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DAILY NOBORDER 10月26日(日)12時11分配信
「こういう時はどうしても受け身に回ることがあるので脇を締めてしっかりやってほしい」
安倍晋三首相は22日、首相官邸で自民党の谷垣禎一幹事長と会談した際、自らに言い聞かせるようにこう述べた。
こういう時とは言うまでなく、小渕優子、松島みどり両氏の閣僚辞任劇を指す。勢いづく野党は21日の衆院本会議開催を「極めて異常な事態で開くべきではない」(民主党の川端達夫国会対策委員長)として、予定されていた土砂災害防止改正案の趣旨説明と質疑を拒否したため、審議入りは23日に延期。このため、同日に審議入りするはずだった労働者派遣法改正案の審議入りは玉突きで28日に先送りされてしまった。
政府与党にとっては国会対策上、より窮屈な審議日程を強いられることになるわけで今さらながらに手痛い失点だった。
そしてもう一つ、安倍首相が脇を締めておかなければならないのが自民党内の足並みの乱れだ。
「与党に返って2年近くになった。おごりがなかったのか、もう一度、謙虚に国民のために働こう。こういう原点に返って頑張ろうじゃありませんか」
谷垣幹事長は21日に行われた自民党代議士会でこう語り、党内の結束を呼びかけた。
まずもって先の内閣改造で選に漏れた入閣待望組は、安倍首相肝いりの女性閣僚2人が辞任に追い込まれるにいたり、溜飲を下げたに違いない。これで内閣支持率が下振れすれば、官邸主導の政権運営に対する不満が噴き出すことにもなりかねない。
消費税率の再引き上げや法人税率引き下げ、TPP交渉等々、党内を二分する政治判断が迫る中、安倍首相には時に解散カードをチラつかせながらの硬軟織り交ぜた政権運営が求められよう。
藤本 順一
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