30. 2014年10月30日 18:01:54
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金正恩が日朝交渉で「拉致は解決済み」と主張する理由全てが工作の北朝鮮 北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの御両親が2014年3月、モンゴルの首都ウランバートルで孫娘一家と面会、モンゴル政府の迎賓館で4泊5日をともにした。 孫娘には夫と生後10カ月という赤ん坊、つまり横田夫妻からすれば曾孫がいた。横田夫妻は、孫娘の夫が流暢な日本語を話し出したのに驚かされた。彼は、家族の会話をビデオに撮った。平壌の当局に言われた通りに、監視して会話を記録しているのは明らかだった。 「もしかしたら本当の夫ではなく、北朝鮮が仕掛けた芝居ではないか」 そう思うのも当然だった。さらに孫娘が、「赤ん坊の1歳の誕生日に平壌に来てほしい」と頼んだ。朝鮮半島では、1歳の誕生日を大々的に祝う伝統がある。それを口実に、横田夫妻を平壌に招いて拉致救済活動を弱体化させようとの、北朝鮮の思惑がはっきりと見えた。 「孫娘は、そう言うように北朝鮮当局に指示されたのではないか」 赤ん坊も本当の曾孫ではないのではないか。フジテレビはこの面会の再現ドラマまで報じたが、北朝鮮は芝居のためによその赤ん坊を使いかねない工作国家だ。日本人なら、横田夫妻の心の痛みを感じるべきだ。心ない言葉を投げてはいけない。不憫な孫娘の幸せを祈りたい。 日朝交渉において北朝鮮は、2014年9月末までに拉致被害者の調査結果を伝える、との約束を破った。人間の心を持たない人々だ。その上、「調査結果は平壌に来て、直接聞け」と開き直った。これには裏がある。 北朝鮮はすでに拉致被害者の名簿を作成しており、今さら平壌まで聞きに行く必要はない。 共同通信は、日朝交渉代表の宋日昊大使の「平壌に来て調査委員会から直接説明を受けるべきだ」とのインタビューを、批判なしに配信した。北朝鮮の広報機関か、と言われても仕方がない。 特派員の平壌常駐は許されていないが支局開設は許されていて、多額の事務所費を支払っている。北朝鮮批判記事を流さない共同通信は「ジャーナリズムの魂を失った」と、仲間内では批判されている。 一方、日本政府はこれまでに何度も北朝鮮に騙されているのに、なお平壌に代表団を派遣する方針だ。過去に日本の政治家や政府訪問団が多数、平壌を訪問したが、全く成果はなかった。小泉純一郎首相も、拉致被害者の安否情報だけを求め、拉致被害者全員の救出に失敗した。 菅官房長官は会見で「対話のドアを壊せば何もなくなる」と強弁したが、この主張は間違いだ。「北朝鮮は崩壊の危機に直面すると日本と交渉する」との歴史の教訓を学んでいない。 金丸訪朝と小泉訪朝の際も、北朝鮮は崩壊の危機を感じていた。今回も中国に見捨てられ、崩壊の危機に直面したから日本と対話し、資金や食料を得ようとしているに過ぎない。 北朝鮮こそ、日本とのドアを閉ざせないという現実を理解すべきだ。平壌に代表団を送らなければ、また別の提案をしてくる。むしろ、調査委員会に「東京に来い」と逆提案すればいい。 訪朝団は失敗する 拉致家族会は2014年10月16日、「拉致被害者に関する報告を聞ける段階まで待つべきだ」と日本政府に申し入れた。この判断は正しい。北朝鮮については家族会のほうが専門家で菅官房長官は素人だが、日本政府は耳を貸さない。日本で家族会ほど北朝鮮に長年、渡り合った人々はいないのである。 政府訪朝団を派遣すれば、その先は容易に想像がつく。北朝鮮は「拉致問題は解決した」との立場を変えず、偽の墓に案内し、偽の証人を出現させて「8人は死んだ」と言わせるだろう。北朝鮮が政府訪朝団を招く意図は見え見えだ。拉致問題を終わらせ、遺骨問題や残留日本人帰国などをプレーアップして資金を取ろうとしている。 北朝鮮の李洙墉(リ・スヨン)外相は2014年9月末に国連で演説し、人権問題はないと強弁した。また、北朝鮮は人権報告書を発表し、自国の人権について「世界一優れた制度」などと発表した。 さらに、北朝鮮のリ・トンイル国連次席大使は、2014年9月公表した人権状況に関する独自の報告書を配布。法体系や官民の取り組みを通じて、言論の自由など人権を全面的に保障していると主張し、「人権問題を体制転換のために悪用している」と米国などを批判した。また、同席した北朝鮮外務省幹部は、日本人拉致問題について「完全に解決済み」とした上で、拉致被害者の調査と制裁解除に関する日朝間の合意について、「日本は義務を果たすべきだ」などと述べた。 北朝鮮の姜鍚柱(カン・ソックチュ)書記は、2014年9月初めに欧州諸国を訪問した。2014年9月の北朝鮮外交は、日朝交渉以外にも大忙しだった。これほど大々的な外交展開は最近ではなかった。 