★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK174 > 290.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
政府の年金賭博 官僚は露店風呂でノーパンしゃぶしゃぶ(世相を斬る あいば達也)
http://www.asyura2.com/14/senkyo174/msg/290.html
投稿者 笑坊 日時 2014 年 11 月 10 日 11:04:23: EaaOcpw/cGfrA
 

http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/f685539776a59c8c67d74ffc534e525c
2014年11月10日

 今夜は、プレジデントの真っ当なコラムを紹介する。その前に、二つのことに触れておく。一つは、ヨーロッパに平穏と資本主義の繁栄をもたらした、ゴルバチョフ旧ソ連大統領の「新冷戦がはじまりつつある。いや、始まっているかもしれない」と云うメッセージと、問題のアメリカ合衆国地殻変動についてだ。この「新冷戦」は不注意にしている、まったく対岸の火事としか見えないのだが、さにあらず、重大な潮流が出来つつあることを認識しなければならない。

 また、その元凶であるアメリカ合衆国における、主権者の変換イデオロギーが起こっている事実関係も、非常に重要な注意すべき事柄だ。なにがアメリカで起きているかと云うと、米最高裁判所が決定した「シチズンズ・ユナイテッド判決」の波紋である。アメリカでは、企業、団体、組合などが政党や政治家に直接献金を行うことは禁止されているので、便宜的に、スーパーPACと呼ばれる政治資金団体(企業勢力の隠れ蓑)を通じて、政治家に献金できる裏道を用意する判決を下したことで、異常事態が起きている。

 選挙運動への資金供与を合衆国憲法修正第一条で保証された表現の自由の範疇と見做し、その自由が個人のみならず法人にも適用されると判断した判決だが、早い話が、任意法人(NPO)などに、人格権を認めたわけだ。巡り巡って、企業、法人の人格権を認めちゃった驚くべき法解釈の拡張を超えた、超詭弁的判決を言い渡した。この判決は、それでいて、政治家個人の宣伝は許さないので、相手方に対するネガキャンの応酬と云う、馬鹿げた下品極まりない、アメリカン・デモクラシーの様相を呈している。

 安倍が忌み嫌う「誹謗中傷」のテレビCMの嵐となった。(注:安倍の場合、自分が誹謗中傷言いまくるのは、誹謗中傷ではないのだそうだ)正直、法人の権利や責任の範囲と云うものは、時代により、かなりの変遷を経ている。法人擬制説と実存説の闘い。実存説が主流であっても、法人の法的主体性が問題になる。法人が人権、権利能力、行為能力、不法行為能力などにおいて、主体となれるかどうかのことである。これには、さまざまな説があり、ここで言及するのはやめておこう(笑)。ただ、生まれながらの「人権」はないのは、どの国でも概ね同じだが、米最高裁の判決「シチズンズ・ユナイテッド判決」は法人格の枠を超えて、自然権に近いところまで、法人格を引き上げた感さえある。今に、この勢いだと、法人税額により、応分の選挙権なんて言いかねない、歪曲な法解釈に陥っている。

 このような判決の流れは、米最高裁が、単に共和党に有利に働くためと云う次元の問題ではなく、世界中を取り巻くグローバリズム経済における企業利益の欲求に屈した感のある判決になっている。つまり、アメリカ司法が、グローバル資本の要請に、みずからさっさと先取りして応じてしまった事を意味しているのだろう。本当に、出鱈目な国家である。しかし、その出鱈目の上を行くのが、我が国の政府、否、官僚らの裏座敷における“どんちゃん騒ぎ”、ノーパンしゃぶしゃぶ状態であり、露天風呂までついている有様と云うことだろう。それでいて、彼らは、恥ずかしいことをしているとは、一切考えていない、感じていないところが凄いのである。まあ、プレジデントのコラムを読んで、大いに腹を立てて頂こう。


