02. 2014年10月16日 13:58:43
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>日本国民の公的負担はもはや限界少子高齢化が止まらず、原発は止まり、経済成長がないのだから 当然、さらに、今後は増えると考えるのが普通 http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51915498.html 2014年10月14日23:03 アベノミクスを殺したエネルギー制約 日経平均は364円安で、1万5000円を割った。アベノミクスもいよいよ終わりだが、浜田宏一氏によると「アベノミクスの第1の矢(金融緩和)と第2の矢(財政政策)は予想以上の効果を発揮し、失業率やGDPギャップなど実質指標が全国的に改善している」そうだ。4〜6月期のGDP−7.1%は、消費増税による「ノイズ」だそうである。はたしてそうか。 上の図はJBpressでも紹介した鉱工業生産指数である。今年の初めから低下が続いており、消費増税とは無関係だ。8月になっても−1.5%と、回復の兆しはみえない。今年のGDPは、通年でゼロ成長に近いというのが大方の予想だ。GDPギャップ(潜在GDP−GDP)がほぼゼロに縮まったのは成長率が上がったからではなく、次の図のように潜在成長率が下がったからなのだ。
このように需要サイドからしか問題を見ないのが、浜田氏の世代の「どマクロ経済学」の特徴だ。たしかに大恐慌の時代には、資本が余って需要が不足していたので、財政政策で需要を追加するケインズ政策が機能した。戦後ずっと日本は、不景気=需要不足だと思ってきた。浜田氏は昨年1月に、こういっていた。 円高でエルピーダメモリがつぶれ、奇跡と言われた高度成長を担っていた輸出産業、ソニー、パナソニック、シャープなどが苦しんでいるのは、超円高のせいです。円高はドルに対して円の価値が高過ぎ、デフレはモノに対して貨幣の価値が高過ぎる。それを是正するには、他の要因も副次的には関係しますが、お金を刷って円の量を増やすのが第一歩です。 円高がすべての元凶だから、円安にすれば外需が増えて、すべて解決するはずだった。彼の助言どおり政府がお金を刷った結果、円安になったが輸出は増えず、輸入が大幅に増えてしまった。彼の予言とは逆に、「金融政策の大転換」で何も解決しなかったのだ。 経済が供給制約に直面し、潜在成長率の天井に突き当たると、それを超えて持続的に成長することはできない。いま日本経済のボトルネックは、原発を突然止めたことによるエネルギー制約である。LNGを毎年3兆円以上も余分に輸入して、GDPの0.5%の交易損失を出していることが、コストプッシュ・インフレをまねいているのだ。 だからもっとも即効性のある経済対策は、原発を正常化してエネルギー制約を取り除くことだ。そのためには、今の違法に止まっている原発を停止する手続き(具体的にはバックフィットについての原子力規制委員会規則)をつくり、ルールにもとづいて運転を許可すべきだ。供給のボトルネックを放置したまま、「第3の矢」やら「地方創生」を掲げても、成長率は戻らない。 http://agora-web.jp/archives/1616144.html 円はプラザ合意前の水準に戻った 池田 信夫 竹中平蔵氏が次のように主張している。 中小企業を対象とした日本商工会議所のアンケート調査では、多くの企業が1ドル=100〜105円が妥当と考えており、9月の円安は行きすぎだと考えているようです。私は、必ずしもそうは思っていません。
リーマンショック前の水準から判断すると、1ドル=110円というのは決して「行き過ぎた円安」とは言えないのです。リーマンショック前の株価最高値は約1万8000円(2007年)ですが、その年の平均為替レートは1ドル117.7円でした。 これは間違いである。経済学的には、為替レートの水準は実質実効レートでみるのが正しい。それによれば、図のように現在の円レートは(ドルとの比較では)リーマンショック前を下回り、プラザ合意前の1ドル=240円のころに近い。 名目為替レート(赤)と実質実効レート(青)
これをまだ高いとみるか安すぎるとみるかは諸説あろう。日本企業の国際競争力はプラザ合意の前より低下しているので、まだ下がるという見方もありうるが、それは竹中氏の考えているように株高をもたらすとは限らない。1ドル=110円以上の円安は、岩田一政氏もいうように自国窮乏化である。 竹中氏はマイルドなリフレ派だが、最近は金融緩和をいわなくなったようだ。彼のいっていたようにアベノミクスでデフレは終わり、需給ギャップは縮まったが、それは需要が増えたからではなく、供給が減ってコストが上がったからだ。ニューズウィークにも書いたように、コアCPIの上昇率はほぼエネルギー価格の上昇に見合っている。 消費者物価指数の推移
アベノミクスが失敗した最大の原因は、2009年以降、原油価格が2.5倍になる中で、民主党政権が原発を止めた上に、さらに円安誘導で輸入額を激増させたことだ。LNGの輸入額は震災前より毎年3兆円以上増え、GDPの0.5%を吹っ飛ばした。この供給制約で、日本は今年ほぼゼロ成長だ。それでも安倍政権は、原発に手もふれない。これが日本経済の混迷する最大の原因である。 池田 信夫 のほかの記事を読む http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NC7BVM6JTSE801.html 岩田元日銀副総裁:円安は「自国窮乏化」−08年と類似 9月22日(ブルームバーグ):元日本銀行副総裁の岩田一政日本経済研究センター理事長は、今の円安は行き過ぎとの見方を示した上で、現在の情勢は、円安が「自国窮乏化」につながり、景気後退に至った2008年前半に似ていると警鐘を鳴らした。 