★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK172 > 773.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
消えたアベノミクス  久保田 博幸
http://www.asyura2.com/14/senkyo172/msg/773.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 10 月 14 日 09:40:25: igsppGRN/E9PQ
 

消えたアベノミクス
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kubotahiroyuki/20141014-00039946/
2014年10月14日 8時25分 久保田 博幸 | 金融アナリスト


アベノミクスとは2012年11月の衆院解散後、安倍自民党総裁が輪転機発言などでリフレ政策を全面に打ち出したことでスタートした。ユーロ危機が後退しつつあるなかでの、国債を日銀が大量に買い込む政策が打ち出され、ヘッジファンドなどは絶好のタイミングとばかり、円売りと日本株買いを大量に仕掛けた。これを受けて急激な円高調整が入った。さらに政権交代による期待感も加わり、日経平均株価は上昇した。円高圧力の後退で、景気にも好影響を与えることとなり、物価も予想以上に上昇した。

安倍政権が打ち出したリフレ政策による円安株高とそれによる経済効果はアベノミクスと呼ばれた。そこに安倍政権は財政政策と成長戦略を加え三本の矢とした。ただし、その財政政策は補正予算によるものであり、成長戦略も名ばかりのものでしかなかった。ただし、最初の矢については安倍政権が任命した黒田日銀総裁により実現化する。2013年4月の決定会合で日銀は量的・質的緩和政策を決定した。  

2012年11月のアベノミクスの登場は日本の金融市場にとってはまさに奇襲攻撃に映った。円安株高という援軍を得て、デフレ脱却という目標に向かって邁進することになる。異次元緩和の登場のタイミングで物価が上昇し始めた。ある程度の物価上昇は予測されていたが、円安効果でそれが予想以上に上乗せされ消費者物価指数は2014年4月には前年比プラス1.5%程度まで上昇してきたのである。

ところが、2014年4月の消費増税あたりから様相がおかしくなり始めた。消費増税の影響を除いた物価が頭打ちとなってきたのである。円安の動きにブレーキがかかり、エネルギー価格の下落などが影響したとみられる。もし日銀の異次元緩和が人々の物価予想を引き上げるというのであれば、大規模な国債買入れが続き、日銀のバランスシートが膨らみ続ければ、何があろうと物価は上がるはずである。しかし、物価は途中まで調子よく上がったものの、目標値前で腰折れとなってしまった。

しかし、今年の9月から再び円安ドル高の動きが強まる。アベノミクスに再び神風が吹いた格好だが、ドル円が110円台に乗せたあたりから今度は円安への警戒論が強まってきた。そこに米国株式市場の大幅な調整が加わり、ドル円は下落基調となりつつある。神風は二度吹いたものの、二度目は風向きが怪しくなってきた。

すでに日銀には二度目のバズーカ砲は存在しない。一度目のバズーカも事前に安倍首相がアナウンスしており、市場へのインパクトとしては債券市場を乱高下させただけになった。二度目のバズーカは、もし威力のあるものにすると債券市場を破壊する。もしくは国債の信認を低下させ、日本のリスクを増大させ取り返しのつかないものにさせる可能性がある。小出しにして、いろいろなものの買入れをちょこちょこ打ち出すとしても、市場が納得できるようなものは打ち出せないであろう。

どうやらアベノミクスと呼ばれたものは自然に消滅しつつある。欧州を中心に景気の低迷が、世界に拡散されるリスクが出てきており、その兆候が商品価格の低迷などにも現れてきつつある。米国の景気はなんとか踏ん張っているが、米国経済が世界経済を牽引することも難しくなるのではなかろうか。新興国景気もここにきてやや暗雲が漂いつつある。このままアベノミクスが消滅すると、日銀による大量の国債買入れ作業が残るばかりとなる。それでなくても日米欧の長期金利が再び低下傾向にあり、これはリスク回避も示している。ここからの日本の長期金利の低下は国債バブルの最終局面となる可能性もありうるのではなかろうか。


 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. ひでしゃん 2014年10月14日 10:50:26 : dsqbUTCLpgzpY : l9iSwseQ8k
日本国債を買うものが日銀だけになる
日本円の価値が棄損されているとき国債の信任を維持することは出来ない
日本国債の暴落金利急騰で日本国民に深刻な打撃を与えることになる
異次元金融緩和というのは当初から指摘されていたように信頼を得る真面な政策ではなかったということである
始めからリスクを取ってでもという言い訳が用意されていたように記憶している