≪ 公務員の年金積立金は手をつけず「サラリーマンの積立金を株に投入」許せるか

■国民の年金資産を市場運用にさらす

 安倍政権が公的年金の積立金約130兆円の半分をリスクの高い株式市場に投じようとしている。  運用を担当するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の現在の基本ポートフォリオ(資産構成)は国債60%、日本株12%、外国債11%、外国株 12%。それを日本株25%、外国株25%にまで高め、国債を35%まで下げることを10月31日にGPIFが発表した。

 しかも日本株の許容範囲は±9%、外国株±8%であり、最大で67%までの株式運用が可能となる。金額にして50%は65兆円、67%だと87兆円を株式に注ぎ込もうというのである。

 だが、積立金の中身は老後に支給される基礎年金と2階部分の報酬比例年金であり、いうまでもなく会社と従業員が拠出する年金保険料が財源になっている。 余裕資金どころか、損失が発生したら将来世代の年金カットにつながりかねない大事なお金であり、しかも株式比率は分散投資の域を超えている。

 法律では「積立金の運用は、専ら被保険者のために、長期的な観点から、安全かつ効率的に行う」と定めている。だからこそ安全資産である国債比率を60%にしていたのである。

 にもかかわらず、なぜリスクの高い運用比率の見直しを行ったのか。その狙いは、年金資産の拡大と同時に株式投資による日本経済の活性化という成長戦略の実現にある。

 GPIFの運用見直しの発端は、2013年6月に閣議決定された日本再興戦略。その中で公的資金の運用(分散投資の促進等)リスク管理体制等のガバナンス、株式への長期投資におけるリターン向上を目的に有識者会議で検討することが明記された。

 これを受けて7月に甘利明経済再生担当大臣の下に「公的・準公的資金の運用・リスク管理等の高度化等に関する有識者会議」が発足したが、メンバーのほとんどが積極運用派の学者や民間の金融専門家で占められ、年金の専門家は1人もいなかった。

 報告書が11月に出されたが、運用見直しの理由として「被保険者の利益を優先する資金運用は、結果的に、日本経済に貢献することになり、また、各資金は、資金運用により経済成長の果実を享受する立場にもあることから、経済成長と資金運用との好循環が期待される」とバラ色のシナリオを描いている。
 資産拡大と経済成長の二兎を追う作戦だが、果たしてそんなにうまくいくのか。

■「俺が倍に増やしてやるから、このカネを使わせろ」

 そもそも年金資産は市場運用にさらす性質のお金ではないし、給付を確実に実施するのが大前提だ。それを経済成長に使うこと自体が法律を逸脱している。政府のやり方は、たまたま年金資産に目をつけて「俺が倍に増やしてやるから、このカネを使わせろ」というギャンブル的発想に近い。

 年金の専門家の中には有識者会議の報告書に批判的な意見も出ている。

 たとえば、報告書には米国、カナダ、ノルウェー、オランダ、スウェーデンの5カ国の年金の運用の基本ポートフォリオの事例を挙げて日本の公的年金がいかに国債の運用に偏りすぎているかを示している。  しかし、日本総合研究所調査部の西沢和彦上席主任研究員は比較対象の年金が決定的に間違っていると批判する。

 「米国のカリフォルニア州職員退職制度(カルパース)とオランダ公務員総合型年金は公的年金の上乗せ部分の企業年金。カナダとスウェーデンは公的年金制度の2階部分の積立金、日本で言えば報酬比例部分だ。カナダ、スウェーデンの1階部分は税方式による最低保障の年金であり、運用もされていなければ、2階部分の運用結果の影響を受けることもない。ノルウェーの政府年金基金グローバルは年金という名前はついているが、同国の年金制度とは直接関係なく、しかも 原資は石油事業収入であり、年金保険料ではない。これに対して日本の場合は運用成績しだいでは基礎年金も影響を受ける。年金制度の本質を見ないで比較することは決定的に間違っている」

 日本の公的年金制度は、1階部分が全国民共通に支給する基礎年金(国民年金)、2階がサラリーマンに支給する厚生年金、そして3階が企業独自に支給する 企業年金の3層立てになっている。つまり、諸外国では日本の基礎年金に相当する最低保障年金は運用リスクにさらされていないというのだ。

