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2014年11月09日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆竹下登首相が1989年(平成元年)4月1日、消費税(ほとんどの商品・サービスに3%課税、年間の税収約6兆円の見積もり)をスタートさせて1年後、橋本龍太郎蔵相の下、土田正顕銀行局長が1990年3月、「土地関連融資の抑制について」通達した。不動産向け融資の伸び率を総貸出の伸び率以下に抑える行政指導で「総量規制」と称された。1991年12月に解除されるまで1年9ヶ月続いた。行き過ぎた不動産価格の高騰を沈静化させることを目的とする政策であった。ところが、予想をはるかに超えた急激な景気後退を招き、日本経済が大打撃を受けて、いわゆる「バブル崩壊」が加速し、不況が長期化した。「失われた20年」と呼ばれた。消費税、総量規制は、ともに経済・景気に対して「ブレーキの機能」を果たす。案の定、国の一般会計の税収は減っている。1990年60.1兆円だったのが、1991年59.8兆円、1992年54.4兆円と減少が続いた。
1982年10月から始まったいわゆる「バブル経済」は、7年後の1989年12月29日、日経平均株価3万8915円のピークを築いてから、下降線をたどり始めて、11992年8月18日、1万4309円をつけて終わった。
◆小沢一郎代表は、1995年(平成7年)12月15日告示の新進党党首選挙に立候補するのに際して、「政策提言メモ」をまとめた。このなかで、「所得税・住民税を現在の半分に減らす(減税規模は十三兆円前後)」「景気の現状も踏まえて、平成八年度に予定されている消費税率の引き上げ(五%)を中止し、施策実行の年より五年経過後に六%に、十年経過後に十%に税率を引き上げるよう法律を改める。それまでの間、施策の財源は国債発行でまかなう」と述べていた。
大型減税は、国民の可処分所得を増やし、その分、「消費マインド」を加熱するので、消費が増えて、景気を活発化する「アクセル機能」を果たす。その結果、消費税3%分の税収も増える。1%=2.5兆円と言われている効果だ。
ところが、橋本龍太郎首相は1997年(平成9年)4月1日、消費税率を3%から5%に引き上げた。つまり、減税効果を狙うのとは、真逆の政策を打ったのである。すると、この年の税収53.9%だったのが、1998年49.4兆円、1999年47.2兆円とやはり減収が続いた。消費税増税が、明らかに景気の足を引っ張る「ブレーキ機能」を発揮したのである。
◆安倍晋三首相は2014年4月1日から消費税増税(5%→8%にアップ)を断行した。
このため、国民消費者の「消費マインド」を冷やしてしまった。アベノミクス政策(3本の矢=「大胆な異次元の金融政策」、「機動的な財政政策」、「民間投資を喚起する成長戦略」)のうち「大胆な異次元の金融政策」、「機動的な財政政策」が、ドル高=円安、物価高を招いたものの、サラリーマンなどの給与が上がらないため可処分所得が増えず、消費マインドが加熱するどころか、逆に冷え込んだままになっている。そればかりではない、ドル高=円安により、原油や飼料など輸入製品の価格が高騰し、国民消費者の生活を苦しめている。
そのうえ、安倍晋三首相は12月上旬に、再度、消費税増税(2015年10月1日から税率8%を10%にアップ)を決定しようとしている。
本来ならば、大型減税により国民消費者の可処分所得を増やして、消費マインドを加熱して景気浮揚させて、さらに上昇するのを見定め、併せて、アベノミクス政策を加えて実施すれば、「好況状態」を現出し、これを持続させることができる。そのときこそ、消費税増税に踏み切れば最善である。にもかかわらず、安倍晋三首相は、「角を矯めて牛を殺す」(少々の欠点を直そうとして,かえってそのもの自体を駄目にする。枝葉にかかずらわって,肝心な根本をそこなうことの譬え)の如く、「景気のアクセル」を吹かさなくてはならない肝心な時に、消費税増税という「ブレーキ」を踏んで、アベノミクス政策を台無しにしようとしているのだ。
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