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2014年11月07日
昨年の臨時国会に自民、維新、生活の3党が提出していた「統合型リゾート(IR)整備推進法案」(通称・カジノ法案)の今国会での成立が断念されました。今後は継続審議となります。
同法案は超党派の「国際観光産業振興議員連盟」(通称・カジノ議連)がとりまとめ、安倍内閣も成長戦略の目玉と位置付けていましたが、今国会では政治資金を巡るスキャンダルで国会が空転し十分な審議日程が確保できなくなったからです。
連立与党でも公明党が反対しており(理由が今一つよくわかりません)、パチンコ、競馬、競輪、競艇、TOTOなどの既存ギャンブルを巡る利権の周辺から「あからさま」な妨害も入っており、今ひとつまとまりが悪いようです。
まあカジノ推進派も「新たな利権」と考えているだけで、超党派のカジノ議連は自民党の細田博之会長以下「われもわれも」と140名以上の国会議員が首を突っ込んでいます。
さて本誌は、最近のカジノを巡る水面下を含む動きから「少し頭を冷やすべき」と考えていたため、ちょうどよい「水入り」となりました。
日本でのカジノとは、どうしても「巨大なハコモノ」を作ってカジノを始めてしまえば明日からでも利益が上がり、利権がゴロゴロしていると安直に考えられているようです。
とんでもありません。
何度も書いていますが、カジノ運営のノウハウとは世界中から「博打好き」を呼び集め、そこから継続的にカネを巻き上げ、何よりも世界中の「いかさま師」を排除して初めて収益が上がります。特に日本のカジノでは「博打好き」の中国人を大量にマカオ(澳門)から奪い取ることが絶対条件ですが、この辺の指摘は皆無です。
カジノ事業の収益とは「カジノ運営」から上がる収益がすべてで、運営が稚拙であれば巨額損失となります。名前が上がるセガ・サミーなど「一夜漬けの日本企業」が太刀打ちできるものではありません。
そもそも総合型リゾート=カジノとする発想が根本的に間違っています。宿泊・エンタテインメント・ショッピング・レストランなどの事業は、あくまでもカジノ集客のための「付随」事業でしかなく、また逆にディズニーランドのような成功している施設にカジノを併設すれば、かえってマイナスとなります。
ラスベガスは、この総合型リゾート(IR)とカジノ事業が相乗効果を発揮している「奇跡」のような場所で、これが日本でできると簡単に考えてはいけません。
ラスベガスは1940年代にマフィアの手先だったベンジャミン・「バグジー」・シーゲルが生み出した「奇跡」のビジネスモデルですが、シーゲルは設備にお金をかけすぎて不正を疑われマフィアに殺害されてしまいました。シーゲルが愛人の名前を冠したフラミンゴは、現在もラスベガスの中心で営業を続けています。
現在の世界カジノの2大胴元とは、マフィアでもスタンレー・ホーでもなく、米国政府と中国政府です。
この2大胴元の下に、世界のカジノ運営大手である米国のMGM、サンズ、ウィン、マカオの澳門旅遊娯楽、それに香港の銀河娯楽集団などが寡占状態を形成しています。
日本でのカジノ運営では、東京(お台場)ではサンズ、大阪では香港のメルコ・クラウン、沖縄ではメルコ・クラウンのパートナーでもある豪州のパッカー(社名はクラウン)が「先行」しています。
「先行」の意味は、日本サイドの関係者をうまく「取り込んでいる」ということです。彼らは日本での大型投資を主張しているものの、実際はカジノ開設を餌に日本のゼネコン、遊戯メーカー、メディア、商社、(日本の個人が出資する)ファンドなどからの資金で賄ってしまい、そこからのカジノ運営で収益を独占するつもりです。
日本のカジノは日本政府が胴元になって取り仕切らなければ、第2のパチンコになってしまいます。
それに世界のカジノ業界では、あれだけ高成長を続けていたマカオでは本年夏以降の売り上げが急激に落ち込み、世界のカジノ運営大手の株価も急落しています。
やはり日本のカジノは、少し頭を冷やすべき時にきていたのです。
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