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作詞家としてもヒット曲多数/(C)日刊ゲンダイ
反原発で闘う湯川れい子氏「女性閣僚?誰でもいいってもんじゃありません」
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/153837
2014年10月6日 日刊ゲンダイ
臨時国会が始まったが、安倍首相が強調したのが「女性が活躍する社会」である。女性閣僚を5人登用、ニューヨークでもアピールしていたが、さて当の女性は、そんな付け焼き刃の“ウイメノミクス”をどう見るか。今年2月の都知事選では小泉純一郎元首相とともに細川護煕元首相を応援、反原発の活動でも知られる湯川れい子さん(78)の目は冷徹だ。
――安倍さんは女性閣僚を5人に増やしたことをPRしていますが、顔ぶれを見て、どんな感想をお持ちですか。
女性なら誰でもいいってもんじゃありません。でも、今の安倍さんがやろうとしていらっしゃる政治にとっては、強い味方たちなんじゃないでしょうか。
――「日本を取り戻す」というか、戦後レジームの転換、という意味ですね。
そうですね。憲法96条の改正、集団的自衛権の行使容認、特定秘密保護法案、原発の再稼働、いずれもそうですけど、それを肯定する女性たちが、そんなにたくさんいらっしゃるとは思えません。
――だから、ああいうメンバーが選ばれたのでしょうが、果たして、自分の判断で肯定しているのか、それとも“イエスマン”なのか。
経産相として原発を担当する小渕優子さんは、川内原発について、「原子力規制委員会の世界一厳しい条件をクリアした安全なものは、国の指針として当然動かします」とおっしゃっています。小渕さんは原発をずっと勉強されてきたのでしょうか。小泉元首相は「原発は安全だ、安全だと言われてきたのでそう思っていたらとんでもなかった」とおっしゃっています。経産省の優秀なキャリア官僚が、<日本にある54基の原発を廃棄するには40年かかる。廃炉費用は1基1兆円だ。デフレ下でそんなことはできない>と言えば、「安全なものは動かすしかない」と思ってしまいます。でも、勉強すれば、命としてこのおかしさはわかるはずです。私が原子力関係の委員会にいた1999年に東海村の臨界事故が起きました。だから、一生懸命、勉強したんです。日本は小指の先ほどの小さな火山島に、4本ものプレートが入り込んでいる地震国です。日本学術会議は、日本にはどうやっても原発の廃棄物を捨てる方法はありません、という結論を出しています。
――ふつうの感覚であれば、再稼働に疑問を持ちますよね。
80年代の終わりに男女共同参画ということになって、原子力の平和利用を考える審議会にも女性を入れることになったんです。24、25人の会に3、4人ですから5分の1くらいですか。私も入れていただいたのですが、なんでもいいから、世間で活躍している女性を集めたという感じでした。私も含めて、原子力がわかっている人なんていませんでしたから。女性閣僚の登用も、そんな感じを受けています。
――単なる数合わせ?
というか…、たまたま今の時代、女性が必要だから。それで支持率も上がりましたし。
反原発で闘う湯川れい子氏「日本の芸能界は反原発では食べていけません」
都知事選で細川・小泉両元首相を支援/(C)日刊ゲンダイ
――ただ、亡くなった忌野清志郎さんの反戦、反原発の歌がネットで再び火が付いたりもしている。
彼の反戦の歌は、当時、レコード会社から発売できなかったんです。彼はそういう環境下でモノを言ってきた本当に数少ない人でした。だから、彼が残したメッセージがいかに正しかったか。今になって「そのとおりだ」って思う人が出てきた。日本ではロックシンガーとしてモノを言う人もなかなかいません。いまは、長渕剛さんが、唯一「原発はやめろ!」と言っています。彼はムキムキマンの裸の体に日の丸を背負うような右寄りの人だけど、「あの美しい東シナ海の故郷を思う時、川内の原発を動かすことは、俺には許せねえ!」って、感性で言っている。ちょうど1年ぐらい前ですか、サザンの(中韓との関係改善を歌詞にした)「ピースとハイライト」もすごく勇気がいることでした。もっともっと大ヒットしてほしかったけど、TSUNAMIのようにはならなかった。
――米国などではアーティストが積極的に政治的発言をしますよね。なぜ、日本はそうはならないのでしょうか。
日本の芸能はあくまでもこの日本という、小さな島の国民の娯楽です。癒やしですから、世の中に逆らったら、存在できないマーケットだと思います。
――米国は違う?
米国は多民族によるデモクラシーの国ですから。アーティストも大統領選挙に関わってきます。小さい時からディベートで鍛えられているし、当たり前のように政治的な発言もする。それに対して、日本は芸能の在り方が違うんですね。日常の忙しさを忘れるために木戸銭を払って歌を聴きに来る。そんなお客さんがほとんどです。そこで、政治的な発言をしたら、みんなが引いちゃうようなところがある。向こうの歌にはプロテストソングとか政治に批判的なものが伝統としてある。でも、日本の大衆は芸能を見て、昨日の憂さを晴らし、疲れを取って、夢を見たい。そういうことを求めているんだと思います。AKB48とか。
――だとすると、市民運動が盛り上がらないことにも重なってくるような気がします。
そうですね。どうしても島国ですね。私なんか、この美しい島国がどうやったら安全に生き残れるのか。それしか考えていません。そのためにはたとえ苦しくても、絶対に原発を動かして欲しくありません。
▽ゆかわ・れいこ 1936年、東京生まれ。音楽評論家。作詞家としても「涙の太陽」「ランナウェイ」などヒット曲多数。環境、平和、原発などでボランティア活動を積極的に行っている。09年に他界した忌野清志郎が湯川さんに宛てた手紙と〈軍隊を持ちたい政治家がTVででかい事を言い始めてる。国民を馬鹿にして戦争に駆り立てる。自分は安全なところで偉そうにしているだけ〉という文章が評判になった。
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