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2014年11月04日
金融や経済至上主義で国家を成り立たせるのであれば、以下のWSJの社説は全面的に正しい。“WSJ的目”から見ても黒田日銀の政策が「イージー」なものに見えたのだろう。真っ当な神経であれば、ジャブジャブのマネーに対応する事業展開が促進するわけだが、今の日本の構造的諸問題を冷静に眺めれば、投資すべき場所が殆ど見当たらない。連休明けの東証株価、4日も絶好調、17000台をつけているが…
構造改革や参入障壁を取っ払ったとしても、日本資本から、外資にマーケットが移動するだけで、パイが増えるわけではなく、パイが移動するだけに過ぎない。まあ僅かに、派生的産業が生まれることはあるだろうが、あくまでも派生産業に過ぎないだろう。その為に、日本が日本らしさを失うのであれば、得るものより、失うものの方が多いだろう。そして、文化や共通認識は一旦失われると、二度と戻ってくることはない。
外国に門戸を開く前に、やっておくべき事がある。外資が入り込んでも壊れない共同体自治態勢がないと、韓国同様の憂き目を見る。この共同体自治態勢は原則、中央集権では成立しない。道州制なんてものでも解決しない。効率が悪いように見えるが、行政単位を小さくすることだ。人の顔が見える市場文化圏を造り上げて、初めて自治と云うものは機能する。おそらく、数万人レベルの行政区が適切な規模なのだと思う。
いわば、村的になるのだから、因習が生まれたりの弊害も出てくるだろうが、自治を充実させることで、無駄の多くが排除される。行政区同士の競争も起きるので、敗北する行政区も出てくるが、勝者の行政区が統廃合するか、切り捨てるかだ。人々は、どの行政区に行くも自由なので、それ程の死活問題にはならない。先祖伝来とか主張しても、他者が全員いなくなって、先祖伝来も糞もあったものではない。
上述のような乱暴な形の構造改革でもしないことには、中央集権は改まらず、永遠に歳出の4割程度が無駄に消費される。住民の協力度も期待できず、政治への関心も、極めて脆弱なレベルにとどまり、民主主義を装った、官僚主義国家が続くことになる。いずれにせよ、参入障壁を取り除く前に、受け入れる国家の体裁を作り直すのが先決問題だ。それが出来た後から、外資が来ようが、ハイエナが来ようが、それはそれで良いのだ。国民が、劣情に振り回されないナショナルな感覚を持つためにも、現在の政治的無関心状況からの脱却が、多くの問題解決の糸口になる。その時、経済至上主義が愉しいものではないと気づく、きっかけになるかもしれない。
≪【社説】日本の「イーズ」の魔法使い―緩和拡大ではなく改革推進を
量的緩和を拡大しても財政上、規制改革上の失策の埋め合わせにはならない。
日本銀行の黒田東彦総裁にショーマンシップがあることは認めよう。10月31日に日銀が追加緩和策を打ち出すと、東京株式市場は即座に7年ぶりの高値を付け、円の価値は対米ドルで6年ぶりの低水準となる112円に下がった。(注:11月3日現在114円)しかし、この緩和政策の魔術の舞台裏はのぞかない方がいい。
黒田総裁は、これまでの緩和政策にもかかわらず依然として低迷している経済を救う必要があると感じた。エコノミストは2014年度の成長率を0.2%と予想している。4月の消費増税の影響を除くインフレ率は1%前後で、日銀が目標としている2%に届いていない。個人消費は低下し、雇用市場が軟化しているという兆候もある。
マネタリーベースを従来の年間60兆〜70兆円から年間80兆円に増やすために、より多くの日本国債、上場投資信託(ETF)、不動産投資信託(J-REIT)を購入するというのが日銀の解決策である。救いがたい国家財政、改革が進まない労働市場、甘やかされた国内産業、高齢化する人口といった材料が入っている日本のデフレの大釜から魔法でインフレを引き出そうという勇敢な試みである。
黒田総裁と安倍信三首相はいまだに、国際通貨基金(IMF)によって公布された呪文の書を詠唱している。そこには、国家財政の悪化や債務の拡大という犠牲を払って日本政府が20年間取り組んできたようなケインズ主義の過度な財政出動、それを賄うための増税(たとえば、4月に5%から8%に引き上げられた消費税)、その増税が成長に与えるダメージに歯止めをかけるための金融緩和と通貨の切り下げといった秘訣が書かれている。
日本が2013年に実施した最初の金融緩和は長期に及んだデフレを断ち切るためにほぼ間違いなく必要だった。ところが今では、安倍首相が約束した経済改革の「3本目の矢」の遂行を回避するための支えになってしまっている。
日本により多くの競争をもたらすはずだった自由貿易という課題は行き詰ってしまった。雇用や解雇の柔軟性を高め、生産性の向上を促進する労働市場改革は、人口減少による景気の低迷を防ぐための移民増加と同様、引っ込められてしまった。この話が欧州中央銀行(ECB)を威嚇しながら、改革を全く実施していない欧州の指導者たちのように聞こえたとしたら、それは暗号が解読できた証拠である。
金融政策だけで、まずい財政政策や規制政策を克服することはできない。通貨の切り下げは輸出業者の円建ての収益を押し上げるが、投資の増加や効率化を促すような経済改革なしでは、日本企業は世界の市場シェアを他国の競争相手に奪われ続けるだろう。少なくとも外国人株主は量的緩和が生み出す資産価格バブルで大儲けするだろうが。
そういうわけで投資家は黒田総裁の最新の手品を歓迎したが、しばらくするとまた次の奇跡を要求することだろう。安倍首相が来年に予定されている消費税の10%への引き上げを実施しなければ、そうした声は特に大きくなるはずだ。安倍首相と黒田総裁の金融政策が尽きるのも、投資家が舞台の煙の後ろには経済成長がないということに気付くのも時間の問題だろう。 ≫(WSJ日本版)
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