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さっそく受賞者に電話のアピール/(C)日刊ゲンダイ
ノーベル賞便乗の安倍首相 研究者の意欲削ぐ「特許改革」画策
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/153961
2014年10月9日 日刊ゲンダイ
久々の「明るいニュース」に日本中が沸いた。実用的な青色発光ダイオード(LED)を開発した赤崎勇名城大教授(85)と天野浩名古屋大教授(54)、中村修二米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授(60)の3人のノーベル物理学賞受賞である。例によって、メディアは「日本の誇り」とお祭り騒ぎ。安倍首相もさっそく、赤崎教授に電話して、「日本人みんなが誇りに思い、喜んでいる」とパフォーマンスを見せた。
下村文科相も省内で取材に応じ、「日本らしい、環境を考えた発明を世界が評価した。日本人として誇らしい」「一気に3人というのは想定外。本当に素晴らしい」と興奮気味に話していたが、ジャーナリストの山田順氏は「日本人3人が受賞と騒いでいるのは、日本国内だけですよ」と、こう言う。
「ノーベル賞のサイトでは、米国籍の中村教授は“American citizen”と紹介されています。W杯やオリンピックもそうですが、日本人は内容よりも、血のつながりによって功績を称える傾向がある。こういう発想は、ともするとナショナリズムに結びつきやすい。相変わらずのムラ社会だと感じます」
たしかに、海外メディアの報道では「2 Japanese, 1 American win Nobel Prize for LED lights(日本人2人と米国人1人がLEDでノーベル賞を受賞)」と書かれている。日本メディアがことさら「日本人3人」と強調するのは違和感がある。
そのうえ、安倍首相は受賞に便乗し、「わが国の学術研究の水準の高さと人材こそが、日本が世界に誇る最大の資源だ」「わが国が『世界で最もイノベーションに適した国』になるよう目指していく」とのコメントを発表した。利用できるものは何でも使うのが厚顔・安倍首相の政治手法とはいえ、こういうことで「国」を強調し、「誇り」を押し付けるのは、悪ノリと言うしかない。
■来年の通常国会に法案提出
だいたい、安倍政権が成長戦略の柱に据えていた「科学技術立国」は、理研の騒動以来、すっかりナリを潜めていた。今国会の所信表明には一言も出てこなかったし、それどころか、安倍政権は、研究者の意欲を奪うような施策を進めている。社員が仕事で発明した特許は「社員のもの」とする特許法の規定を改め、無条件で「企業のもの」にする特許法改正案を来年の通常国会に提出する予定だ。この政権は、どこまでも企業のカネ儲けが優先なのである。
「経済界の強い要請があったのでしょうが、科学技術立国の理念に逆行しています。優秀な人にきちんと報いなければ、どんどん人材が海外に流出してしまう。中村教授だって、それで米国に行ってしまったんじゃないですか」(山田順氏=前出)
研究者のインセンティブが失われれば、科学技術立国なんて望むべくもない。取ってつけた「世界で最もイノベーションに適した国」なんて、ちゃんちゃらおかしいのだ。
今回の受賞では、安倍政権の“便乗政治”と舌先三寸もあからさまになった。ノーベル賞の影である。
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