http://www.asyura2.com/14/senkyo174/msg/434.html
Tweet |
安倍官邸が画策中それ行け!11・19「いまのうち解散」だ「思ったより支持率が下がらなかったな」「野党は全然、準備できていないよな」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41034
2014年11月13日(木) 週刊現代 :現代ビジネス
相次ぐ閣僚の辞任、パッとしない日本経済と、もはやガタガタの安倍政権。しかし総理には、すべてをチャラにする「最終手段」が残されている。その効果は、ピンチであればあるほど大きくなるのだ。
■日銀「追加緩和」は布石
突如として、永田町に再び「解散風」が吹き始めた。自民党幹部議員が言う。
「安倍総理がまもなく解散に踏み切るのではないか、という噂は夏にも一度流れたけれど、今回はその時とはだいぶ様子が違う。会う人会う人、『解散、あるんですかね』って聞いてくるんです。本当に焦っている議員も少なくない」
先月末、新聞各紙が示し合わせたかのようにして、一斉に「年内解散・総選挙の可能性」を報じた。記事の内容はどの社も一緒で、「自民党内で年内解散という声が出始めている。しかしこれは、閣僚のスキャンダル追及で図に乗る野党を牽制するための官邸によるブラフ(脅し)だ。その証拠に、自民党幹部は『選挙の準備などしていない』と否定している。総選挙をしても、自民党は議席を減らすだけだ」というものである。
小渕優子前経産相、松島みどり前法務相と、総理が肝煎りで登用した閣僚たちが「政治とカネ」や公職選挙法違反の疑いで次々と倒れてゆく。官邸の「警戒レベル」は第二次安倍政権が始まって以来、明らかに最高クラスまで引き上げられた。政権はかつてないダメージを負っている。
それにただでさえ、経済と消費税増税、拉致問題、原発再稼働と、現在進行形の問題が山積みなのだ。そんな身動きのとれない状況で解散なんて、できるわけがない—確かに、これが「道理」というものだろう。
だが、年内解散を「こけ威し」と一笑に付す人々は、重要なことを忘れている。衆議院解散とは、総理だけが抜くのを許される「伝家の宝刀」、ゲームをリセットし、全議員を従わせることのできる唯一にして最強のカードだということを。
10月31日、前触れもなく日銀が最大20兆円規模の大型追加緩和を決め、日経平均株価は年初来高値を更新した。金融政策は日銀の専権事項だが、決定には「何としても株価を維持する」という安倍総理の執念が、何らかの形で作用した可能性も否定できない。そしてこの「サプライズ」は、安倍総理がひそかに準備する「さらに大きな仕掛け」に向けた布石と見るべきだ。
周囲がいくらこけ威しと言おうと、いまの安倍総理にとって「解散」こそ最大のサプライズ。さらに、総理には「伝家の宝刀」を抜き、「いまのうち解散」に踏み切る十分な理由がある。
小渕前経産相、そして松島前法務相のスキャンダルに、官邸は速やかな辞任で幕を引こうとした。また、その後明るみに出た望月義夫環境相、小渕氏の後任・宮沢洋一経産大臣の問題については、先手を打って本人に謝罪させ、マスコミにスクープされるのを防いだ。「すべては菅義偉官房長官の采配」(全国紙政治部官邸担当キャップ)である。
しかし、雲行きが怪しくなっている。全国紙社会部の司法担当デスクが言う。
「東京地検特捜部が、小渕氏に対して本気を出している。特捜部はみんなの党・渡辺喜美氏の『消えた8億円問題』を詰め切れず、苛立っていました。そこに現れた恰好の獲物が彼女だった。小渕氏本人が起訴される流れになれば、議員辞職も視野に入る。罪状は選挙違反と横領でしょう」
小渕氏のカネを差配していた元秘書の折田謙一郎・前中之条町長に対しては、すでに取り調べと家宅捜索が始まっているが、彼だけで終わるはずはない。
「小渕氏どころか、自民党と関係が深い大澤正明群馬県知事、それに折田氏がかかわっていたという八ッ場ダムの建設業者まで、イモ蔓式につながる可能性が高い。そうなれば、小沢一郎氏の時のような一大スキャンダルに発展します。
すでに地元の支持者からも、『優子さんは、誰かが捕まる前に身を引く(議員を辞める)べきだ』という声が出ているようです」(前出・全国紙司法担当デスク)
■だから、やる意味がある
残る閣僚に対する追及も、まだまだ止みそうにはない。自民党中堅議員がこう話す。