岩田氏は19日のインタビューで、「日本経済の全体のバランスを見て、ファンダメンタルズに近いレートと言われれば、1ドル=90−100円ではないか」と指摘。現在の水準は「円安方向にやや行き過ぎになっているのではないか。経済全体に与える影響もプラスとばかりは言えず、むしろネットでマイナスということもあり得る」と述べた。 19日の東京市場でドル円相場は109円台に乗せ、08年8月以来の水準までドル高円安が進んだ。日銀の黒田東彦総裁は同日、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に出席するため訪れたオーストラリアのケアンズで、「今の動き自体について何か大きな問題があるように思っていない」と述べた。 黒田総裁の円安容認論に対し、同じ元財務官の渡辺博史国際協力銀行(JBIC)総裁が同105円程度だった3日、「これ以上円安になること自体がどちらかというとマイナスになる産業が増えてきている感じがする」と述べた。 自国窮乏化の先例 岩田氏は「円安が進み、エネルギー価格も上昇ないし高止まりすると、交易条件は大幅に悪化する。企業の仕入れ価格は大きく上がるが販売価格はあまり上がらず、利潤が圧縮され賃金も抑制される」と指摘。その上で「実質所得の国外流出が輸出や生産、所得の増加といった効果を上回ると、経済全体として消費者の効用の水準は低下する」という。 それが実際に起きたのが08年前半。円相場は現在とほぼ同じ100円台後半から110円程度で推移。円安と原油価格高騰で消費者物価(生鮮食品を除くコアCPI)は上昇を続け、同年夏に前年比2.4%上昇とピークを付けた。そうした状況下で景気は08年2月に後退局面に入った。 岩田氏は「相対的に拡張的な金融政策と原油高騰の組み合わせで、08年前半は言ってみれば自国窮乏化の状態にあった。交易条件の悪化は、消費者からすれば産油国から増税されるのと同じだ。しかも、今年8月の景気動向指数の結果次第で、テクニカルな意味で景気後退と認定される可能性がある点も、08年前半との類似点の1つだ」という。 その上で、「今は幸い、地政学リスクがあるにもかかわらず、原油価格は落ち着いているので多少は救いだが、水準としては高いので、自国窮乏化のリスクが徐々に表れている」という。 消費増税はやるしかない 安倍首相は年内に来年10月の消費再増税の是非を決めるが、景気の低迷から延期論も浮上している。しかし、岩田氏は「今の税・社会保障制度を維持すると、政府債務のGDP比率はどうしても発散する。そういうことを考えると、やるしかないというのが私の見解だ」と語る。 岩田氏は日本経済は3つのリスクを抱えているという。1つはフィスカル・ドミナンス(財政支配)。「民間部門が国債をこれ以上買いたくないと思った時、それが始まる。それまでは中央銀行が長期金利をある程度コントロールできるが、それが外れてしまうと、デットのダイナミクスが金利を決めていくようになってしまう」という。 次が長期停滞。経済成長は労働投入、資本投入、全要素生産性の3つで成り立っているが、労働投入は中長期的にマイナス。「資本投入も良くてせいぜいゼロ。全要素生産性が現在の0.7%程度のままだと、われわれの標準予測では今後50年、平均してゼロ成長が続く」という。 岩田氏は「社会保障制度を改革しなければ、少子高齢化により、働く世代の税と社会保障の負担が増えていく。働く世代の貯蓄率は下がり、可処分所得は減る。そうすると1人当たりの実質消費水準も下がっていくが、それでもいいのか」と問い掛ける。 財政破綻 3つ目のリスクは、消費増税を見送った場合、まずフィスカル・ドミナンスが起き、それが財政破綻につながることだ。「いつ民間が国債を持ちたくないと思うか、1つのめどはネットの貯蓄だ。まだ国債の吸収余力は残っているが、あと10年か、最悪だと5年以内か」という。 さらに、「悪いショックを与えると、市場は期待で動くので、悪い方に流れると誰も止められない。消費増税は短期的に見れば明らかに景気にマイナスの影響があるが、財政破綻は欧州で現実に起こっており、日本も潜在的にそういうリスクを抱えている」という。 こうした状況を打破するのは財政政策でも金融政策でもないと岩田氏はいう。「長期的に実質消費水準が下がっていく事態をブレークスルーするのは成長戦略しかない。生産性を上げる一番大きな要因は開放経済だ。その点、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)が重要だし、投資で言えば法人税率引き下げだ」と強調。「ハードルは高いが、もしここでもたつけば、長期停滞の道を結果的に選択してしまう」と語った。 金融政策はほぼ限界 金融政策については「マネタリーベースを倍増する政策は技術的な意味で限界まで打ち出されたと思う」としながらも、需給ギャップの改善の遅れに加え、これまでの円安効果の剥落により、コアCPIは今後「1%を切る可能性がある。日銀は2%を物価の安定と位置付けているので、そういうリスクがあれば追加緩和をやるしかない」とみている。 岩田氏は、日銀が物価目標を達成するには「2年という期間は短すぎ、少なくとも5年はかかる」と指摘。「中央銀行が2%を目標にすると宣言したら、その途端に人々の期待が2%までジャンプするかというと、そうではない」とした上で、日銀は2年で達成するという目標を撤回し、5年程度の中期的な目標に修正すべきだとの見解を示した。 記事に関する記者への問い合わせ先:東京 日高正裕mhidaka@bloomberg.net;東京 藤岡 徹 tfujioka1@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先:Brett Millerbmiller30@bloomberg.net淡路毅, 谷合謙三 更新日時: 2014/09/22 11:55 JST
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