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雑感。決めてはいけないこと
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52665699.html
2014年11月06日 在野のアナリスト
今日の東京株市場は、前場に17000円台をつけるも、後場に失速しました。午前に115円台にのせた為替にも株式市場は反応薄で、見切売りがでた形です。そもそも、米中間選挙を好感し…といってみたところで、市場予想通り、織りこみ済みの内容ですから、大きな動きになること自体、短期スジのイベントドリブンでしかありません。しかも今日、話題になったのは日銀が5日に実施したETF買い、380億円です。年間3兆円、すべてをETF購入に充てるわけではないので、正確ではありませんが、約80営業日、年間の3分の1で日銀のETF買いが出てくる計算になります。以前、日経平均が1%以上下がったときだけ、後場に買うといった動きでしたが、直近ではわずかでも下げたら日銀が買う。80回も買えるのですから介入基準も緩くなる、ということです。
日本ではマイナス金利が解消される一方、独国では預金する富裕層に対し、金利を徴収する金融機関が現れました。今のところ超富裕層に対する措置ですが、マイナス金利とは経済を不安定化する要因となります。そんな欧州ではECB理事会も開かれていますが、ドラギ総裁への手腕への不満、という形で内紛がおきています。根回しもなく決めてしまうドラギ氏、というより独国などの緩和に否定的な国との調整不足により起きたことですが、これによりしばらくECBの足枷になる、と予想されます。理事会は現状維持と伝わりますが、緩和し難くなったのは事実です。
日本のマイナス金利が解消された背景は、追加緩和以降、日銀の買い入れペースが鈍る、との思惑とされます。短、中期債ばかりでなく、長期債のボリュームを増やす。そう読み解ける内容であり、一時的に在庫をふやす動きが止まった。ただ、日銀の動向次第ではふたたびマイナス金利になる可能性があり、予断は許しません。インフレを意識し、金融機関や不動産市場に買いが入りますが、現状はそう簡単ではなく、今でさえ日本経済は厳しい運営がつづくのでしょう。
厳しい運営、という点では安倍政権も同様です。朝鮮総連の売却が昨日決まりましたが、これは明らかに対北交渉の失敗、拉致解決が遠のいたことを意味します。対話と圧力、の圧力に舵を切ったのですから、対話はしばらくない。拉致の進展はない、と政府が認めたのです。
APECで、中国との首脳会談ばかりが取り上げられますが、会談することが成果ではありません。何を話すか、が重要です。しかも小笠原諸島沖のサンゴ密漁に対し、日本の遅々とした対応をみるにつけ、明らかに日本側が会談するため、弱腰になっている姿勢がうかがえる。そんなことをしている内、希少サンゴが根こそぎ奪いとられるかもしれないのに、中国政府への要請、という形でコトを荒立てないように努めています。この動きをみる限り、日中首脳会談に対し、中国が強気で要求をし、日本がそれをうけてあたふたしているといった背景しか窺えないのです。
北朝鮮に対し、圧力へと舵をきったからには中国を通して、解決をはかるつもりか? それならまだしも、どうも外交成果のない安倍政権の焦り、しか透けないのです。北方領土交渉の露国にも解決の道を遠ざけた。拉致交渉でも暗礁にのりあげたことを、暗に認めた。米国の中間選挙で、共和党が勝利し、内心少し喜んでいるのでしょうが、逆により自由貿易を推進する共和党では、TPP交渉が激化する怖れもあります。誇れる成果は訪問した数だけ、そんな陰口も囁かれます。
某紙で「決められない政治」が、オバマ氏の敗北の理由としますが、事情はそう簡単ではありません。政策を成し遂げるための根回し不足、というのが上記の流れの背景にはあるのです。それは、裏返せば決めてはいけないことを、軽率に約束してしまったこと、公表してしまったこと、期待を煽ったこと、に対する失望なのです。日銀や安倍政権も、この泥沼に落ちこんでいます。失望が導く未来予想図は、アンカーであるはずのオバマ政権が率先して範を示した、というところでもあるのでしょうね。
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