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貯蔵プールに格納された使用済み核燃料---[PHOTO]wikipediaより
官々愕々 中間貯蔵施設で官僚焼け太り
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/40748
2014.10.18 古賀茂明「日本再生に挑む」 週刊現代
10月3日、安倍政権は、「日本環境安全事業株式会社法の一部を改正する法律案」を国会に提出した。どういう法律かというと、新聞記事には、福島県内の汚染土壌を保管する中間貯蔵施設の関連法案で、使用開始後30年以内に県外での最終処分を完了させると書いてある。福島県民のみならず、国民全体にとって極めて意義深い法案であるように見える。
しかし、この法案には大きな問題がある。それは、汚染土壌の最終処分を「30年以内に福島県外」ですると決めたことだ。もちろん、福島県外のどこで最終処分するのかということについては何も書いてない。一般的な感覚では、他県に最終処分場を作りたいと言っても、それを受け入れるところがあるとは考えられない。福島に作る以上に難しいと考える方が常識的だ。
この話を聞いて、二つのことを思い起こした。
一つ目が、鳩山由紀夫元首相の「最低でも県外」発言。'09年の政権交代時に、普天間基地の移転先について、何の当てもなく大見得を切った「事件」だ。今もこの問題は混乱状態のままだ。あの時は、嘘がばれるのが早かったが、今回は、嘘と確定するには30年の時間がかかる。しかし、何の見通しもないのに約束してしまったという点で、嘘の程度としては鳩山発言と同じと言って良いだろう。
もう一つ思い出したのは、青森県六ヶ所村の使用済み核燃料の再処理施設だ。原発で生じた使用済み核燃料を預かって、再処理してそれをまた原発に戻して再利用するという建て前(約束)になっている。しかし、仮に再処理を止めると言うと、それなら、今六ヶ所村にある使用済み核燃料をすぐに全部引き取れということになる。もちろん、各原発の使用済み燃料プールは満杯に近く、それは不可能だ。だから、破綻しているとわかっているのに核燃料サイクルのプロジェクトは止めることができない。これから、数十兆円をつぎ込もうというとんでもない話になって行くのである。
今回の法律で、何の当てもなく、「県外」最終処分を約束するのはとても誠実とは言えない。これまでの自民党の前科を考えれば、30年間はあっという間に過ぎる。その後、毎年福島県に多額の資金を「迷惑料」として払い続ける。「嘘」をついたのだから「慰謝料」込みとならざるを得ない。今の沖縄のような不幸な状態を生み出す可能性が高いのである。
この法律の罪深さは、他にもある。「日本環境安全事業」という会社は、発がん性のある有害物質PCB(ポリ塩化ビフェニール)廃棄物を全国で処理する事業を行う特殊会社だが、この事業が終われば、この会社は廃止できる。しかし、それだと困る人がいる。この会社には環境省関係者ら3人が天下りしている。3つの天下りポストが一度になくなるのは官僚にとってはあってはならないことだ
。
もともとこの事業は、平成28年に終わることになっていたのだが、それをどんどん遅らせて、今年の6月には、平成34年以降にまで延ばすことに成功していた。そこに降って湧いた中間貯蔵問題。これを官僚が見逃すはずがない。PCBとは何の関係もないが、この事業を行えば、寿命は一気に30年後まで延びる。さらに、今回の法改正で、技術開発など、かなり広範囲に事業を拡大できる条文まで追加した。
政治家は30年後のことなどおかまいなし。官僚は30年後の自分たちの生活のことまで考える。何という皮肉だろう。
結局、何があっても官僚だけはしっかり焼け太りして行く。原発事故も官僚にかかれば利権拡大の絶好の機会なのだ。
『週刊現代』2014年10月25日号より
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