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安倍晋太郎元外相の秘書官が振り出し/(C)日刊ゲンダイ
捏造と断定できるのか 安倍首相が激高「脱税疑惑」の中身
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/154726
2014年11月6日 日刊ゲンダイ
「重大な名誉毀損だ。議員として恥ずかしくないのか」――4日の参院予算委員会で社民党の吉田忠智党首に激高した安倍首相。吉田氏は過去の週刊誌報道を基に「脱税疑惑」を尋ねたのだが、安倍首相は記事を「全くの捏造」と決めつけ、ブチ切れた。
菅官房長官は5日の会見で、「全く根拠のない記事で<脱税した>と断定的に言われて、反撃しなければ認めたことになる」と安倍首相を擁護したが、痛くもない腹を探られただけにしては、安倍首相の取り乱しようは尋常ではなかった。
小渕前経産相の辞任は週刊新潮のスクープが発端だ。問題の週刊誌記事も「捏造」と断定できるほど、「全く根拠がない」と言い切れるのか。
■報道直後に第1次政権崩壊
吉田氏が取り上げたのは、07年発売の週刊現代(9月29日号)の「安倍晋三 相続税3億円脱税疑惑」という特集記事だ。当時、週刊現代は1年にわたって安倍首相の政治団体を徹底調査。その結果、安倍が父・晋太郎元外相の政治団体をフル活用して、相続税を逃れたのではないか、と報じた。
記事が指摘した「税金逃れの手口」をかいつまんで説明すると――。
晋太郎氏は82年から病没する91年まで自身の政治団体「晋太郎会」「晋和会」「夏冬会」に計6億3823万円を個人献金。3団体は当時の「指定団体」に該当し、政治家はこの団体に寄付すると、金額に応じて所得控除を受けられる“特典”が認められていた。
安倍首相は亡き父が残した6億円以上の個人献金ごと政治団体をそっくり継承。安倍首相は主な相続遺産を地元・山口の2軒の家屋のみとしてきた。記事は、晋太郎氏の6億円もの献金がそのまま安倍首相に渡っていれば「政治活動に名を借りた明白な脱税行為ではないか」と糾弾していた。
安倍サイドは当時、週刊現代の質問状の回答期限直前に電撃辞任を発表。その後、疑惑はウヤムヤになったが、前出の「晋太郎会」は現在「東京政経研究会」と名称を変え、存続する。収支報告書によると、資産残高は約2億円。10年からの3年間で安倍首相の資金管理団体に計8100万円を寄付し、うち総選挙があった12年は5000万円と突出していた。
なぜ、安倍首相は疑惑に答えないのか。全く根拠を示さず記事を一方的に「捏造」と決めつけるのは、週刊誌全体への「重大な名誉毀損」となる。
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