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11月7日(金) 川内を「かわうち」と読み間違えるような担当大臣によって原発を再稼働させても良いのか
http://igajin.blog.so-net.ne.jp/2014-11-07
2014-11-07 09:54 五十嵐仁の転成仁語
今日の『朝日新聞』に次のような記事が掲載されていました。「川内原発再稼働、知事同意へ」という見出しです。
「九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働について、鹿児島県の伊藤祐一郎知事が7日にも、同意を表明する意向であることが、関係者の話で分かった。これに先立ち、県議会の特別委員会も再稼働推進の陳情を採択した。新規制基準のもとで審査を通った原発の立地県の知事が再稼働に同意するのは初めてとなる。
県議会の原子力安全対策等特別委員会(15人)は6日夜、再稼働推進を求める陳情を賛成多数で採択した。取材に対し、議長と欠員2人を除く県議48人の過半数が再稼働容認の考えを示しており、7日の本会議でも推進の陳情が採択される見通しだ。」
このような鹿児島県段階での動きに先立って、担当大臣である宮沢洋一経済産業相が鹿児島を訪れました。11月3日(日)のことです。
実はこの日、宮沢さんが訪問した鹿児島県庁の近くにある鹿児島県市町村自治会館に私も行っていました。かごしま9条の会主催の講演会で講演するためです。
宮沢さんの訪問とぶつかったために多少出席者が減るという被害を、私もこうむることになりました。講演が終わってから県庁前に駆け付けた方もおられたようです。
この宮沢経産相の鹿児島訪問は、別の点でも大きな話題を提供することになりました。九州電力川内原発の視察で職員らに訓示した際、この原発を「かわうち原発」と誤った読み方をしていたからです。
宮沢さんは「かわうち原発、大変厳しい原子力規制委員会の新規制基準に適合した」と発言し、直後に同席者から間違いを指摘されて釈明したそうです。映画「釣りバカ日誌9」でハマちゃんがこの川内と東北の仙台を間違ってしまうシーンがありますが、それに匹敵するようなボケぶりです。
先ほど引用した今日の『朝日新聞』の記事には、「九州電力川内(せんだい)原発」とルビが振ってありました。宮沢さんのような間違いを避けるためだったのでしょう。
川内を「せんだい」と読みづらいことは確かです。でも、先ほど紹介した「釣りバカ日誌9」を見たことのある人なら誰でも間違えることはないでしょうから、宮沢さんは映画を見ていなかったにちがいありません。
また、これまで、川内原発の再稼動問題については、新聞やテレビなど多くのマスメディアでも報じられています。宮沢さんは、この報道を見ていなかったのでしょうか。
さらに、国会での質疑や周辺のデモなどでも、「川内(せんだい)原発」という言葉は繰り返し耳にしていたはずです。それにもかかわらずこのような初歩的な間違いをしたということは、宮沢さんがこの問題について「全く関心も知識もなかった」(民主党の川端達夫国対委員長)ということをはっきりと示すものです。
川内原発の地元の人からすればやり切れない思いがしたことでしょう。こんな人が、原発再稼働を推進する担当大臣だというのですから……。
火山の噴火などが起きる可能性は否定できず、予知などは不可能で事故が起きる危険性は高く、いったん事故が起きれば生存も生活も危うくなり、まともな避難計画もないのに、電力会社と九州経済の都合だけを最優先に再稼働させようというのですから……。
たとえ事故がなくても、原発を動かせば「核のゴミ」(高レベル放射性廃棄物)は確実に出てくることになります。その処分や保管についての見通しもなしに原発を動かすことは、「トイレのないマンション」の部屋を「汚物」で満たすことになるでしょう。
原発の再稼動に賛成する鹿児島県知事や県議は、このような「核のゴミ」を自宅の庭にでも保管することを提案されたらいかがですか。原発は安全で放射性廃棄物の発生は必要悪だというのであれば……。
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