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【松本浩史の政界走り書き】
「統一選の年の衆院選は勝てぬ」 自民苦しめる“ジンクス”への挑戦モードに入った安倍首相の「解散タイミング」
http://www.sankei.com/premium/news/141106/prm1411060003-n1.html
衆院解散・総選挙に絡み、自民党には、揺るがせにできないジンクスがある。「統一地方選の年に行われる衆院選は勝てない」。この伝で言えば、解散時期は、平成27年春に統一選があるため、解散権を握る安倍晋三首相は、年内に行使するか、参院選を控える28年のいつか、ということになる。だが、これからの政治日程をみると、首相は、「ジンクス破り」に挑む覚悟も求められそうだ。
ジンクスといっても、科学的根拠があるわけではなく、当てはまるからといって、物憂い気分にならなくたって一向に構わない。けれど、自民党が誕生した「五五年体制」確立後の衆院選を振り返るに、統一選と同じ年の選挙結果はなるほど、ほぼジンクス通りである。
該当するケースは、過去に5回あり、いずれも自民党は解散前から議席を増やしたことがない。第30回(昭和38年)、31回(同42年)、35回(同54年)、37回(同58年)、43回(平成15年)で、前年12月に衆院を解散し、投票日が翌1月という変則的な日程となった31回を除けば、投票日はいずれも10月以降に設定されている。
選挙後の政治動向をかいつまんでみてみると、とりわけ、当時の大平正芳首相が一般消費税の導入を唱えた35回の衆院選では、過半数割れとなり、追加公認で辛うじて過半数を維持。自民党史で最大の危機とされている「四十日抗争」が起きている。37回のときも自民党は過半数割れし、中曽根康弘政権は新自由クラブとの連立を余儀なくされる悲哀を味わった。
自民党とすれば、どうにも弱ったジンクスで、4月の統一選から半年ほど経過しても、首長や地方議員からすれば、自身の選挙戦に全力を尽くした後では疲弊感が抜けきらず、票の掘り起こしが十分に図れない構図が見て取れる。
ある自民党幹部は「統一選が終わった後に衆院選をしても、やってはくれるが、自分の当選がかかる統一選ほどには熱が入らない。統一選後の衆院選にはリスクが伴う」と語る。
衆院議員の任期は今年末で任期4年の折り返しを迎える。別の自民党幹部は、今後の政治日程を考慮したとき、「『勝てるとき』などそう簡単に見つからない」といい、機を見て変に応じる必要があるとして、あえて「ジンクス破り」を提唱する。
伝えられているように、ここにきて安倍政権の閣僚に「政治とカネ」の問題などが発覚。けれども、報道各社の世論調査では、内閣支持率は5割前後と下落は小幅にとどまり、有権者の大半は、与野党が国会審議で脚を引っ張り合うより、力強い政策の推進を求めた。言葉を代えれば、首相は依然、自民党の「顔」として魅力的だという含意がある。
また、党内を二分している消費再増税の最終判断を12月に控えていて、首相の経済政策「アベノミクス」の先行きが不透明な中、かじ取りを誤れば、政権の屋台骨が揺らぎかねない懸念もちらつく。
つまりは、支持率がまだ高い政治状況を追い風に、消費再増税の判断前に衆院解散に打って出た方が得策だというわけだ。件の幹部によれば、時期は、27年1月に召集予定の通常国会冒頭がベストだという。
ちなみに、早期解散となれば、今国会も視野に入る。けれども、それでは「不祥事隠し」だと見え透くため、有権者にそっぽを向かれかねない。11月下旬には、政治資金規正法に基づき、25年分の政治資金収支報告書が発表され、思わぬ形でどんな「政治とカネ」の問題が身内から飛び出すのか、読み切れない事情もある。
政界では、「こうした」(実績)と「こうする」(公約)をきちんと説明できる選挙はいい結果を招き、「言い訳」に偏ると苦戦を強いられるとされる。27年1月ならば、首相の地球儀外交の成果をはじめ、アベノミクスの実績などを有権者に訴えることもできる。
もとより、消費再増税の実施時期は27年10月なため、28年の通常国会以降の衆院選だと、経済への影響が読み切れない上、「言い訳」選挙に陥りかねない。
衆院の解散権は、誰あろう、首相が握る「伝家の宝刀」である。27年9月の自民党総裁選での再選戦略をにらみながら、長期政権を引き寄せるために、勝てる時期がいつだと判断するか。どうとも動けなくなり、追い込まれて「宝刀」を抜く愚かなまねはまさかしないだろう。ジンクスにとらわれていては、勝機をみすみす逃すかもしれない。(政治部編集委員 松本浩史)
[産経ニュース 2014/11/6]
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