 アメリカには全国民を対象とした日本の厚生年金と国民年金に相当する最低保障年金の積立金がある。しかし、この全額が非市場性の国債で運用されている。じつはクリントン政権時にこの積立金の一部を株式に投資すべきという案が政権内から出たことがある。

 「その時に当時のグリーンスパンFRB議長は『積立金の一部を株式に投資することは間違いなく資本市場と経済の効率性をリスクにさらすことになる。どんなに手を尽くしたとしても、積立金を政治的圧力から遮断できるかは疑問である。陰に陽に圧力がかかり、積立金の生産的な利用とは異なる資産構成になってしまう』と批判している。有識者会議はなぜアメリカが国債でやっているかを何も学んでいない」(西沢氏)

 グリーンスパン氏は年金が毀損するだけではなく、政治家に利用されることで健全な資本市場にも悪影響を与えると指摘しているのだ。金融先進国アメリカですらも国民共通の年金は堅く守られているのに対し、日本の場合は運用成績しだいでは基礎年金も影響を受けることになる。

■なぜ公務員の年金は一切手を付けないのか

 もう一つの最大の問題点は運用成績が悪く、年金資産が失われた場合の対策について有識者会議はもちろん、政府首脳の誰もが言及していないことだ。現状では、仮に損失が発生すれば即座に償却しないで後で取り戻すという仕組みであり、いわば将来世代に先送りされることになる。

 この点について経団連の幹部もこう言っている。

 「そもそもGPIFが何のために運用しているかといえば将来世代の年金保険料の負担を少しでも軽くするためだ。当然、毀損した場合の対応は議論するべきだ。ただし、年金保険料の引き上げだけで対処するのは避けてほしい。今の受給世代と現役世代の負担と受益の関係を考えると、受給世代と現役の負担世代の双 方が応分の負担をすべきだろう」

 つまり、受給者の年金額の給付カットと現役世代の保険料の値上げで損失を穴埋めするべきだという。じつは公的年金の2階部分を運用しているカナダとスウェーデンには、損失が発生した場合は受給者の年金額カットと現役世代の保険料値上げで穴埋めするというルールがある。そうしないと将来世代の年金額に影響を与えるからだ。

 当然、日本でも1階の基礎年金までも運用のリスクにさらそうというのであれば、そうした仕組みが必要になるはずだ。

 ところが、そんなルール作りをしないままに多額の年金資産を株式に投じようとしている。そもそも最大の得票層である高齢者の年金額をカットする提案を政治家がするとは思えない。そうなると、現役世代の保険料値上げという不公平な仕組みしかない。すでに今の現役サラリーマンは高齢者に比べて年金の受益と負担の関係がアンバランスになっており、これ以上の格差の拡大が許されるのか。

 ところで、年金積立金を実際に運用するのはGPIFの担当者ではない。

 運用委託先の投資顧問会社のファンドマネジャーであり、GPIFは運用成績をチェックするだけの間接運用である。巨額の資金の運用について元外資系ファンドマネジャーはこう言う。

 「日本株と外国株比率が50%を超えるとポートフォリオ的に見ても怖い。経済成長率が1%もないのに2〜3%の運用利回りを出すのは大変難しい。現役の ファンドマネジャーであれば10人中8人はできないと言うだろう。国債は元本の確実性が高いが、株は倒産すればゼロになる。(株で運用する)25%は年金 資産の33兆円に相当するが、リーマンショックのように6割も下がれば、日本株だけで20兆円近くの資産が吹っ飛ぶことになる」

 もちろん、好不況によって株価は変動し、数十年単位の長期の運用であれば損失は取り戻せるかもしれない。

 じつは、今回の国債比率を引き下げて株式投資を増やした理由の一つとして、今は日銀の国債買い入れで超低金利にあるが、アベノミクスで脱デフレが達成されると金利上昇(国債価格の下落)を招く恐れがあり、それを回避するためだと言われている。

 もしそうなら、安倍政権の成長戦略の第一の矢(金融戦略)が招いたひずみであり、それを回避するために年金資産の国債比率を下げるというのは、あまりにご都合主義的な考えではないか。

