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「頭撮り」が報道の中心になる今回の日朝協議の異例さ
http://bylines.news.yahoo.co.jp/amakinaoto/20141029-00040344/
2014年10月29日 8時53分 天木 直人 | 外交評論家
いくら報道する内容が希薄だからといって、これほど異例な報道はない。
伊原外務省局長を団長とする今回の政府訪朝団のことだ。
それを報じるメディアは、まるで判を押したように同じ報道で大騒ぎをしている。
すなわち、表に出てくるはずのない秘密警察のトップが出て来た、これは異例だ、と。
これは今度の訪朝団を北朝鮮側が重視している表れだ、と。
お化けじゃあるまいし、何を大騒ぎをしているのかと笑ってしまう。
異例なのは徐大河という人物が顔を見せたことではない。
頭撮りの光景が仰々しく流され、そこでの日朝双方の発言がそのままトップニュースになるという事こそ、前代未聞の異例なことなのだ。
「頭撮り」というのは交渉の最初に、報道陣へのサービスの為に写真を取らせるセレモニーだ。
私も何度もお膳立てしてきた。
そこでの会話は挨拶だ。
この頭撮りをした後、報道陣を追い払って本当の交渉が始まるのだ。
メディアの使命は、セレモニーの後に行われるその交渉内容を追って国民に知らせることだ。
しかし、今回は最初からそれを放棄している。
北朝鮮側が描いたシナリオ通りに報道させられている。
私は一番驚いたのは冒頭で徐大河代表が次のように述べたことだ。
すなわち徐大河代表は、今度の政府調査団を派遣するに際して日本の中で食い違った主張が提起されていることは承知しているが、そうした中で皆さんが来た事は正しい選択だったと言った。
それが大きく放映された。
それがニュースになるのだ。
北朝鮮に褒められてどうする。
しかし、今度の訪朝団のすべてがそこにあるのだ。
北朝鮮と安倍政権の合作ショーなのだ。
こうして拉致問題は延々と続く。
まるで、時がこの厄介な問題を風化させてくれるのを待つと言わんばかりだ。
北朝鮮も日本政府側も、拉致問題をいますぐ白黒つけられない。
いや、白黒つけるのはお互いに不都合なのだ。
この点で金正恩総書記と安倍首相は見事に利害が一致している。
安倍首相は「拉致被害者全員を取り戻す」と言い続けていればいいのだ。
そう言い続けて、だから解決するまで首相を続ける、と言っていればいいのだ。
北朝鮮は、そんな安倍首相を支持し、制裁緩和を求めていけばいいのだ。
そのためには拉致被害者の再調査結果の通報をいつまでも後回しにすればいい。
これまでの繰り返しが更に続いていくということである。ただそれだけだ。
大騒ぎするメディアは日朝両政府の片棒を担いでいるのである(了)
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