「この前ある閣僚と話した時には、『次はオレだっていう話があるらしいんだけど、本当なのかな』と、本気で心配していました。大臣が3人辞めれば、ビンゴで政権が倒れる。今のところ2人辞任だから、もうリーチってこと。第一次(安倍政権)の時と同じだと言われても、文句は言えませんね」
政権の足元を見てみれば、まさしく泥沼だ。閣僚の士気はどん底まで落ち、レームダックの一歩手前。安倍総理自身、浮き足立つ議員たちを落ち着かせるかのように、10月30日の予算委員会で「解散は全く考えていない」と口にしている。
だが、総理の内心は違う。永田町の住人はおろか、全国民が「ここまでボロボロの時に、選挙なんかできるわけがない」と思っているからこそ、「解散」する意味があるのだ。
なぜか。選挙で圧倒的勝利を収めさえすれば、閣僚のスキャンダルなど全て吹き飛ぶ。それどころか、再び安倍総理は国民から全権委任を受け、レームダックに陥りかけた政権を延命させられるからに他ならない。
そして、いまの安倍総理には「勝てる」という絶対的な自信がある。その自信の最大の源泉が、政権の命綱、支持率である。
小渕氏・松島氏のダブル辞任を受けて、10月25日前後に新聞各紙が内閣支持率の緊急調査を行ったのは記憶に新しい。総理も官邸もその結果に戦々恐々としていたが、しかしフタを開けてみると、その結果は意外にも50%周辺をしっかりとキープしていた。
「朝日新聞に至っては、閣僚辞任前と比べて3ポイントも上がっていましたからね。今回の追加緩和も、支持率維持の追い風になってくれるはず」(官邸スタッフ)
マスコミが政治家のスキャンダル報道に躍起になればなるほど、次々に報じられる不祥事の「価値」は下がってゆく。そのうちみんな麻痺して、気にもしなくなるだろう—安倍総理は、そんな確信を深めたに違いない。事実、すでに総理の心はスキャンダルから離れているという。
「最近の安倍総理は、官僚の報告にも『そう、そりゃ大変だね』と返したり、『松島さんも、あんなに人前でしゃべるのが下手とは思わなかったなあ』なんて呑気に口走ったりと、周囲を〓然とさせるような発言が増えている。こんな非常事態だというのに、閣内で起きていることさえ、まるで他人事みたいなんです」(前出・官邸スタッフ)
■11・19までの3日間で
かつて安倍総理の祖父・岸信介氏は、総理在職中、'60年安保で国会と総理官邸を数万の学生が包囲している最中に、テレビの野球中継を見てつぶやいた。
「今日も後楽園球場は満員だな」
岸氏は、こう自らを鼓舞して戦後最大の修羅場を乗り切った。支持率があれば、いつでも「解散・総選挙」に臨むことができる。そして、いざ選挙をやれば、必ず勝てる。祖父から学んだこの事実こそが、安倍総理に不敵なまでの自信を与えているのだ。
とはいえ、誰も予想しないタイミングで突然「解散・総選挙」に踏み切るには、相応の大義名分が必要になる。それこそが、まさに現在、政権最大の懸案事項となっている消費税再増税の是非だ。自民党ベテラン議員もこう言う。
「安倍総理にとって、消費税増税判断こそが、支持率を急上昇させるための絶好のチャンスです。
11月17日に今年7~9月のGDP速報値が出ますが、これはどう考えても惨憺たる結果になる。しかし実は、政府が識者42人に増税の是非を問う『点検会合』の聞き取りが全て終わるのが、GDP速報値発表翌日の18日なのです。
聞き取りの内容を受けて、消費税増税先送りを決断し、その翌日の11月19日には速やかに解散を打って民意を問う。安倍総理は、おそらくそんなシナリオを描いているはず」
いま、世論は「これ以上増税なんかしたら、日本経済は耐えられない」「まだ庶民に負担を強いるのか」と、消費税再増税を拒む声が大勢である。にもかかわらず、麻生太郎副総理や谷垣禎一幹事長をはじめ、政府与党の幹部は軒並み「増税やむなし」と鬼のような主張を曲げない。「あいつら、本気で言ってるのか」というのが、国民の偽らざるホンネだ。
そうした流れの中で、安倍総理が会見を開き「じっくりと考えましたが、やはり国民の暮らしを犠牲にすることはできない。消費税増税は先送りにしたいと思う。その是非を含めて、解散・総選挙で国民に信を問いたい!」と宣言すれば、国民は熱狂するだろう。「よくぞ決めてくれた!」「安倍さんはほかの政治家とは違って、庶民の気持ちが分かる人だ」と称えられ、株価も再び上昇軌道に乗ることは間違いない。そして、年内に投開票が行われる総選挙では、客観的に言って、自民党が圧勝を収めることも目に見えている。
消費税増税の先送りは、総選挙の大義名分であると同時に、安倍総理にとっては勝利を揺るぎないものにする「必殺の一撃」でもあるのだ。
