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雑感。特定秘密保護法の運用基準
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52663629.html
2014年10月14日 在野のアナリスト
今日も日経平均は下落、15000円を割れてきました。甘利経財担当相が「国際機関の世界経済の見通し悪化の影響」を日本がうけているとしますが、その見通しを最大に引き下げられたのが日本ですから、言葉を替えれば日本発の世界景気減速懸念、とも言えてしまいます。よく欧州の不透明感をもちだす人もいますが、これは日本も同じ。政府からは円安懸念が語られ、追加の金融緩和も打ちにくくなり、逆に政策対応という点では、不透明感も強くなっているのです。
特定秘密保護法の運用基準と、施行期日が12月10日と閣議決定されました。防衛、外交、特定有害活動の防止、テロ防止の4分野で、指定期間は30年、内閣の承認で60年にまで延長でき、さらなる延長も可能という、期間はあって無きが如し、といった内容です。運用基準の55項目も、曖昧で拡大解釈の余地があるとされ、時の政府の解釈次第という面が強いようです。
さらに独立公文書管理監も、審議官級とされるため、これは内閣保全監視委員会とともにほぼ内閣の意向を丸写しした判断を下すでしょう。また市民、記者もそそのかし、あおりたて、共謀があった場合は、懲役刑が課されます。結局、何がそそのかしなのか? という判断を下す側が、情報が洩れては困る側となっている以上、恣意的にすべて決まってしまう、ということでもあります。全般、時の政権にとって不都合な情報が、特定秘密になるという体なのでしょう。
やや気になるのは、保存期間を経過した文書の扱いで、法令や規定に基づいて廃棄、と決められている点です。つまり隠したい情報は、一定期間を経た後で閲覧、公表の申請をしてももうなくなっている可能性が高い。もしくは廃棄した、と抗弁できる。資料を隠蔽したければ、法令や規定を変更し、30年経たないうちに廃棄できるよう、設定しておけば済んでしまいます。
沖縄返還時の日米密約など、政府は隠したい、国民は知らなければならない情報は、この特定秘密保護法で覆い隠される。洩らした人間、報じた人間が、政府の恣意的な判断で罰せられる、という状況は極めて問題があります。それこそ原発など、危機管理ですら特定秘密になってしまう。今でさえ、政府のだす情報に歪みが感じられる中、情報が恣意的に扱われる懸念は常に付きまとう。例えば、冒頭の甘利氏など、本当にその程度の景気認識なのか? と疑わしくなります。幸い、経済分野に関しては特定秘密になりませんが、政府の真意を知ることはかなり困難になります。
ここに来て、甘利氏がフロマン米通商代表とのTPP交渉で、激怒したという話が洩れ伝わります。しかし大抵、こうした報道がでるときは日本が妥協する前兆とみた方がよく、厳しい交渉に挑んだが、国益の最大化を考えて今は妥協する、というアリバイ作りであることも多いものです。安倍政権が隠したい情報を、30年も隠しておける特定秘密保護法、何を保護したいのかをよく考えないと、それこそ間違った運用が容易にできてしまう点に、問題は集約されるのでしょうね。
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