 もう一つ。来年10月にはサラリーマンの厚生年金と公務員の共済年金が一元化される予定だ。しかし、共済年金の積立金は独自に運用されることになっている。制度は同じなるが、運用は別なのだ。現在の共済年金の資産構成割合は国債70%以上、日本株は8%にすぎない。

 運用を担当する厚労省・GPIFの職員は公務員だ。つまり自分たち公務員の年金積立金には手をつけずに、サラリーマンの積立金を不安定なマネーゲームに費やそうしていることになる。

 安倍首相は今年1月の世界経済フォーラム年次会議の演説で「日本の資産運用も、大きく変わるでしょう。1兆2000億ドルの運用資産をもつGPIFについては、そのポートフォリオの見直しを始め、フォーワード・ルッキングな改革を行います。成長への投資に、貢献することとなるでしょう」(首相官邸HP) と述べている。

 大切な年金資金を株式市場に流すことを各国の代表者はどう受け取ったのだろうか。よく国民がOKしたものだと驚いた首脳もいたのではないか。

 ≫(プレジデント:溝上憲文=文)


 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. ひでしゃん 2014年11月10日 12:36:07 : dsqbUTCLpgzpY : l9iSwseQ8k
信託銀行や運用会社に手数料がふんだんに吸い取られる
関係者にはインサイダー情報やバックマージンの旨味がある
形振り構わずの収奪が続く
NHK・産経・読売・日経が従順な家畜の国民をうまく騙しているんだよ

02. 2014年11月10日 13:23:13 : nJF6kGWndY

>よく国民がOKしたものだと驚いた首脳もいたのではないか。

いないだろ


>共済年金の資産構成割合は国債70%以上、日本株は8%にすぎない。

今後、インフレ化とデフレ脱却が進めば暴落する可能性の高い0金利の国債を

公務員共済が持ち続けたければ、好きにすればいいのでは?



03. 2014年11月10日 13:25:39 : nJF6kGWndY

まあ、そういう、くだらない話を追及するのも良いが

害悪が大きいオリンピックやバラマキの効果を、きちんと検証するのを忘れない方が、良いだろうな

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0IR0PR20141107
特別リポート:滞留する復興資金、被災住民に届かぬ3兆円の恩恵
2014年 11月 7日 18:15 JST
[石巻市(宮城県) 7日 ロイター] - 3年半前の東日本大震災からの復興をめざし、道路や橋や3万戸近い新しい住宅建設などに投じるはずの膨大な国費が、銀行の金庫に眠っている。国から地方自治体に交付されたまま滞留している資金はおよそ3兆円。

その一方で、多くの被災住民が、風雪にさらされる粗末な仮設住宅で4度目の凍える冬を迎えようとしている。66歳になる阿部圭子さんもその1人だ。

阿部さんの自宅は、2011年3月11日の午後に石巻の街を襲った大津波に飲み込まれた。夫と二人、着の身着のままでかろうじて避難はできたものの、一瞬にして住む家を失った阿部さんは、やむなくプレハブ造りの仮設住宅に入居。しかし、とりあえずの避難生活が3年半以上もの長期にわたるとは思いもよらなかった。

「ここを出て、もう一度人間らしい生活ができるようになるまで、歯を食いしばって我慢するしかないね」。仏壇とテーブルとテレビを何とか置ける仮設住宅の居間で、阿部さんは力なく語った。

厳しい冬の到来を不安に思っているのは、阿部さんだけではない。いま被災地域では、何千という避難住民が新しい住まいを確保できるあてもなく、仮設住宅で不自由な暮らしを余儀なくされている。仮設住宅での暮らしは、長くても2年間のはずだった。

使われることなく眠る膨大な国費、そして耐えるしかない被災住民。震災で最も大きな被害があった宮城、岩手、福島各県に対し、国はこれまでに復興資金として約5兆円を交付しているが、その半分以上が各地域の銀行に預金として滞留している。ロイターが銀行の預金データや銀行関係者に取材した結果、その額は復興資金として交付された総額のおよそ60%にあたる3兆円に達していることが明らかになった。