もちろん、総理にも懸念材料がないわけではない。野党勢力に全くと言っていいほど実力がない今、むしろ怖いのは、日に日に強まっている閣内や自民党内の抵抗だろう。
「あの菅官房長官が、ついに総理とギクシャクし始めている」と話すのは、前出の自民党ベテラン議員だ。
「菅さんは政権を守ろうとはしているが、彼だって政治家です。安倍総理と心中するつもりなど毛頭ない。
スキャンダルの火種になった女性大臣の登用に関しても、『誰でもいいから5人入れる』と言い張った安倍総理に対して、菅さんは『使える女性議員が全然いない』と反対していた。案の定尻拭いをさせられることになって、内心ではうんざりしていますよ」
さらに、別の自民党幹部議員もこう言って安倍総理に厳しい視線を投げかける。
「いくら野党が弱体化したとはいっても、選挙をやって議席を減らせば、総理としては問題ありでしょう。もっとも、あの人にそんな度胸があるとは思えませんけどね」
しかし、繰り返すようだが、「解散」は総理だけが切ることのできる最強のカードであり、それ以外の国会議員は否応なくその決断に従うしかない。党内で不満を募らせるベテラン勢や反安倍勢力がいくら存在感を増そうとも、その気になれば'05年に「郵政解散」を打った小泉純一郎元総理のごとく、反対派を「守旧派」と決め付け、刺客候補をぶつけて放逐することだってできる。党内の抵抗勢力を一掃する手段としても、「解散」ほど好都合なものはないのである。
北朝鮮による拉致問題の進展で支持率を浮揚するという狙いはすでに外れた。アベノミクスは弾を撃ち尽くし、よかれと思って決行した内閣改造は完全に裏目。おまけに、党内では離反の動きも広がりつつある—。一見すれば、いま安倍総理は絶体絶命の窮地に直面しているように思える。
それが、「解散」という一言を口にしさえすれば、総理は逆境の全てをはね返すことができるのだ。よく「ピンチはチャンス」と言われるが、「11・19」こそが、安倍総理にとってはまさにその「チャンス」に他ならない。
唯一、安倍総理本人にとってもコントロール不可能な不安要素があるとすれば、それは言うまでもなく体調である。2年間の激務で、安倍総理の体はもう限界に近づいている。このままダラダラと総理を続けたところで、第一次政権の時のように大腸炎で倒れることになるだろう。その点から言っても、総理は解散総選挙による一刻も早い「テコ入れ」を望んでいるのだ。
■「憲法改正」への執念
少し前まで、安倍総理に会った人は一様に「安倍さん、何だか元気すぎないか」と感想を述べていた。夜は毎日のように会合、土日になれば暑くてもゴルフ、という生活は、かつて病に倒れて総理を投げ出した人物とは、にわかに思えないハイテンションぶりだった。
だが、「この元気さは、総理が持病の大腸炎の治療に使っている、ステロイド剤による『ドーピング』のおかげでした。今は、健康状態の面でも第一次政権の末期をなぞっているかのようです」と証言するのは、前出と別の官邸スタッフだ。
「10月に入って、総理は一気に体調を崩した。風邪がなかなか治らず長引いて、外遊にかかりつけの慶應大学病院の医師を同行させたり、公務の合間に治療を行ったりしています。夜、公邸や私邸に戻る時間も、以前よりもかなり早い9時ごろが普通になりました。
精神的にも、冗談を言ったかと思えば急に黙ったり、かと思うと人をどやしつけたり、以前よりも感情の振れ幅が大きくなったような気がします。左の頬のシミが目立つようになったのは、ストレスのせいじゃないかと言われています」
いざ総選挙となれば与党の総裁たるもの、遊説に論戦にと、いま以上の激務の日々へ突入することになる。ここで忘れてはならないのが、安倍総理の最終目標は消費税増税や拉致問題の解決ではなく、あくまで「憲法改正」であるという事実だ。
彼にとってあらゆる政局、そして政治課題は、祖父の岸信介元総理も成し遂げられなかった、この目標を実現するための通過点に過ぎない。安倍晋三という政治家の行動原理は、すべてここに端を発している。いまだ道半ばである以上、どれだけ体調がすぐれないとしても、安倍総理は気迫と執念で総選挙を乗り切ろうとするはずだ。
オレの目が黒いうちに、「憲法改正」へ一歩でも近づく—総理の最終目標へと通じる道は、もはやこの「いまのうち解散」しか残されていないのである。
「週刊現代」2014年11月15日号より
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK174掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。