02. 2014年10月14日 10:58:46 : atxeyfN6Rs
アメリカの景気がいいと言うがそれは表面的なもので張り子のトラというか砂上の楼閣ではないだろうか。借金と株高で信用拡大したもので実際は中空洞のあやしいものだと思う。それこそバブルの典型ではないか。株価が下がればすぐにも破裂する。単にドルが基軸通貨として通用しているからできるイカサマだ。ドルの信頼が揺れている今長続きはするはずがない。お前もやれと言われて基軸通貨でもない日本が同じ事をやれば一遍に破綻するだろう。それは単にアメリカを助ける事でしかない。そして通貨のマジックを使えない日本がやれば貿易赤字の継続で経済は崩壊する。スタグフレーションの到来だ。そうでなければ経済の収縮だ。GDPは下がり続けるだろう。小泉が失われた十年とか言いながら失われた20年を作りまた安倍がにっちもさっちも行かない状況を作り出そうとしている。アメリカの言う事を聞いて良くなった国は一国もない。それが分かっていながら相変わらずアメリカの言う事を聞くとはバカと言う以外に無い。官僚も政治家もバカがそろっている証明だ。いやCIA朝鮮統一教会清和会が売国を意図的にやっているのかもしれない。本当に悪魔のように悪い奴らだ。

03. 2014年10月14日 11:01:23 : eObS6WrwWU
円安が何処まで進めばアベノミックスが消えるかを教えて欲しい.
1ドル120円までなら、まだ余裕がある.
円安で輸出競争力が増え、韓国・中国に対抗できる.

04. 2014年10月14日 11:06:45 : atxeyfN6Rs
>03
日本はすでに輸出立国では無いことをお忘れでは?

05. 日高見連邦共和国 2014年10月14日 12:32:16 : ZtjAE5Qu8buIw : mFuG9qQlTk

第3の矢に何の理念も具体性も無い時点で、アヘっノミクスは崩壊しています。

トルクダウンを謳った政策が、“ローカルアヘノミクス”なんて言ってる時点で論理破綻。

まともな精神ではとてもじゃないが“付き合ってられません”って!!


06. 2014年10月14日 16:07:59 : nJF6kGWndY

>安倍政権が打ち出したリフレ政策による円安株高とそれによる経済効果はアベノミクスと呼ばれた。そこに安倍政権は財政政策と成長戦略を加え三本の矢
>アベノミクスと呼ばれたものは自然に消滅

アホだね

アベノミクスとは経済効果ではなく、経済政策だ

そして肝心の第3の矢は別としてw

巨額の財政支出や、異次元緩和は続いている

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%99%E3%83%8E%E3%83%9F%E3%82%AF%E3%82%B9
アベノミクスとは、自由民主党の政治家・安倍晋三が第2次安倍内閣において掲げた、一連の経済政策に対して与えられた通称[1]。「アベノミックス[2]」「安倍ノミクス[3]」とも言う。安倍とエコノミクス(英: economics[† 1][† 2][4])を合わせた造語[5]。
「アベノミクス」「三本の矢」

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NDF7R26JIJUQ01.html
竹中元経財相:1ドル110円は行き過ぎた円安ではない

