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2014年10月31日
拙著『日本の奈落』(ビジネス社)を上梓した。
2015年に向けての内外経済金融市場を展望したものである。
金融市場ではめまぐるしい動きが生じている。
10月31日には日本銀行が量的金融緩和政策を強化する政策決定を行った
為替市場、株式市場は大きく反応し、円ドルレートは111円/ドル台に突入、日経平均株価は16413円にまで急騰し、7年ぶりの高値を記録した。
9月には米国でNY株価が急落し、グローバルな株価調整が広がる気配が示されたが、一転して高値更新となった。
NYダウも17200ドル寸前まで株価が反発し、史上最高値更新まで100ドルの水準に値を戻している。
まさに、ジェットコースタ−のような相場展開になっているが、背景にあるのは、米国金融政策の引締め転換、日本の消費税増税である。
米国では10月28、29日に金融政策決定会合であるFOMCが開催された。
日本では本日、10月31日に政策決定が行われた。
米国では量的金融緩和政策が終了し、利上げへの移行が具体的で考察される局面を迎えている。
一部で、量的金融緩和政策の延長の可能性が指摘されていたが、FRBはこれまでの既定路線通り、量的金融緩和政策を終了し、利上げを展望する態勢に移行した。
この米国金融政策対応が米ドルの堅調を生み出した。
日本の株価変動は、2011年以来、完全なる米ドル連動の推移を示している。
日本株価の方向感を決定する最重要のファクターが円ドルレートになっている。
10月中旬にかけて米ドルが軟化、連動して日本株価が下落した。
ところが、その米ドルが反発に転じて、連動して日本株価が反発を示している。
10月31日には、日本銀行が意表を突く形で追加金融緩和政策を決定、発表したため、市場に「サプライズ」が生じて、株価の急騰が生じたのである。
量的金融緩和政策は、必ずしも所期の目的に沿うものではない。
本来は日銀が短期金融市場に資金を潤沢に供給し、これを通じて金融機関の与信行動が拡大し、マネーストックの増加をもたらすことが期待されていたものである。
ところが実際には、日銀がバランスシートを拡張させて短期金融市場に潤沢に資金を供給しても、それが民間金融機関の信用創造にはつながってこなかった。
それでも円安が進行したのは、日銀による国債購入で増加した手元流動性を民間金融機関がドル投資に回してきたからである。
日銀がドルを直接買うのではなく、日銀が民間に資金を提供して、民間金融機関がドルを購入する形でドル上昇が生じてきたのである。
しかし、メカニズムはどうあれ、ドル高が生じると、もれなく日本株高がついてくる。
このメカニズムで日銀の量的緩和追加=ドル高=日本株高の反応が生まれたのである。
このオペレーションで、短期的には楽観的な見通しが広がることになるが、そのことが中期的にプラスをもたらすのかどうかについては、慎重な判断が求められる。
日銀の黒田東彦総裁が量的金融緩和政策の追加に踏み切った最大の理由は、消費税増税決定を後押しすることにあると考えられる。
安倍政権は12月上旬に消費税再増税を実施するかどうかの決定を行う。
本年4月に消費税率が5%から8%に引き上げられて、日本経済は大崩落してしまった。
「消費税増税の影響軽微」のキャンペーンとは正反対の現実が広がったのである。
本日発表された家計調査でも、景気のカギを握る個人消費が極めて深刻な減少を続けていることが明らかにされた。
この状況下で、消費税のさらなる増税を実行すれば、日本経済は完膚なきまでに叩きのめされることになる。
消費税再増税を先送りするべきとの声が、自民党内部からも噴出し始めているのである。
この流れにくさびを打ち込むために、追加金融緩和政策が決定された可能性が高い。
「サプライズ」で株価が上昇したが、逆にこの株価上昇が消費税再増税決定の引き金となるなら、株価上昇がアダになることも考えられるのだ。
こうした上向きの流れが生じた局面でこそ、消費税再増税先送りを決断し、効果的にアピールすることが大事なのである。
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