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「NHK番組改変事件の当事者である永田氏に、メディアへの政治権力の介入についてお聞きします:岩上安身氏」
http://sun.ap.teacup.com/souun/15625.html
2014/10/26 晴耕雨読
https://twitter.com/iwakamiyasumi
これより10月22日(水)、「岩上安身による元NHKプロデューサー・永田浩三氏インタビュー」の実況ツイートを始めます。NHK番組改変事件の当事者である永田氏に、メディアへの政治権力の介入についてお聞きします。
岩上「今のNHKにはなんで、あんなにガラの悪い連中が居座っているのか。その中心には安倍晋三という人がいて、この流れには何十年も溯ることができるのです」
岩上「永田さんは『クローズアップ現代』のプロデューサーでした。また『ETV2001』の編集長もつとめられていました。現在は武蔵大学の教授ですが、今、決起されましたね。籾井会長に辞任を要請する集会に賛同し、署名されました」
岩上「籾井さんは『政府が右というのを左といえない』と発言しました。右派の言論人、財界人、あるいは官僚が、メディアをぐらぐら揺らがそうとしています。その帰結としてNHKの体たらくがありますね。今声を上げようとした経緯は何でしょうか」
永田氏「8月21日の1500人の署名というのは、戦後NHKの中では初のことです。かつて小野吉郎会長の辞任を求める137万人の署名が2日で集まったことがありました」
岩上「海老沢会長は独裁的で評判が悪いという『エビ・ジョンイル』と揶揄されました」
永田氏「私が接した範囲では、海老沢ご本人は気のいい感じの方。政治家に顏がきくという人でした。後に安倍晋三さんの清和会から揺さぶりをかけられ、いろいろな目にあうことになるのです」
永田氏「かつてNHKは田中派・経世会のいうことを聞いていればよかった。それがいつのころからか、清和会の影響を受けるようになります。2001年の番組改変事件は、その境目の時期に起きました」
永田氏「『放送を語る会』が、NHKの『ニュース7』『ニュースウオッチ9』の内容を研究し、政府公報的な報道に傾いてきたというデータが出ています」
永田氏「NHKの経営についての最高意志決定は経営委員会です。会長の任命、罷免もできる。放送法の第一条に『健全な民主主義に資する』という文言があります。つまりNHK職員が行うのは放送という道具を作って日本社会が民主主義になるようにすることです」
永田氏「そのために受信料をいただいている」
岩上「ということは、NHKが今すぐやるべきなのは、百田氏や長谷川氏の発言を追究することですね」
永田氏「まず、間違いを正さなければならない。政府の間違いですね」
永田氏「?井会長の『政府が右にいうものを左にいえない』という発言は、政府の広報になるという意味になっている。さらに『慰安婦がどこにでもあった』という明らかな間違いをいいふらしている」
永田氏「さらに?井会長は理事の辞表を預かるという行動に出た。もう我慢できない、ということで今年8月に籾井会長の辞任を求める集会が元NHK職員を中心に開催されました」
岩上「NHKの現役の方の反応は?」
永田氏「籾井会長の発言に『恥ずかしい』という反応があります。発言の影響により、中国のスタッフとの関係が気まずくなったり、ケネディ駐日大使のインタビューが実現しないとも言われています」
永田氏「今のNHKは『みんなのNHK』になっていない。『安倍政権のNHK』になってしまっている。自分から辞めるか、経営委員会で罷免されるかしないと籾井体制は終わらない。しかし経営委員会には安倍総理の『おともだち』が最低5人いらっしゃいます」
岩上「誰の権限で経営委員は選ばれるのですか」
永田氏「内閣の案が出され、国会で承認を受けます。民主的な手続きと言われていますが、制度上おかしいですね。民主的な政権があるという前提が必要です。それがなければ問題のある経営委員が選ばれる」
永田氏「かつては経営委員会はそれほど重要なポストとして見られていなかった。こんなに露骨に内閣の色に染まった経営委員会は、安倍政権になって初めてです」
岩上「百田尚樹のような首相に近くで愚劣である人物がいます」
永田氏「NHKはいろいろ問題を抱えていますが、宝です。本来なら日本の文化を精確に深みのある形で伝える。それなのに、偏見にみちた発言を繰り返すのは問題があります」
岩上「やめさせるということはできないのでしょうか?」