およそ3700人という最大の犠牲者がでた石巻市では約5万6000戸の住居が崩壊などの打撃を受けた。震災後3年間で国から交付された復興関連予算は、同市だけで約4500億円にのぼる。しかし、この6割にあたる2600億円が使われずにいる一方、2万5000人近い被災市民が入居すべき公営住宅の建設は遅々として進まず、完成したのは予定の5%以下にとどまっている。

「お役所にはもう何も期待しない。私たちのことは考えていないからね」。阿部さんは狭い居間の薄明かりの下でこうつぶやいた。

<甘い見通し、急増するコスト>

阿部さんの仮設住宅から車で数分の距離にある石巻市役所の市長執務室。「巨大な震災だったのに、霞が関の役人はまるで平時の出来事だったかのような対応をしている」。亀山紘市長は復興事業に必要な様々な認可をなかなか出さない中央官庁に矛先を向ける。「公共工事が進まないのは、それが一つの理由だ。」

これに対し、復興庁の北村信審議官は「自治体による復興関連の支出のペースはあがってきている。特に心配するような状況ではない」と反論する。だが、復興事業の遅れは否定できず、放置されれば、安倍晋三政権にとって時限爆弾にもなりかねない。

安倍首相は2012年12月に就任する前から国会演説などで復興対策の素早い実施を訴えており、首相になってからも東日本大震災の記念日が来るたびにその誓いを繰り返してきた。「被災地の復興なくして日本の将来はない」。安倍氏はかつて野党党首として福島県を訪れ、当時の民主党政権の対応を強く非難した。

「来年の3月11日にはもっと復興が進み、暮らしが良くなると被災地の皆さんが思えるような、そんな日であらねばならないと私は考えています」。2013年3月、安倍首相はこう語り、その一年後にも同様な言葉を口にしている。「これからの1年を被災地の皆さんが復興を実感できる1年にしていく。その決意であります」。

だが、仮設暮らしをする被災者の新居として建設された住宅は、予定されている2万9000戸の1割にも満たない2700戸にとどまっている。一年以上も前に策定された計画で、政府は来年3月末までに1万5000戸の建設をめざすとしたものの、その目標は1万戸に引き下げられた。

建設が進まない理由の一つは、2020年の東京五輪をにらんで商業施設の建設需要が盛り上がり、作業員が被災地での仕事から流出しているという現実だ。それに加え、資材の値上がりと被災地の土地収用費の上昇も事態の悪化に拍車をかけている。

一方で、政府が当初決めた建設コストの見積もりも的外れな額だった。2011年、復興庁は1戸当たりの標準となる建設費をおよそ最大1700万円として予算計上したが。今年4月には2度目の修正を行い、2330万円に増額された。最初の数字を約40%上回る額だ。

同時に、住宅用地の値上がりも予想外だった。石巻市役所復興政策課の岡道夫課長によると、市が保有する土地はすべて仮設住宅向けに使用したため、公営住宅の建設地として、新たに9000区画の土地取得が必要になった。その結果、市の地価は急騰。昨年は公示地価の上昇率が15%と全国の最高を記録した地区もあった。しかし、市が土地を取得するには、法的な所有者を特定する必要がある。ただ、適正な相続手続きを経ていない土地も多く、容易ではないという。

復興事業が難航しているのは石巻だけではない。宮城県は2016年3月までに1万5000戸の公営住宅を建設する計画を示していたが、今年10月上旬にその期限を2年延長した。県によると、震災後に計画した公共事業の約3割で、1次入札の応札業者がゼロという事態が発生した。震災前、こうした入札不調の比率は3%程度だった。応札に尻込みした建設各社は「採算が見込めない」と口をそろえる。

石巻の復興は一つの市をゼロから作り上げるに等しい大事業だ。東北地方で公営住宅の建設を行っている建設会社、鴻池組の鴻池一季・名誉会長は「近代日本において、これほどの規模のプロジェクトはかつてなかった」と指摘。「建設業界は全体で、震災前の数倍もの仕事を抱えている。人手や機材が足りないもの当然のことだ」と語る。 

