http://www.asyura2.com/14/senkyo174/msg/311.html
Tweet |
日中首脳会談について
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52666089.html
2014年11月10日 在野のアナリスト
日中首脳会談、その結果に対して盛んに日本側の思惑通り、韓国は歯噛みしている、といった報道が為されます。しかし中韓が安倍氏と会談するとき、決まって憮然としたり、無礼な態度をとるといった行動をとることは、中韓の意図通りでもあるわけです。つまり中韓は安倍氏の方から懇願されて会った、という態度を貫く。それに対して安倍氏がにこやかに話しかけたのに、無視されたのも日本側の思惑通りというなら、一国の首相を道具扱いにしたことになります。
しかも、これが広い心をもつ安倍氏と、狭量な習氏、といった対比には映らない。日本では盛んにその場面が報じられますが、メディアがその際『習氏の態度は国内向けパフォーマンス』と報じます。もし本当にそうであるなら、外交相手よりも国内の競争相手を優先した、となってしまい、日本の首相が軽く扱われた、というのと同義になります。中国内で、その場面がほとんど報じられないのも、なぜ国内の競争相手を優先したのにそれを報じないか? についての説明がつきません。恐らくこの背景は、もっと別のところにある、という見立てをしています。
一度、手を握ってしまえば中国は融和路線に傾く、という読みが外務省にある、とされます。つまり習氏の対日接近が、間違った判断だと批判されないよう、日本と手を握りつづけるだろう、と。しかしそれは誤った判断です。1年前、基盤が脆弱なうちならそういうこともあるでしょうが、後1年もしたら習体制は磐石になるはずです。着実に政敵を貶めており、ほぼ手中とも言えます。不安定要因は経済だけ、それに伴う民主化運動だけ、とも囁かれるほどです。
それこそ中国は、日本に難癖をつけて関係を悪化させるのが常です。「徐々に」という文言には、今回の会談前の合意文のように、日本側が妥協すれば…と考えているはずです。しかし日本は玉虫色、と考えていたら、中国側は色がはっきりしている、と考えていた。事前の外相会談がもめ、今日になって首脳会談の開催が危ぶまれたのも、認識の差が埋まらなかったためです。つまり中国側は外相会談をうけ、必ずしも好感して会うわけではない、との態度に終始したのです。
日本の事情は単純でしょう。オバマ大統領が出席するAPECで、ケンカするなよ。ちゃんと会談しろ、と命じられていた。そうでなければ、逆にホスト国に恥をかかす目的で、会談を蹴っても良かったのですから。条件なしでの会談を求めながら、最後に合意文をつくったのは、日本側としては会談せざるを得なかった、との事情が読み解け、にこやかに語りかけたのも、必死の友好ムード演出だったのでしょう。支持基盤を固めつつある習氏と、支持率も落ちて基盤がゆらぎ始めた安倍氏、仕方なく会う体の習氏と、会うしかなかった安倍氏、という対比にしか見えません。
韓国の事情はもう少しはっきりしていて、朴氏に見切りをつけたメディアが、日本と良好な関係を築いて、景気浮揚をはかれ! と怒りの声をあげます。その頑なな態度に、日米に呆れられて距離をあけられ、頼みの中国も景気面ではがたがたしている。朴氏の戦略ミスが韓国を凋落させているのですから、批判も然りです。今回、米国が韓国とも仲良くしろ、と日本に命じなかったのも、朴氏の態度が変化することはないと見限られたのなら、より深刻なのでしょう。
しかし25分の会談では、通訳を除くと約15分程度、話し合っただけです。それでは諸問題など、話し合うこともできません。会うこと自体が成果、という外務省の態度もありますが、これで50ヶ国目の会うだけ、地球儀外交ということになりました。それで事務方が国益をもって、相手国とヒザをつめて交渉するのならまだしも、そうした成果は何一つ聞こえてきません。
かつて毛沢東が「東風が西風を圧えなければ、西風が東風を圧える」と述べ、社会主義の優位を説いたことがあります。それは全くの妄想だったわけですが、今では二国間関係でもつかえるでしょう。人間関係を重視する、とされる中国で初めて握手した首脳同士に、未だ信頼関係は築けていない。始まり、のはずが、安倍氏の終わりが近づいている、というのが皮肉なのでしょうね。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK174掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。