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こだわった同時決着 閣僚辞任、官邸「傷を最小限に」
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS20H22_Q4A021C1PP8000/
2014/10/21 2:00 日経新聞
小渕優子前経済産業相と松島みどり前法相はいずれも自発的な辞表提出という形をとった。だがその舞台裏で、首相官邸は2人の同時辞任で決着させることで、政権の傷を最小限に抑えるシナリオを描いていた。
20日朝、小渕氏が首相官邸に入る直前、公明党の山口那津男代表に電話がかかってきた。安倍晋三首相だった。「ご迷惑をかけて申し訳ありません」。首相は連立政権のパートナーにわびるとこう続けた。「松島さんも辞任する方向で検討しています」
首相がダブル辞任にこだわったのは、2006〜07年の第1次安倍内閣での苦い記憶からだった。当時、「政治とカネ」の問題などで閣僚の進退問題が相次いで浮上。首相は閣僚をかばったが、結局は「辞任ドミノ」により内閣支持率は急落した。その後の参院選敗北につながり、366日の短命政権に終わった。
小渕氏の判断は早かった。野党が小渕、松島両氏への追及を続けるなか、辞任3日前の17日には「調査はしていますが、納得できる説明はできないと思います」と辞意を漏らす。小渕氏は自民党内で将来の首相候補の一人とみる向きもある。所属する額賀派内では、将来を考えれば、野党の批判にさらされ続けるより「本人のためにも早々に身を引くべきだ」との意見が大勢だった。
小渕氏から辞意を聞いた首相周辺は「首相は外遊中なので、もう少し待ってほしい」とひとまず自制を促した。
小渕氏とは対照的に、松島氏は18日の時点でも「説明責任を果たしていきたい」と官邸側に伝え、続投にこだわっていた。進退をめぐる小渕、松島両氏の温度差は明らかだった。小渕氏1人が辞めたとしても、野党は松島氏に照準を合わせて辞任を要求し続ける。国会の混乱が長期化した末に松島氏が辞任に追い込まれるのは最悪のシナリオだと官邸側は考えた。
18日、アジア欧州会議(ASEM)首脳会議への出席を終えてイタリアから帰国した首相は、羽田空港から公邸に向かう車中で今井尚哉首相秘書官から報告を受けた。今井氏は小渕、松島両氏の情報収集のため首相の同行を急きょ見送り、国内にとどまっていた。
このとき、首相は「早期決着しかない」と決断したという。第1次安倍内閣の例を引き合いに、首相周辺の一人から「ここは国政にとって良い道をとりましょう」と促されると、首相は無言でうなずいた。
公邸に着くと、首相はすぐに小渕、松島両氏に電話をした。小渕氏はこの日、辞表を提出するため首相の帰国直後の面会を探ったが、官邸側は松島氏の辞任のタイミングと合わせようと、面会を週明けに先送りしていた。首相からの電話で小渕氏は「調査はしばらく時間がかかると思います」との見通しを示したうえで、辞意を重ねて伝えた。すぐに閣僚を辞めて調査に専念したいというメッセージだった。
松島氏をめぐっては、所属する町村派内で自発的に辞めるのが望ましく「派閥として町村信孝会長が責任をもって説得すべきだ」との声が強まっていた。松島氏の前の法相でもある自民党の谷垣禎一幹事長も17日、菅義偉官房長官に「検察を所管する法相は他の閣僚とは違う」として、続投させるのは困難との意見を伝えていた。
党内の空気や2閣僚の同時辞任を模索する首相の意向を踏まえ、町村氏らが、このままでは国政の停滞を招くとの理由で松島氏を説得した。ダブル辞任がギリギリのタイミングで決まった。
「心機一転、新しい気持ちで能力を生かしてほしい」。首相からこう告げられた松島氏。記者会見で、ダブル辞任となったことを問われると「それはそれ、私は私で、小渕さんの問題とは全然別個の問題だ」と語った。
20日夜、首相は世耕弘成官房副長官や参院自民党の幹部を公邸に招き、会食した。出席者によると、首相はワインを片手に「来年の統一地方選は勝てるだろう。頑張ろう」と話したという。ただ、閣僚の一人は「小渕氏が辞めなければ松島氏は辞める必要がなかった。内閣改造をして一番後悔しているのは首相だろう」と、首相の胸の内を推し量った。
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