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安倍首相が「共同通信加盟社編集局長会議」に参加、進むマスコミと政府の病理、背景に新聞に対する消費税の軽減税率適用問題
http://www.kokusyo.jp/%E5%AE%89%E5%80%8D%E9%A6%96%E7%9B%B8%E3%81%8C%E3%80%8C%E5%85%B1%E5%90%8C%E9%80%9A%E4%BF%A1%E5%8A%A0%E7%9B%9F%E7%A4%BE%E7%B7%A8%E9%9B%86%E5%B1%80%E9%95%B7%E4%BC%9A%E8%AD%B0%E3%80%8D%E3%81%AB%E5%8F%82/
2014年10月27日 MEDIA KOKUSYO
蛙(かえる)を入れた器に冷水を注ぎ、コンロにかけて緩やかに加熱すると、蛙は水温の上昇を知覚できず、死にいたる。環境に順応すると神経が麻痺して、とんでもない悲劇を招きかねない。
10月24日、共同通信に加盟する新聞社編集局長らが集う「共同通信加盟社編集局長会議」が開かれ、安倍晋三首相が参加した。権力監視の役割を担っている新聞社の編集局長の会議に一国の長が参加するという非常識なことが起きたのである。世界に類なき異常事態である。
共同通信の加盟社は次の通りである。
北海道新聞、道新スポーツ、室蘭民報、東奥日報、デーリー東北、秋田魁新報、山形新聞、岩手日報、河北新報、福島民報、福島民友、下野新聞、茨城新聞、上毛新聞、千葉日報、神奈川新聞、埼玉新聞、日本経済新聞、産経新聞、SANKEI EXPRESS 、夕刊フジ、The Japan Times 、毎日新聞 、スポーツニッポン 、報知新聞 、日刊スポーツ 、サンケイスポーツ 、東京新聞 、東京中日スポーツ 、山梨日日新聞 、信濃毎日新聞 、新潟日報 、静岡新聞 、中日新聞 、中日スポーツ 、中部経済新聞 、伊勢新聞 、岐阜新聞 、北日本新聞 、富山新聞 、北國新聞 、北陸中日新聞 、福井新聞 、日刊県民福井、大阪日日新聞 、京都新聞 、奈良新聞 、神戸新聞 、デイリースポーツ 、山陽新聞 、中國新聞 、日本海新聞 、山陰中央新報 、四國新聞 、愛媛新聞 、徳島新聞 、高知新聞 、西日本新聞 、西日本スポーツ 、大分合同新聞 、宮崎日日新聞 、長崎新聞 、佐賀新聞 、熊本日日新聞 、南日本新聞 、沖縄タイムス 、琉球新報
首相官邸のウエブサイトに掲載された安倍首相のあいさつによると、「皆さんの前でこうやってお話をさせていただくのは3年連続」だという。わたしは安倍首相が3年前から編集会議に参加していた事実は知らなかった。
一国の長が全国の新聞社が共同で開催する編集会に参加した例を、わたしは知らない。軍事政権の国でも、こうしたことはあり得ない。それどころか軍事政権下の新聞社の中には、命がけで戦っているところも少なくない。
安倍首相自身がマスコミの影響力、あるいは世論誘導の道具としてのマスコミの利用価値を十分に自覚していることは、編集会議の場における次の発言でも明らかだ。
本日お集まりの加盟社の皆さんを全部合わせると、発行部数はなんと3000万部であります。日本の全世帯の半分以上が、皆さんの新聞をとっている計算になります。社会への影響力は、凄まじいものがあると思います。
■出典:首相官邸
http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/actions/201410/24kyoudou.html
編集会議に参加した首相側も、参加を許可した新聞社側も、まったくジャーナリズムのルールをわきまえていないことになる。
新聞人の感覚は完全に麻痺(まひ)している。30年も40年も報道の仕事に携わってきて、一体、何を学んで来たのだろか?ここにも別の深刻な社会病理がある。
◇軽減税率問題と「押し紙」問題
首相と協同通信の癒着の背景に何があるのだろう?幾つかのポイントを指摘しておこう。
■新聞に対する消費税の軽減税率
新聞に対する消費税の軽減税率適用は、新聞業界にとって死活問題である。新聞業界は、軽減税率の適用を勝ち取るために、日販協と新聞協会を中心に政界工作を展開してきた。政治献金もあたりまえに流れている。
新聞に消費税が課せられた場合、2つの重要な課題が浮上する。
@新聞ばなれが加速する。インターネットの普及に伴い新聞ばなれが進んでいるが、これに消費増税が加われば、新聞ばなれが一層すすみ、新聞社は壊滅的な打撃を受けかねない。
A新聞業界で慣行化している「押し紙」にも、消費税が課せられる。「押し紙」とは、新聞社が販売店に対して搬入する新聞のうち、過剰になった部数のことである。たとえば2000人の購読者しかいないのに、3000部を搬入すると差異の1000部が「押し紙」だ。
販売店はこの1000部の卸代金も納金しなければならない。当然、「押し紙」には読者がいないので、購読料は販売店が負担する。その際、消費税も徴収対象になる。
かりに新聞に対する軽減税率の適用が見送られると、販売店の倒産があいついで、新聞配達網が破たんしかねない。
政府は新聞社の「押し紙」政策を故意に放置することで、新聞社の経営上の汚点を握り、メディアコントロールの道具にしているといえよう。
■折込広告の水増し問題
新聞の商取引には、販売店に搬入される新聞の部数(搬入部数)と、折込広告の搬入枚数を、一致させる原則がある。ところがその搬入部数には、「押し紙」が含まれている。
その結果、「押し紙」に相当する枚数の折込広告が水増し状態になる。これは刑法上の詐欺である。当然、警察の取り締まり対象になる。
冒頭の動画は、水増しされた折込広告を梱包した段ボール箱を、新聞販売店から搬出している場面である。撮影場所は、岡山市である。
警察は、折込広告の水増し詐欺をほとんど取り締まったことがない。問題を放置することで、メディアコントロールが可能になるからではないだろうか?
■再販制度という既得権
新聞社が安定した経営を維持できるのは、ひとつには再販制度のおかげだ。2006年に再販撤廃案(厳密には、新聞特殊指定)が浮上した際には、新聞協会と日販協が政界工作を行った。
これにこたえて高市早苗議員や山本一太議員が、全面的な支援に乗り出して、新聞業界の既得権益を守った経緯がある。
◇新聞社の汚点とメディアコントロール
政府によるメディアコントロールの手口はいたって単純だ。新聞社の経営上の弱点を把握したうえで、「飴と鞭」の政策を徹底すれば、簡単に言論を統制できる。
わたしは1997年に「押し紙」の取材を始めて以来、経営上の汚点を一掃しない限り、新聞ジャーナリズムの再生はありえないと主張し続けてきた。
こんな当たり前の提言を無視してきた結果、首相が新聞人の編集会議に参加し、それに対する何の批判も起こらない異常事態が生まれているのである。
解釈改憲の閣議決定。特定秘密保護法の成立・・・・。
メディアをコントロールしながら、日本は軍事大国へと向かっている。日本の新聞社には、それに対抗できる客観的な条件が備わっていない。
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