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2014-11-01 08:30:02
「個人消費の冷え込みが続いている。至急、何とかせな。金をジャブジャブ出すんじゃ」というところだったのでしょうか。黒田東彦(はるひこ)という日銀総裁の昨日の心境です。
総務省が昨日10月31日に発表した9月の家計調査は、1年前に比べ消費支出が5.6%ものマイナスとなりました。消費税を3ポイント上げて8%にしたのが4月。その前に駆け込み需要が盛り上がったので、4〜6月期は反動減で仕方がない。
しかし、「7月からは持ち直す。遅くても9月には個人消費がプラスに転じる」と期待していました。ところが、プラスになるどころか、9月になっても5.6%とかなりのマイナスとなってしまいました。
安倍晋三という男が、次の消費増税を判断する最も重要な指標は、7〜9月期のGDP(国内総生産)だと明らかにしていました。その数値に最も大きな影響を与えるのが、ご存知のようにGDPの6割を占める個人消費です。
そして、黒田という男は、「個人消費落ち込みショック」を薄める手を考え、「ジャブジャブ緩和」を決定しました。もっとも、その緩和を決めた金融政策決定会合は総裁を含め9人の委員の賛否が、5対4とわずか1票差でかろうじてクリアできたものでした。
このサプライズ決定で、株価は前日比755円高と今年最大の上げ幅を記録し、1万6413円と7年ぶりの高値をつけました。
アベ・クロ・コンビにしてみれば、「してやったり。個人消費落ち込みショックは払拭したゾ!」
だが、問題はこれからの日本経済です。どうなるのでしょう。「ジャブジャブ緩和」で、日本経済は持ち直すでしょうか。
また、マネーゲームを始めるだけのように見えます。株が上がり、不動産があがり、絵画やゴルフ場の会員権が上がる。富裕層向けの宝飾品が売れる。
期待するように、実体経済を好転させる設備投資にカネが回ることはなく、したがって給料が上がることもなく、個人消費は冷え込んだまま。
富裕層にあまり関係のない世界では、物価が上がり、収入は減る。医療費の支払いもままならず、医者にもかかれない。年金だけは生活できず、飢え死に、孤独死の続出。
ジャブジャブ緩和がもたらすのは、著しい格差社会。その中で強行される政治は、ごまかしと隠蔽ばかりが目立ち、その結果として「醜い日本」になってしまいそうです。
日本は、経済成長を追い求める社会から転換し、成長がなくても人間らしい生活ができる社会をつくることに知恵を結集すべき時ではないでしょうか。
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