  10月14日(ブルームバーグ):小泉純一郎政権で経済財政政策担当相などを歴任した竹中平蔵慶応大教授は、為替相場が一時1ドル=110円と約6年ぶりの円安を記録し、経済への悪影響が指摘されていることについて、行き過ぎた円安ではないとの認識を示した。
竹中氏は14日のブルームバーグ・ニュースのインタビューで、「2−3年前まで円高であれだけ騒いでおいて、急に円安はけしからんという議論が出てくる。リーマンショック前の日本の円相場は120円近く。少なくとも行き過ぎた円安ではない」と語った。
為替水準については日本銀行の黒田東彦総裁が「円安が日本経済全体にとってマイナスになっているということはない」などと述べ、足下の円安水準を容認している。竹中氏は消費者物価をもとにした購買力平価を130円程度とし、黒田総裁に理解を示した。
円安が加速した場合の日本経済への影響については「コストが上がり、弱い企業が淘汰されるだろう。倒産しない方がよいが、競争力のない会社がゾンビのように生きながらえるのもよくない」と述べ、「実力に見合った円相場」が望ましいと指摘。一方で、70−80円のレベルは「明らかに実力に見合っていなかった」と振り返った。
社会保障なしで増税しても意味ない
竹中氏は消費税率の引き上げに対しては一貫して反対してきた。その理由について「消費税を上げても景気を悪くするだけ。今の社会保障を前提にすると、税率を30%以上にしても財政再建できない。社会保障改革をしないで増税をしても何の意味もない」と語った。
一方で、増税の先延ばしは「新たな法律を作って通すという大変なポリティカルキャピタル(政治的資本)を使うことになり、大変難しい」と指摘。その上で「民主党政権がつくった負の遺産と割り切って甘受し、その分、政治的資本を改革に向けるべきだ」と述べた。
安倍晋三首相は12月にも来年10月からの消費税率2%引き上げの是非を判断する見通し。市場では追加歳出を伴う経済対策や追加の金融緩和への期待が高まっている。これに対し、竹中氏は「1番正当な方法は、改革によって長期の期待成長率を高めれることだ。そうすれば、お金も入り、株価も上がる」との考えを示した。
国債をもっと買えばよい
次善の策として、日銀による追加緩和を挙げ、「12月の消費増税判断のタイミングもあり得る」と予想。具体策については「日銀の政策は単純明快、市場から資産を買うことだ。もっと国債を買えばよい。その次に投資信託や不動産投資信託(REIT)が入ってくる。それを市場の状況を見ながらやるだけだ」と語った。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 下土井京子 kshimodoi@bloomberg.net;東京 氏兼敬子 kujikane@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Brett Miller bmiller30@bloomberg.net淡路毅, 浅井秀樹
更新日時: 2014/10/14 15:52 JST


07. 罵愚 2014年10月14日 16:12:07 : /bmsqcIot4voM : hFjIjkhzhj
 経済は生きものだから2年前の政策が妥当だとはかぎらない。現実にあわせて修正する必要はあるのだが、問題は民主党がすんなりとそれを許すかどうかだな。日本経済より党利党略を優先する在日日本人集団の存在こそが、この国のガンなのでは…

08. 佐助 2014年10月14日 16:49:53 : YZ1JBFFO77mpI : WBNBGXIFfM
アベノミクスの命は1年で賞味期限が切れました

1929〜32年に姿を現した第一次世界金融大恐慌は世界通貨のポンドからドルへの移行が根因。 2007〜10年にスタートした第二次世界金融大恐慌は、ドル一極からユーロ・円三極への移行が根因。 消費税増税と円安で2014年から一年半、物価が上昇し景気が下降するスタグフレーションを経験する。そして、株価が十分の一になり、物価も雇用も三分の一になる2016年前後を体験することになる。

それなのに政府大王は人民に我慢を強制するだけで、金持ちのかまどの煙しか気にする様子がない。「政府は貧乏人には我慢、金持ちには借金棒引き救済では、回復する時間を長期化させる」貧乏人の我慢とは、自己破産のハードルを高くし、生活保護を減額し、増税することである。

そのために,あらゆる経済指数(生産・販売・雇用・投資・貿易)が三分の一以下に激減する世界的金融大恐慌の影響から逃れることはできない。人間がパニックに巻き込まれ財産を失うのも、ムズムズ(機会損失)の心理法則に支配されるためだ。

それは無税の商品を買う人と、バーゲン会場で先を争う消費者は、ムズムズの法則によって「買わなければ損する」と考え、「買わない方が得する」とは考えない。ニュートンやケインズなどの冷静な科学者やエコノミストたちも、このムズムズを抑えられず、ムズムズに巻き込まれた。金融商品でも日常生活商品でも、この機会損失の心理が、上昇すれば永遠に上がり、下降すれば永遠に下がるという脅迫心理とペアになり、投機の底無し沼から脱出できない。そのため、破産が避けられなくなるのだ! 政府は年金で心理壁を築いてもライブドアショックのように売り一色になるとどうにもならなくなる,さらに追い打ちをかけられると、逃げ足が速くパニックになる。

1929年10月25日、暗黒の木曜日を迎えた。しかし、ソ連の世界景気予測研究所のヴァルガ博士さえ、米国はスグに株価も景気も回復すると断言した。だから、この日を運命の節目になるなどと予想した人はいない。しかもモルガン商会は何度も買い支え、何度も反発させることに成功した。だが、買い支えがモルガン商会だけになると、自分が破産することを避けるために、買い支えを諦めざるをえなかった。

ヒトは「予期されない出来事」に遭遇すると思考が停止し、死を連想するため、逃走パニックを発生させるので、売り一色となるのだ。かくて、国家予算の二倍もの150兆円の個人資産は、山頂から崩落する溶岩のように、一気に流出する。間違いない