永田氏「きちんと調べなければ答えられませんが、制度上非常に難しいものとなっています」
岩上「お飾りのような経営委員会が政治的なものに再編・利用することを安倍さんは狙っていたということですね」
永田氏「安倍さんは、一度総理大臣になり、体調不良で辞任。再び総理になり、かつてのメディア対策の失敗について反省があります。一番日本社会で影響力を持つのは公共放送のNHK。ここに自分の目の届く人間を配置することは大事なことだと思います」
岩上「今、大変な転換点にいるということですね。私は、辞めていただくべき人には、辞めていただきたいと思っています。どなたか法律的な知識をお持ちの方は教えていただきたいと思います」
岩上「私はいろいろな所で取材をし記者と名刺交換をしますが、NHKの方だけは、私がいないものとして素通りしていきます」
永田氏「『怯え』の組織であることは間違いないのです。一つの役所ですから失点に敏感です」
永田氏「NHKの中にも変わりたいと思っている人もいるんです」
岩上「私は受信料を徴税だと見ている。私の言う公共は下からのものです。IWJは寄付を募り運営しています」
永田氏「ただ、戦前・戦中のラジオのNHKがあり戦後に放送法とともにできた新しいNHKは、ドネーションの仕組みでできたんです」
岩上「ほう」
永田氏「視聴の如何に関わらず、NHKの事業に対して、いただくお金だったのです」
永田氏「鉄塔のような放送事業に必要な設備も、受信料から出されています。かつては、放送は普くサービスが受けられたほうがよい、という思想がありました。昭和20年代でも、地方にいてもラジオによって世界の情報を知ることができると考えていました」
永田氏「かつてのこの考えはまっとうなものだと思います。その後、民放が増えていきます。その中で、NHKは制度を上手くつかい肥大化してきた面があります。肥大化すると組織防衛の力も働くようになりますね」
永田氏「地デジにしても、新しい需要の喚起のために利用されました」
岩上「放送、思想の多様性をどのように担保するのかという問題ですね。米国ではある程度の規模の自治体は小さなメディア・放送局を援助しますね」
永田氏「民主主義の発展という観点からすれば、多様化は重要です。多数派の暴力を許すことになります。とても難しいのは、NHKが担ってきたものをどのようにシェアするかということですが……」
岩上「その議論も始まっていませんね」
岩上「NHK側が耳を傾けるようにしてほしいですね。私のアイディアは、百田氏や長谷川氏は経営委員失格だから降りてもらう。NHK内に『好き勝手チャンネル』を作ってもらい、そこでやってもらう。で、その隣にIWJも対抗言論としてあるというものですが」
永田氏「プラットフォームを作るというのは最低限あっていいと思います(笑)」
岩上「みんなが情報の主権者の時代ですね。その主権者のお手伝いを、高みにいた人に協力していただきたいと思いますね」
永田氏「NHKの公共性が揺らいでいます。日本人はNHKを『お上の放送』だと思い込んでいるところがあります」
岩上「私はそう思っていました」
永田氏「あの戦争をNHKラジオは一緒になって推進。その意味で戦後のNHKの社会的役割は重要でした」
永田氏「戦後のNHKの放送委員会には岩波茂雄を始めリベラリストが参加しました。会長には大原社会問題研究所を設立した高野岩三郎氏が就任。話がそれますが、戦後すぐに経営と編集を分離しよと大掃除をしたのは読売新聞です」
永田氏「ロッキード事件の時に『赤旗』のスクープがたくさんあり、NHKニュースでも『赤旗によれば』という赤旗に依拠した報道がありました」
永田氏「韓国で言えば、80年に光州事件があります。その後に民主化の流れに。放送では光州事件で市民の側に立てなかったことをあらため、KBSの経営委員長には、軍事政権に反対した人物が就任します」
岩上「百田さんのような人を経営委員としてあがめるNHK職員の屈辱とは」
永田氏「百田さんは関西で活躍いていた構成作家でした。それが安倍総理を応援するある時から境に発言の度が過ぎるようになりました」
永田氏「百田氏は、政治的にも極右というような発言もしています。長谷川さんは言論を暴力で封殺するような行為を賞賛しています」
岩上「『永遠の0』というのは駄目なプロパガンダです。綺麗ごとに仕立て上げている。英霊をだしにして金儲けをしました」
岩上「NHKでは『振武寮』を取り上げた、素晴らしいドキュメンタリー番組があります。ぜひとも、NHKで再放送はないのでしょうか」
永田氏「アーカイブ番組という形であります」
岩上「百田氏へのインタービューも実施し、追究してほしいですね」
