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2人で5億円強/(C)日刊ゲンダイ
小渕マネーを凌駕 安倍首相に渡った脱法的裏金2.5億円
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2014年10月23日 日刊ゲンダイ
「政治とカネ」の問題で一気に女性閣僚2人を失った安倍首相。21日は女性誌の編集長らと懇談し、いまだに「女性」の看板にこだわっていたが、こんなパフォーマンスでカネに汚れた政権のイメージを払拭できると思っているのか。安倍首相自身、不透明な政治資金を受け取っており、その額は辞任した小渕優子前経産相の比ではない。
自民党が政権に返り咲いた12年の総選挙の投開票日は12月16日。選挙に先立つ衆院の解散は11月16日だったが、この日程と前後して安倍首相のフトコロには党本部から巨額のマネーが流れていた。
12年分の自民党本部の政治資金収支報告書には11月13日、24日、26日、30日、12月11日と5回に分けて5000万円ずつ、計2億5000万円を安倍首相個人に支出したことが記載されている。支出の名目は「政策活動費」――。聞きなれない言葉だが、党幹事長室は安倍事務所との共通見解として「わが党の政策活動費は党勢拡大や政策立案、調査研究を行うために、従来より党役職者の職責に応じて支給しており、法にのっとって適正に処理している」と説明する。
時期から判断して、安倍首相は巨額マネーを選挙対策に使ったとみられるが、自民党本部の支出には「遊説及び旅費交通費」「会議及び食糧費」「調査費」などがワンサと計上されている。「政策活動費」が何に使われたカネなのか、ますます理解できない。
■領収書1枚、報告義務なし
「厳しく言えば『政策活動費』は脱法的な裏金のようなもの。こうした名目で議員個人に支出すると、政治資金規正法上は受け取った議員の領収書を添付するだけでオッケー。この議員が何に使ったかまでは報告する必要がなくなるのです」と、政治資金に詳しい神戸学院大学法科大学院教授の上脇博之氏が続ける。
「とはいえ、領収書1枚で億単位の資金の最終的な使い道を見えなくするのは、政治資金を国民の不断の監視の下に置こうとした規正法の趣旨に反します。国民に不信感を抱かせたくなければ、安倍首相は率先して“ブラックボックス”を公開すべきです。国政選挙の時期の支出ならなおさらで、安倍首相が選挙のために不透明なカネをばらまいたという疑念を生じさせます」
この年の自民党本部の収入は約159億円。うち政党交付金は約102億円に達する。
実に収入の6割以上を税金に頼っているのだ。
12年には「政策活動費」として当時の石破幹事長にも計2億6000万円、前回09年の総選挙直前には当時の麻生首相に計2億9300万円が支出された。どちらも現政権の重要閣僚である。
政権中枢が使途報告のいらない巨額の“つかみ金”を平気で手にするトチ狂った感覚。この政権にクリーンさなど永久に望めない。
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