09. 2014年10月14日 16:58:47 : nJF6kGWndY
>>08 買い支えがモルガン商会だけになると、自分が破産することを避けるために、買い支えを諦めざるをえなかった

リーマン後のように、FRBが買い支えていれば、こうはならなかっただろうな


そして日銀が、今後、どう判断し、動くかが、日本の国債・株・通貨市場の動向を大きく左右することになる


http://bizacademy.nikkei.co.jp/culture/suisui_keizai/article.aspx?id=MMACl6000010102014
なぜ日銀の景気観測は甘いのか?
2014/10/14
 7日に行われた金融政策決定会合で、日銀は全員一致で異次元緩和の継続を決めました。さらに黒田総裁は、国内景気について「緩やかな回復を続けている」と述べました。
 私は、このような日銀の景気判断は少し甘いのではないかと感じています。景気指標や私が経営コンサルタントとしてお客さま企業を見ている実感では、緩やかな回復どころか、踊り場から後退局面にさしかかっている可能性も低くないのではないかと思うのです。
 国際通貨基金(IMF)も7日に発表した世界経済見通しで、今年の日本の経済成長率予想を7月時点の1.6%から0.7ポイント引き下げ0.9%とし、先進国の中で最も大きく下方修正しました。
 ただ、日銀の立場では、仮にそうした景気動向が分かっていたとしても、発表することはできないでしょう。「期待インフレ率」を押し上げるためにも、極力ネガティブな発言は避けたいのではないかと私は思っています。
 今回は、日銀の景気見通しと実際の指標とを見比べた上で、日銀の思惑について私なりの意見を述べたいと思います。
本当に景気は回復しているのか?
 7日に日銀が発表した「当面の金融政策運営について」を参照しながら話を進めます。
 日銀は最近の景気について「わが国の景気は、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動などの影響から生産面を中心に弱めの動きがみられているが、基調的には緩やかな回復を続けている」と、比較的前向きな見解を示しました。
 まず、生産面の動きを見ると、日銀のコメント通り、弱めの動きが読み取れます。「鉱工業指数」を見ると、明らかに弱めに推移しています。
>> 製造業は減速しはじめている
製造業は減速しはじめている
 「鉱工業指数 生産指数(季調)」を見てください。消費増税前の3月には102.2まで上昇していましたが、4月は99.3まで減少しました。これは、大方の予想通り、駆け込み需要の反動が出たためです。そして5月は100.0に戻し、政府関係者をはじめ多くの人が期待したように「増税の影響は軽微だった」と言える数字が出ました。

 ところが、その後、期待に反し、6月は96.6、7月は97.0、8月は95.5(※速報値)と、大きく落ち込んでしまったのです。8月は大雨などの天候不順の影響も出たと思われますが、いずれにしても落ち込んでいるのです。
 ちなみに、鉱工業指数は2010年を100として指数化したものです。この年は、世界同時不況からようやく底を打ち始めた頃で、景気が落ち込んでいた時期でした。この点を考えると、8月の生産指数95.5という数字は、大不況直後の水準より下回っているということです。
 もう一つ注意したいのは、「製品在庫(前年比)」の数字です。5月から前年比でプラスに転じ、月を追うごとに増加していき、8月には前年比4.7%(※速報値)となっていますね。出荷に対する在庫の比率を示す「製品在庫率指数」も、5月以降は増加傾向が続き、8月は118.4(※速報値)まで跳ね上がっています。
 つまり、生産を減らしているにも関わらず、在庫がはけずに積み上がっているというわけです。生産が減っているにも関わらず、在庫が増加しているのは最悪なパターンです。
 このうち天候不順の影響がどれだけを占めているかは、9月以降の数字もあわせて見なければ分かりませんが、国内の製造業全体のパフォーマンスが悪化しつつあることは間違いありません。
>> 消費増税の影響は、政府の見解より深刻なのではない...
消費増税の影響は、政府の見解より深刻なのではないか
 さらにいくつか、日銀の景気判断が少し甘いのではないかと感じる部分があります。
 例えば、消費の動向です。先ほどの資料には、「個人消費は、雇用・所得環境が着実に改善するもとで、基調的に底堅く推移しており、駆け込み需要の反動の影響は、ばらつきを伴いつつも全体として和らいできている」と書いてありますが、ここも少し微妙なところではないかと感じます。

