引っ張ることになる。TPP交渉でほとんど進展がみられないのは、米国議会がオバマ大統領に対し貿易促 進権限(通称ファストトラック)の付与を拒否しているためだ。ここで指す議会とは、民主党が多数を占める議会だった。共和党は1月に上院議会で実権を握ることになるだろう。オバマ大統領の戦略は、交渉をまとめてからようやく議会に貿易促進権限の付与を要請するというやり方だ。これまでのところ、この順序が逆に進んできた。
一方、議会側が貿易促進権限を認めたのは、クリントン元大統領が北米自由貿易協定(NAFTA)の締結交渉をして以来、20年間で5年だけだ。先週の中間選挙敗北を受け、オバマ大統領が共和党に対し、この件は任せてほしいと交渉しやすくなったかというと、それは甘い考えだ。保守系の草の根運動「茶会党」の目的は結局のところ、オバマ大統領の「帝国的大統領の時代」を終わらせることだ。
世界の国々、特に中国は、反対の視点からオバマ大統領をみつめている。任期も後半戦に入りすっかり影響力の弱まったリーダーという目だ。中国ウオッチャーたちによると、オバマ氏は時間や手段が限られているという見方に、習主席は就任以来ますます意気軒高だという。今後、ヒラリー・クリントン氏か、共和党のだれかが大統領に就任するだろう。どちらが就任しても、オバマ大統領に比べれば国際政治の舞台ではタフな交渉相手になるはずだ。この見方が誤りだとしても、習主席は昨年カリフォルニア州で就任後初めての米中首脳会談を行って以来、オバマ大統領への敬意をほとんど見せていない。
オバマ大統領は習主席に対し、米国防総省やその他の標的へのサイバー攻撃をやめるよう警告した。中国のサイバー攻撃は増大した。今年これまでに、オバマ政権は中国軍幹部を含む中国人5人 をサイバー空間での諜報(ちょうほう)活動で起訴した。このうちだれの裁判も行われそうにない。中国政府はこうしたオバマ大統領の「見せかけ」を織り込むようになっている。
■変わるパワーバランスのなかで
米大統領が他のだれであっても、中国はもっと強引だったのではないかとみるのがフェアな見方だ。中国の目的は世界のリーダーになること。中国から見れば、国際通貨基金(IMF)も米国の利害を映す機関にみえる。米大統領がだれであれ、中国は米が主導する機関の影響力を抑え込もうとするだろう。
同様に、他のだれかではなくオバマ氏が大統領だったから中国の軍事支出がここまで上昇したとは考えにくい。どちらにしても急上昇しているのだ。
オバマ大統領の就任以来、南シナ海で領有権を主張する他国への防衛に対し、中国は、米国の介入を阻止する「接近阻止・領域拒否」の増強に多額の資金を投じている。中国は空や地上からと同様に潜水艦からも核弾頭を発射する能力を備えるなど、米国、ロシアと並んで核兵器の三大保有国の一つになるまであとわずかのところまで来た。超音速弾道ミサイルやその他の最新鋭兵器に何十億ドルも投資している。かつては難攻不落の象徴だった米国の空母の艦隊も、古ぼけてみえてくる。
権力の極みにいても、この件についてはオバマ大統領にできることはあまりなかった。リーダーが持ちうるつかのましか行使できない権力よりずっと強大な(パワーバランスの)趨勢をオバマ大統領は受け継いだ。しかしそれでも外交では感覚も重要だ。オバマ大統領は前回の訪中のころはまだ 権勢を誇っていたが、中国側からお粗末な対応を受けた。さらに弱体化した今では、前回より大きな影響力を持つなど期待できないだろう。
By Edward Luce
(2014年11月10日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) (c) The Financial Times Limited 2014. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation. ≫(The Financial Times:日経新聞・翻訳)
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