岩上「沖縄の報道関係者に対する風当たりが強くなっています」
永田氏「辺野古の新基地や高江のヘリパッドことを記事にすることがなぜ反日なのでしょうか」
岩上「現在の総務大臣は高市早苗さんです」
永田氏「総務大臣は放送に大きな権限を持っています。新聞と違い、放送には国にたてをつけないという弱みが実はあるのです」
岩上「これはあまり知られていませんね。テレビの縛りのほうがきついということですね」
岩上「高市早苗さんは9月3日に総務大臣に就任し、就任会見でNHKの国際放送でプロパガンダ放送をするように聞こえる話をしています」
永田氏「これが高市さんの問題ですね。高市さんは90年からずっと安倍さんと共同歩調をとってきました」
永田氏「『歴史教科書への疑問』という1997年に出版された『若手議員の会』による本があります。この会の代表は中川昭一さん。事務局長は安倍晋三さんです。高市さんも参加している。」
永田氏「この本に関わった人たちが、今の閣僚になっているということだと思います」
永田氏「高市さんはネオナチ団体代表とのツーショット写真があります。ほかには山谷国家公安委員長は在特会関係者との写真があります」
岩上「松島さんと小渕さんが辞任したときに、日本のメディアはそれだけを報じました。一方、海外のメディアは、ネオナチ団体と関係のある高市さんや、Zaitokukaiと関係がある山谷さんはどうなのかと論じています」
永田氏「高市さんの就任会見の発言について確実な情報がないので気をつけて発言しなければなりませんが、イギリスのTimes紙は最近、日本政府によりNHKの英語報道に関して従軍慰安婦、南京虐殺や領土問題などに関して指導があったと報道しています」
永田氏「NHKで言えば、日本国憲法を具体化するために、放送を使ってどうするか、という限定的な目的を持った機関です。その憲法に違反する動きがでたときには、NHKは警鐘を鳴らさなければならないと思います」
岩上「9時のニュースの大越キャスターは出鱈目なことを言っていますね」
永田氏「彼は何も思っていないのですね。東大の野球部で活躍し、他の政治部記者よりはさわやかなイメージ。しかしニュースのアンカーマンとして職務を果たさなくてはならないと思います」
永田氏「大越氏への批判は二つあります。政権のプロパガンダに一役買っていうもの。一方で『反日キャスター』というレッテルも貼られています。もっと右に行け、という批判ですね。NHKが左翼に牛耳られているという幻想を持っている人たちがいます」
永田氏「隣国を悪くいい、自分達は素晴らしいとし、歴史を修正していくと、その先にあるのは悲劇的なことですね。一方でこういう人たちが『国際化』というのはわけがわかりません」
永田氏「そのような自己愛に満ちた人たちが世界で尊敬を集めるとは考えられません」
岩上「美化された自己像に耽溺している。非常に気持ちの悪い状況ですね」
永田氏「高市さんと直に話したことはありませんが、90年代から主張されていることは変わりません。彼女に関して思うのは、信念がある政治家なのかなということです。『慰安婦問題が発生して日本の誇りが傷つけられた』と言いますが……」
永田氏「……保守派が米国で出した慰安婦問題に関する意見広告に対して、米国では批判が高まります。それで安倍さんは謝罪をすることになります。これは、吉田証言が捏造だったということとは、何の関係もありませんよね」
.岩上「自分たちの発言こそが、日本の名誉を汚しているわけですね。朝日のミスにつけこむ動きも顕著です。社長が謝罪まですることになりました」
永田氏「安倍政権とよい関係をつくるための取引というよりは、朝日は単純にお粗末だったと思いますね」
永田氏「8月5日の吉田証言の取り消しを認める記事に対する反響、『朝日許すまじ』という批判が予想外に大きかった」
岩上「安倍さんの言う『日本の名誉を汚した』というのは完全なデマです」
永田氏「安倍さんや高市さんは90年代始めに政治家になった。原点にあるのは歴史認識やアジアとの関係ですね。朝日は憎いという点で一貫しています。教科書を叩き、NHKを叩き、そして今、本丸の朝日を叩いているという20年の物語なのですね」
永田氏「これは諄々とお話させていただかないと分からない物語なのですね。今起きているのは、戦後に戦犯とされた人たちの流れがあり、その名誉回復を狙うための70年の物語かもしれない。あるいは、序章なのかもしれない」
以上で「岩上安身による永田浩三氏インタビュー」の実況ツイートを終了します。
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