 確かに、有効求人倍率が1.10倍まで上がり、現金給与総額も前年比で1.4%増(8月、速報値)となっており、雇用や給与は改善しています。しかし、「消費支出2人以上世帯」を見ますと、4月以降はずっと前年比マイナスの数字が続いています。それも落ち込み幅が結構大きいと言えます。いつも説明しているように、個人消費(家計の支出)はGDPの55%強を支える最重要な要素ですので、ここが弱ければ、景気が失速する可能性が高まります。
 さらに日銀は「先行きのわが国経済については、緩やかな回復基調を続け、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動などの影響も次第に和らいでいくとみられる」との見方を示していますが、私はもう少し悲観的に考えています。
 その理由は、給与の上昇率が、物価の上昇率をカバーし切れていないからです。
>> 物価上昇率約3%には追いついていない
物価上昇率約3%には追いついていない
 「消費者物価指数(前年比)」は、消費増税の影響もあり、3%台まで上昇しました。

 その一方で、一人あたりの給与の平均を示す「現金給与総額」は、3月以降、前年比1%弱の増加幅で推移しています。7月は賞与が増えたことで同2.4%まで回復しましたが、所定内給与はあまり伸びなかったことから、先にも述べたように8月は同1.4%(※速報値)となりました。
 つまり、給与は確かに前年比で1%程度増えているのですが、それでも物価上昇率約3%には追いついていないのです。実質所得は減少しているわけですから、当然、消費にも影響します。この状態で景気の回復基調が強まるとは思えません。
 それどころか、8月から進んでいる円安の影響で、今後は輸入物価が上がりはじめる可能性があります。そうなると、消費者物価も押し上げられますから、消費がますます冷え込んでしまう恐れがあるのです。
 この点は、冒頭でも触れましたが、企業が生産を落としている原因にも繋がっているのではないかと思います。つまり、国内景気の先行きに確信を持てないでいるのです。
>> 日銀は景気についてネガティブな発言ができない理由...
日銀は景気についてネガティブな発言ができない理由がある
 以上のことから、日銀の景気判断は一部楽観的であると言わざるを得ません。ただ、彼らの立場を考えると、前向きな見方を示さなければならない事情も分かるのです。
 もし、日銀が「消費増税後、消費が落ち込んでおり、この先の景気にも不安がある」と言ってしまったら、当然、物価の先行き期待である「期待インフレ率」が落ち始め、それにより、消費や投資心理が冷え、再びデフレに陥ってしまう恐れがあります。
 期待インフレ率が高まるほど、企業は設備投資を先にしようとしますし、消費者も「値上がりする前にモノを買った方が得だ」と考えますから、物価を押し上げると考えられています。その結果、景気が上昇する可能性も生まれます。ですから、期待インフレ率を高めるということは、デフレから脱却しはじめている現状、とても大切なことなのです。
 一方、欧州では消費者物価が前年比0.3%まで落ち込み、低インフレからデフレに突入するのではないかとの懸念が広がっています。
 ですから、日銀は「増税の影響はそれほどないし、これから景気はよくなりますから、今のうちにもっとモノを買っておくといいですよ」と言い続けたいのです。そして、そうして多くの人や企業がものを買うと、物価も上がり、景気も拡大するのです。つまり、心理に訴えかけているのです。
 もう一つ、今のうちに企業に景気回復をアピールしておきたい思惑があります。あと数カ月後から、3月期決算の会社は来年度の予算を立てはじめます。そこで国内景気が減速する可能性が高いという予想だと、設備投資計画や製造計画、人員計画を絞ろうとするでしょう。
 すると、余計に景気が減速しやすくなってしまいます。この点も含めて、日銀は、現状では是が非でも「景気は回復する」と主張したいのです。
>> 実際のところ、今後の景気はどうなる?
実際のところ、今後の景気はどうなる?
 実際のところ、これからの景気はどのように動いていくのでしょうか。これまでも説明してきたように、国内の消費は、日銀の思惑に反して回復しにくい状況が続くと私は考えています。
 円安に振れていることで、貿易収支も改善しにくくなると思います。特に冬場は、ただでさえエネルギー資源の輸入が増えて、貿易赤字、ひいては経常赤字に陥りやすい傾向がありますから、これから厳しい状況が続くのではないでしょうか。
 さらに、世界経済にも暗雲が立ちこめています。欧州とアジアのGDPを見渡しますと、減速しはじめていることが分かります。

