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時代の流れの中で、アメリカはもう日本を重要視していない。
アメリカはもう、日本を守る理由など持ち合わせていない
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2014年10月8日 Darkness - ダークネス
戦後の日本が経済復興できたのは、アメリカが日本を共産主義化するのを避けるために、自国市場を開放したからである。
当時、ソビエト社会主義共和国連邦が強大に台頭しつつあって、アメリカと敵対化していた。アメリカの敵は「共産主義者」だった。日本が敗戦した後、ソ連に飲み込まれて共産化してしまうと再び日本はアメリカの敵となる。
だから、アメリカは日本を共産化させないために自国市場を開放し、日本を立ち直らせて共産主義の防波堤とすることにしたのである。
アメリカはその後、朝鮮戦争を戦い、ベトナム戦争を戦ったが、これらも「共産主義を放置すれば世界が次々と共産化してアメリカの敵になる」というドミノ理論に支えられたものだった。
事実、東南アジアではベトナムが共産化し、ラオスやカンボジアも、次々と共産主義に落ちていった。
今でこそ共産主義は破綻した「理想主義」思想として、世の中の嘲笑の的になっているが、1950年代から1980年代までは共産主義は民主主義陣営にとって大きな脅威だったのである。
■ソ連が崩壊して、日米同盟の役割は終った
アメリカがソ連と直接的な軍事対立をしなかったのは、両国共に核兵器を大量に保有していて、直接的にぶつかると間違いなく第三次世界大戦となって核爆弾が飛び交うことになる可能性があったからだ。
そのために朝鮮戦争やベトナム戦争は米ソの「代理戦争」と呼ばれていたが、直接的に軍事対立がなくても共産主義国家と自由主義国家は激しく対立していた。この緊張関係を「冷戦」と人々は呼んだ。
グローバルな目で見ると、日本の経済的な繁栄は、まさに「冷戦」の構図の中で生まれ、育ってきた。アメリカが日本を敗戦のガレキの山から引き上げ、日本に自由をもたらした。
日本の経済発展はアメリカが予期していた以上にうまくいくようになり、1980年代になると、経済規模ではアメリカを脅かすようになっていった。
アメリカは1975年にベトナム戦争に負けて、敗戦ショックで経済停滞が長く続いたが、日本はひとり経済成長を謳歌しており、1985年からはバブル経済に突入してアメリカ中を買い漁るような時代になった。
ところが、時代は変わった。
1991年12月25日、ソビエト連邦は崩壊し、アメリカとの冷戦は事実上終結することになった。もうアメリカは共産主義の脅威と戦う必要性もなくなり、しかもそんな体力も失っていた。
そして、どうなったのか。アメリカはもう日本を繁栄させ、防衛する必要性をなくしたのである。むしろ、想定以上に豊かになった日本は、アメリカの「経済的な敵」になりつつあった。
だから、日米同盟は1991年の冷戦終結で、ひとまず役割を終えたと考えることもできる。冷戦のために必要だった日米同盟は冷戦が終わって意義を喪失した。
■アメリカは、日本から静かに離れていった
冷戦が終わって、日米関係も変わったのだ。
表面的にはまだ日米同盟は続いているのだが、日本が1991年以降も変わらずアメリカに忠誠を誓っているのとは裏腹に、アメリカの方は日本から静かに離れようとしつつあった。
1990年代以降、鉄鋼、半導体、自動車、造船の分野で、アメリカはしばしば日本企業に懲罰的な賠償金の支払いを求めた。
こうした姿勢からも、日本はもうアメリカが日本を潜在的な経済敵国として見るようになったのを日本人は感じ取っていたが、それでも日本人の多くはアメリカが密接な同盟国であると信じて疑わなかった。
しかし、2000年代に入ってからアメリカは日本をまるで存在しないかのように放置して、資本主義の仲間入りをした中国に傾倒するようになった。
中国は巨大な人口を抱えている。この国が民主化されて経済成長していけば、アメリカは巨大な市場を手に入れることになる。
別に難しい理屈ではない。中国人がみんなコカコーラを飲み、マクドナルドを食べることになったら、いきなり13億人分の需要が見込めるのである。
アメリカの多国籍企業がその「巨大な儲け」をみすみす逃すわけがなく、アメリカは前のめりに中国に深入りするようになっていった。
振り返って日本を見れば、人口は1億2000万人で中国の10分の1ほど、しかも超少子高齢化で人口が減少し、購買力も低下していくのは分かりきっている。
現実的な目で見ると、日本は「おいしい市場」ではなくなった。
アメリカが日本よりも中国に賭けた方が「儲かる」と考えても、奇異な話でも根拠のない話でもない。日本と中国のどちらに賭けた方が儲かる確率が高いかと考えると、ビジネスに関わる人間であれば、誰もが中国だと答えるだろう。
■アメリカはもうとっくの昔に日本を捨てている
かくして、アメリカの目は中国に向き、日本はアメリカに見捨てられた。冷戦が終わった1991年からアメリカの本格的な「日本離れ」は始まり、中国の経済躍進で「日本離れ」は加速した。
そして、2008年にはリーマン・ショックが起きてアメリカ経済は崩壊の危機に瀕したが、それによってますますアメリカは日本から離れていくことになった。
日本は世界第三位の経済大国にも関わらず、いまだ軍事はアメリカに負担させて自国を自国の軍隊で守ろうとしない国家でもある。
アメリカが経済的に余裕があればそれでよかったが、すでにアメリカはリーマン・ショックでガタガタになっていくと、アメリカはもうそんな余裕すらも失っていった。
2013年9月10日には、オバマ大統領が「米国は世界の警察官ではないとの考えに同意する」と宣言したが、世界を守るような金のかかるようなことはできなくなってしまったのだ。
アメリカは中東で親米政権が次々と倒れるのも座視した。シリア攻撃も、イラン攻撃もしなかった。
最近、超テロリスト集団のイスラム国(IS)に空爆をするようになったが、これは単にアメリカ人が公開処刑されたために報復しているだけだ。中には、中間選挙向けのポーズで渋々行っていると皮肉に分析する人も多い。
冷静に見れば、今後、中国が尖閣諸島を獲りに来ても、沖縄を獲りに来ても、あるいは韓国が対馬を獲りに来ても、アメリカは何もしないということでもある。
アメリカはもう、日本を守る理由を持ち合わせていない。アメリカはもうとっくの昔に日本を捨てている。日本に何があってもアメリカは守ってくれない。
アメリカが日本を見捨てているという客観的事実は、すべての日本人が共有すべき事実であるはずだ。そこが認識できると、やっと日本が今「丸裸」で狼の群れの中にいる現状が見えるはずだ。
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