地元の建設会社、遠藤工業の営業担当者によると、震災前の石巻市には、5階よりも高い鉄筋コンクリートの建物は5棟しかなかった。「いま市内では(こうしたビルが)およそ20棟が建設されている。戦後50年かかった建設工事を、3年で行うようなものだ」とその担当者は言う。

<遅れる計画、出口乏しい滞留資金>

建設計画はさらに遅れが予想され、復興資金の滞留が一気に解消されるめどは立っていない。岩手銀行企画部の勝部隆太郎氏は「政府の定める集中復興期間中に復興事業が完了しないのは確実視されている」と語る。

第一生命経済研究所の嶌峰義清・首席エコノミストも、期間を5年としている政府の復興計画について、非現実的な前提に基づいている、と指摘。「人手不足や建材費上昇、移転する住民間の合意形成の難しさといった問題を踏まえると、予算は5年では使い切れない」と悲観的だ。

その一方で、地方自治体に交付された復興資金の多くが預金されている東北最大の地銀、七十七銀行では、過去3年間に公金預金が4倍に増加、現時点で1兆8000億円に膨れ上がっている。

同行の小野寺芳一総合企画部長は「預金が集まることは悪いことではない」としながらも、「資金流出時期のタイミングが読みずらい」と運用の難しさを認める。結局、短期国債が運用先になり、その結果、同行の国債保有残高は2011年当時に比べて2.5倍の2兆円規模に膨れ上がった。

七十七銀行と同様、自治体からの資金を預かっている他の銀行も国債に投資する例が少なくない。震災後、政府は14兆円規模の復興債を発行した。復興資金を預かる銀行がその資金で国債を購入し、政府の資金調達を助けるという「被災者不在」の資金循環が続いている。

<「私たちは捨てられ、忘れ去られたのか」>

石巻の阿部さんにとって、仮設住宅での冬越えは今回が最後になるかもしれない。春になれば、新しい公営住宅ができる可能性があるからだ。しかし、その建設予定地は9月中旬の豪雨に見舞われ、6人の作業員が水を掻き出す作業に追われた。何件かの家の基礎は出来上がったものの、建設作業が進んでいる兆しはほとんどみられない。土や砂利の山の横で数台のクレーンやトラックが待機状態にある。

避難住民の集会所で数人の女性がテーブルを囲み、自分たちの窮状を訴えた。仮説住宅に3年間暮らす66歳の女性は「私たちは捨てられ、忘れ去られたように感じる。永久にここで暮らせると思われているのだろうか」と言う。67歳になる別の女性は「アパートを支給されたけどそれだけ。それも今ではがらがらだ」と不満を口にした。

石巻市の亀山市長にとって、消えない心配の種は避難住民のメンタルヘルスだ。「多くの人が沈みがちになっていることが心配」と同市長は話す。「健康を損ない、新しい場所に移る意思を失くしてしまえば、大きな問題だ」。

(浦中大我 Antoni Slodkowski 編集:北松克郎、加藤京子、吉川彩)


04. 2014年11月10日 16:07:44 : C3lq0gpU9A

  ド・シロートの公務員に株式投資なんぞできっこない。

  まさか郵貯簡保の代わりに、米ハゲタカファンドに運用させる気では?


05. 2014年11月10日 16:10:45 : aHkYnYVzjU
まあ、秘密でもない”高齢・障害者・求職支援機構の職員の”名刺”
の”キャッチフレーズ”を”特別”にお教えしよう(笑)

70歳まで働ける私も企業もいきいき元気(笑)

50歳以下いや55歳以下の”賢者”察しつきますよね?

