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2014年11月12日
7年1か月ぶりに、東証日経平均が1万7千円台をつけた。安倍も黒田も、当面は好材料と受けとめるだろうが、ここから先が問題だ。以下の日経の記事は、かなりまともに事実関係を伝えている。ただ、後場になって、海外勢が中心に、突如買い上がったバブルっぽい株価なので、好材料に裏打ちされた株価でないことはたしかだ。直近の買い材料は、為替が円安に振れているためだろうが、思惑としては「消費増税先送り」と「解散総選挙」がセットの催促相場とみるのが正しいだろう。
この市場の催促相場を裏切れば、株価が雪崩を打って暴落する危険が高いのは、株式市場の常識。株価高騰で好景気を演出してきただけに、株価を大きく下げることは、絶対に避けたいのが安倍政権である。では、「消費増税先送り」と「解散総選挙」を実施した場合、景気の下振れを認めたことになり、アベノミクスの失敗を印象づけてしまうのだから、どっちに転んでも、安倍政権にとっては棘の道である。
ここまで、「消費増税先送り」と「解散総選挙」の話が、メディア上で既成事実化してしまった以上、その方向で決断するしかないようだ。よく考えると、安倍首相の意志で、現在のメディアにおける雰囲気作りが出来たとは言えないので、永田町が、アチコチで火を放ったと考えるのが妥当なのではないだろうか。安倍首相にとっては、思いもよらぬかたちでの、解散風になっている。それでは、なぜ、永田町がマスメディアに、このような情報をリークしたのかと云うことになる。
霞が関勢力は、何とかして、この際消費増税10%まで持ち込みたい流れを捨てていないだろう。内閣府の有識者による点検会合も、メンバーの顔ぶれから出てくる結論は、増税強行と云う結論を導く可能性が高い。しかし、財務省主導の再増税は、あまりにも現実を無視しているのはたしかだろう。先日のハロウィーン黒田の金融政策第二弾も、4月の消費増税3%アップの経済低迷をケアするものであり、来年10月の再増税の対応は含まれていない。補正や本予算で、経済対策を打つといっても、極めて限定的効果しか望めない。むしろ、現状の景気悪化に油を注ぐ結果になることは、ほぼ確定的である。
そうなると、有識者の意見(霞が関・財務省)と永田町の利害が対立する。そこで、永田町は、どうせ2年以内に総選挙の洗礼を受けるなら、野党の足並みが揃っていない今の方が、確率的に有利だ。来年の統一地方選は惨敗の予測もあるので、その後の総選挙となると、過半数の議席を獲得できるかどうか怪しい。それなら、若干の議席を減らすとしても、年内の解散総選挙がベストである。財務省のご意見に逆らう以上、それなりのけじめが必要だ。そういう意味で、消費税の延期を宣言の上、国民に信を問うと云う大義が出来る。
財政健全化への道のりは、既に長期にわたり“プライマリーバランス”だと言い募っていたわけで、1年半ほどの先延ばしなら、国際的信用が失墜する畏れもない。むしろ米財務省、IMFも当面は日本に金融バブルを引き受けて貰いたいわけだから、黒田の金融政策は阿吽の国際金融マフィアの約束事になっている可能性が高い。つまり、国債価格の下落などは、当面心配に及ばないと云うことだ。
ただ、金融政策を行うのは、主に日銀なので黒田は安泰だが、正直、内閣総理大臣は、安倍晋三でなければならないわけではない。安倍では、選挙に勝利した余韻に浸りながら、ロシアと電撃的領土問題の解決に大きな一歩を踏み出し、アメリカのロシア包囲網、中露分断工作に、大きな支障を来す可能性がある事をアメリカやグローバル金融勢力は憂慮するに違いない。中国も、靖国に参拝しそうな首相が長く政権の座にいることは好ましくないだろう。そういう事を考慮に入れると、解散総選挙は自民党全体としては好ましいことだが、安倍晋三にとっては、実は勝っても負けても、不都合である可能性はある。そのことに、あべちゃんが気づくかどうか、それは筆者の知るところではない。
≪ 株式市場に「解散風」 増税先送り論で買い膨らむ 〈証券部 富田美緒〉
株式市場でにわかに「解散風」が吹き始めた。衆院解散・総選挙とともに消費増税が先送りされるとの見方が浮上し、11日の東京株式市場には短期資金が流れ込んだ。日経平均株価は終値で1万7124円と、2007年10月以来7年1カ月ぶりに1万7000円の大台を上回った。日銀・黒田総裁の電撃緩和以降、 追加の買い材料を求めていた投資家が飛びついた格好だ。
「早期の衆院解散の可能性は本当にあるのか。15分でいいから意見を聞きたい」。 クレディ・スイス証券の市川真一チーフ・マーケット・ストラテジストのもとには昨日今日と、投資家からの問い合わせが相次いだ。市川氏はかねて安倍晋三政権は来年の通常国会での集団的自衛権行使の法整備を進める体制を整えるためにも、年内の解散に踏み切るとリポートなどで指摘していた。
日銀が追加緩和に踏み切ったいま、解散・再増税先送りでも短期的には景気下押しが避けられるために株価にプラス――。11日に主要メディアが相次ぎ「月内の衆院解散」を伝えると、短期資金は株価指数先物などへの買いで即座に反応した。
実際、11日の日経平均は解散のニュースが広がるにつれて騰勢を強めた。朝方は1万7000円手前で始まり、昼すぎからは階段を昇るように上げ幅を一時 380円近くまで拡大。株価指数との連動性の高い値がさ株の代表格であるファーストリテイリングは午前の1%高から一気に4%高へ、KDDIは同2%高から5%高まで跳ね上がった。消費増税の先送りの恩恵を受ける小売株にも買いが集まった。高島屋株とJフロントリテイリングの株価は4%高で引けた。
一気に大台を抜けた背景には、投資家が「売りにくさ」を強く感じていたこともある。前日の夕方に日銀が上場投資信託(ETF)を380億円購入したと発表。高値圏でも日銀がETF買いを入れてくるとあれば、「政策には逆らわない」方向へ投資家が傾くのも無理はない。
もっとも、クレディ・スイスの市川氏は「目先の短期的な上昇は、2012年から続いた長い上昇相場の最終局面かもしれない」と指摘する。遅くとも年明け頃からは、財政再建の遅れや『出口なき緩和』の負の側面に目が向き始めるとみる。「財政規律の重視」と「景気回復を待ってからの長期的な税収増」のどちらを優先するか、投資家の間でも判断は大きく分かれる。海外マネーの日本株買いがどの程度の先を見据えたものか、株高の賞味期限を常に問いながら進むことになる。 ≫(日経新聞)
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