 今年4−6月期のGDP成長率を見ますと、欧州ではドイツ、フランス、イタリアがマイナス成長に転じ、ユーロ圏全体も減速傾向が続いています。

 アジアも同様で、中国のGDP成長率がじわじわと低下傾向で、周辺諸国もそれに伴って減速してきていることが分かります。
>> 米国の好景気だけで世界経済を牽引できるのか?
米国の好景気だけで世界経済を牽引できるのか
 唯一好調なのは、米国です。4−6月の四半期の成長率は4.6%と大幅に伸びました。
 しかし、米国の好景気だけで、世界経済を牽引することは可能なのでしょうか。ここは微妙なところだと思います。米国のGDPは、およそ16兆ドル強。それに対し、世界全体のGDPは70兆ドル強と言われています。つまり、米国のGDPは世界全体の約23%を占めているということになります。
 この点を考えますと、米国経済が世界経済を牽引できないというわけではありません。ただ、これまで世界経済を底支えしていた中国経済が減速している影響も小さくはありません。特に、同国では不動産価格が下がり始めており、バブル崩壊の前兆ではないかとの見方もあります。
 さらには、欧州も低インフレ・低成長にあえいでいます。このように、米国以外の地域が不調だということを考えますと、この先の世界経済および日本経済は、厳しい状況がしばらく続くと私は考えています。
 こうした中で、政府はどのような経済政策を打ち出すのでしょうか。今年末には、異次元緩和の出口戦略も考えはじめなければなりません。期待インフレ率を高めるために、甘めの見通しを発表することは仕方ないと思いますが、そろそろ正確な景気判断が要求されるでしょう。今後の日銀の発言、そして彼らの打ち出す政策には注意が必要です。(つづく)
>> 本連載は、BizCOLLEGEのコンテンツを転載したものです
◇   ◇   ◇
小宮一慶(こみや・かずよし)

経営コンサルタント。小宮コンサルタンツ代表。十数社の非常勤取締役や監査役も務める。1957年、大阪府堺市生まれ。81年京都大学法学部卒業。東京銀行に入行。84年から2年間、米国ダートマス大学エイモスタック経営大学院に留学。MBA取得。主な著書に、『ビジネスマンのための「発見力」養成講座』『ビジネスマンのための「数字力」養成講座』(以上、ディスカバー21)、『日経新聞の「本当の読み方」がわかる本』、『日経新聞の数字がわかる本』(日経BP社)他多数。最新刊『ハニカム式 日経新聞1週間ワークブック』(日経BP社)――絶賛発売中!
小宮コンサルタンツ facebookページ:
http://www.facebook.com/komiyaconsultants



10. 反イルミナティー主義 2014年10月14日 17:28:26 : c/WVv5CaliQ7M : cs7Uzkezsw
>>07
お前のようにアへやケケ中のやっている
シロアリユダ米を肥え肥らせる
売国政策のケツモチをやっている
珍走団よりタチの悪い似非ウヨこそ消えろ!!

[12削除理由]:管理人:言葉使い
11. 2014年10月14日 19:28:20 : RCbun4ZBTg

 アベノミクスの要点は お金を印刷することだ

 アメリカでは リーマンショックの後 QE1,2,3によって
 大量のお金を印刷し続けて 5年以上が経過する
 
 つまり アベノミクスによる 日銀のお金の大量印刷は5年以上続くだろう
 2020年までは この調子でいくと考えて良い

 ===

 その結果 400兆円が印刷されて 今の借金の1100兆円と足したら
 1500兆円の個人資産と同額になるわけで 

 後5年後には 日本人の個人資産は 蒸発することになる
 
 ===

 5年後は ガラガラぽんとなるわけで 預金(現金資産)が消えることになる
 現実には今でも3分の2は消えてるのだが はっきり意識出来る人はいない

 つまり 金が消えて残るのは 不動産や株式ということだから
 今の内に 値下がりしない優良な不動産や株式を買うことだ
 
 ほとんどのウヨは 買う金がないのだから そのままでよろしいよ〜〜〜
 


12. 2014年10月14日 19:50:42 : z35BEbaCbk
アベノミクスってのは異次元政策と言っていたんだから、その名の通り、この世の出来事ではなく、すべて異次元へ消え去ったんだろう。

13. 2014年10月15日 11:47:52 : HNFCdAY692
消えたアベノミクスで証拠金を融かさないうちにリスク回避したほうがいいカモ。

ダウ続落しても騙すゴミあるから気をつけてね。



  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。) ★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
  削除対象コメントを見つけたら「管理人に報告する?」をクリックお願いします。24時間程度で確認し違反が確認できたものは全て削除します。 最新投稿・コメント全文リスト

▲上へ      ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK172掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
政治・選挙・NHK172掲示板  
次へ