”公開”情報です。(笑)


06. 2014年11月10日 17:28:24 : 8iyD32etAI
官僚はお坊ちゃんが多い。下半身はゆるゆる。他人にはスキャンダルというタレこみテロを繰り返すが、本人たちは大歓迎。ゆるゆる官僚にテロの逆返しだ。一度に吹っ飛ぶぜ、こりゃ。健全国家のためにはいいことだが・・ね。

07. 2014年11月10日 18:47:44 : QBrYpzDGwo
  「お役所には何も期待しない」。最後は息切れした国民が皆嘆息することになる。だが、これがお役所の狙いというか、企図するところだろう。
   租税国家として公的な福祉サービスを誰もが均等に受けられるよう、いざとなったら福祉によって人並みの生活が保証されるよう、国民は税金を納め、役所が徴税する。徴税された税金の使途は議会にて代表者を介して法制化し、優先順位を決めることになっている。それを公僕である会計担当事務方が法律の理念、原理原則に沿って忠実に経理することになっている。
   ところが、法律案も役所がつくり、金も預かっている、そして施策、政策も基本法理念など顧みることも無く、通達や行政指導で運用してしまっているのが現状である。議会は役所の提案を実行に移すための採決場に過ぎないのである。国民は役所に全ての税金の采配を委ねた恰好となり、最終的な結果責任のみを大臣を介して負うことになっている。
  会計検査院による無駄金の使用が厳しく連日のように指摘されているが、下手人が上がるでもなく、中国のように刑務所にぶち込まれるでも無く、使用されずに保管金として順送りになっている膨大な血税を多少は戻し入れなどするかも知れないが、当の下手人は二年毎に赴任、異動を繰り返すので責任を問う仕組みが無く、「公務員の行為の結果責任は主権者国民」で、司法裁定が為される。
  ここで多くの納税者に「お役所には何も期待しない」との諦めが生ずるのであるが改善すべき点は多い。その一つは、基本法が無ければ通達も行政指導も不可能なところ、基本法造りに国民の意志が入らない。それは最大多数の政権党が党議拘束をかけているからであり、役所は政権党のトップさえ「ご説明」で説得してしまえば了である。国会での議論、討論、質問などは国会らしきものの演出である。
  また、行政訴訟において、基本法の立法理念や原理原則、その上の憲法条項との整合性などが全く追及されないことである。これは裁判所の裁判官が行政による人事に絡め取られていることもあるが、被告に成る政府の側の誠意の無さは勿論のこと、原告や原告を守る筈の弁護士、学者なども、役所の采配する血税の根拠となる基本法の原理原則との整合性を厳しく追及しない風土があると思う。
  要は、一般納税者以外は、殆どが「役所に期待しない」どころか、役所に信頼性を置いているということである。むしろ、先生業と名の付く職業の者や最後の砦として司法に存する者が、何だかんだと言っても一般納税者を、役所よりは「信頼していない」。いわば風土的に、賤民思想によるところが大きいのではないかと思う。

08. 2014年11月10日 19:44:55 : YxpFguEt7k
堀茂樹氏
「巨額年金を株に注ぎ込めば、アナウンス効果だけでも株が一時的に上がるのは当たり前。そういう操作で株を上げて儲かったつもりでいる愚劣さ。自由市場を大事にする資本主義の家元・アメリカのOASDI(全額米国債と政府保証債で運用。株式での運用は法令により禁止)を少しは見習うがよろしいよ。」
https://twitter.com/hori_shigeki/status/531758272957538305

そりゃそうだよね。株はリスクが大きいから。
アメリカ人は賢明だ。


09. 2014年11月10日 19:54:29 : wC2pmrSa3Y
政官業 みんな悦ぶ インサイダー

10. 2014年11月11日 00:36:11 : nPKKKrKHkk
悪徳・無責任官僚政治は本当にどうしようもない状態になっている。官僚などの公務員は非正規・期間限定雇用にして,人件費・権限を大幅に減らすなど,根本から公務員制度を変えないと,悪徳・無責任官僚により,国民生活が破壊されてしまう。

  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。) ★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
  削除対象コメントを見つけたら「管理人に報告する?」をクリックお願いします。24時間程度で確認し違反が確認できたものは全て削除します。 最新投稿・コメント全文リスト

▲上へ      ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK174掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
政治・選挙・NHK174掲示板  
次へ