一連の外交展開は、国際刑事裁判所(ICC)に金正恩第一書記を起訴させないための外交工作であった。米国と欧州各国は、金正恩氏を国際刑事裁判所に起訴する働きかけを強めている。金正恩氏はこれに危機感を強めている。ICCに起訴されれば逮捕状が執行され、金正恩氏は外国に行けなくなる。 ICCへの起訴は国連人権理事会の報告に従い、国連安保理が決議する。米国は、ジュネーブの国連人権理事会に金正恩氏の起訴を安保理に報告するよう、強く働きかけている。この結果、欧州諸国がICCへの起訴を求める報告書案を作成し、安保理構成国に回覧していた。 これまでは安保理常任理事国の中国とロシアが反対してくれたが、2014年は中国の態度が曖昧だ。このため、北朝鮮は欧州に姜鍚柱(カン・ソックチュ)書記を派遣して切り崩しを図ったのだが、うまくいかなかった。 また、李洙墉(リ・スヨン)外相が国連演説で人権問題を否定して人権報告書を発表したのも、ICCへの起訴回避の作戦だった。李洙墉(リ・スヨン)外相はその足でロシアを訪問し、「拒否権行使」を頼んだ。 金正恩氏のICC提訴を避けるには、しばらくの間、拉致を認めるわけにはいかない。このため、これまで以上に拉致問題調査の報告ができなくなった。当面は、「拉致問題は解決した」と国際社会に主張するしかない。その北朝鮮の事情を理解せずに訪朝団を派遣すれば、必ず失敗する。日本政府はなぜこのような判断ができないのか。 北朝鮮が“自画自賛”の「人権報告書」を発表した狙いは? THE PAGE 2014/9/26 07:00 http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20140926-00000004-wordleaf-nb&p=1 国連、金正恩氏を反人道的な罪で国際刑事裁判所に提訴か―韓国メディア XINHUA.JP 10月10日(金)6時24分配信 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141010-00000012-xinhua-cn 【拉致問題】日本人拉致で北朝鮮「完全に解決済み」・・・国連で主張 2014/10/9 10:00 http://blog.livedoor.jp/sokuhoujapan-news/archives/14560796.html 金正恩の健康状態 その金正恩第一書記の動静が2014年10月14日、およそ40日ぶりに報道された。北朝鮮の指導者は2014年9月3日を最後に姿を消し、健康不安説やクーデター説が報じられた。金正恩氏の体型は、31歳の若さにしては不健康に太っている。足を引きずる映像を流し、「不自由な体」をおして仕事をしている、と報じた。 また、海外から医師が招かれたとの報道もあった。このため、金正恩氏の健康状態は相当に深刻だとの観測が出た。外国の医師を招くのは医師団が責任を負いたくないからで、最悪の病状の時だ。 最近、平壌を訪問した在日朝鮮人は、「平壌市内は安全ではなく、指導部はなお安定していない。市民は何が起きてもおかしくないと語っている」と明らかにした。北朝鮮国内に情報源を持つ有力脱北者やグループは、金正恩が国内を掌握できない状態にあるとの情報を流した。 平壌では石油不足のために二輪車の使用が禁止され、自動車の往来も激減している。中国は2014年1月から北朝鮮への原油供給を中止するなど中朝関係は最悪で、金正恩は訪中できずにいる。北朝鮮は、経済的にも外交面、軍事面でも危機的状況だ。 金正男の秘密資金 朝鮮総連への対応でも、金正恩体制への失望感が広まっている。朝鮮総連の議長が、1ヵ月以上経ってやっと日本に戻ってきた。だが、指導者に面会できず、メンツ丸潰れだ。 同じ時期に北朝鮮にいた在日朝鮮人によると、朝鮮総連議長は半年の猶予を貰って帰ることができた。平壌滞在中に厳しい査問を受け、処刑された張成沢(チャン・ソンテク)氏との関係や命令違反も追及されたという。それでも日本にはなお残した仕事があると述べ、朝鮮戦争本部の売却を阻止できるのは自分しかいないと訴えた。 さらに、金正日総書記の長男である金正男氏が東京に残した秘密資金について、口座から資金を回収して平壌に届けられるのは自分だけだ、と説明したようだ。 金正男の秘密資金は数百億円とも言われる。カナダにも金正男氏の資金が他人名義で隠されており、百億円もの資金が残されている、と以前から言われていた。本人確認がなければ引き出せないこの資金の回収も約束し、半年の猶予を得たという。 なかなかの説得力だが、在日の間では「朝鮮総連議長の口車にやられるようでは、金正恩第一書記の指導力もだめだな」との失望感が広がっている。 困り果てているのは北朝鮮であって、日本ではない。日朝協議では、このことを絶対に忘れてはならない。
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