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第20回国防軍反対デモの全景。参加者は45人とのこと。潔い実数発表だ(写真:産経新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141005-00000541-san-pol
産経新聞 10月5日(日)20時0分配信
暑からず寒からず絶好のデモ日和となった9月27日、記念すべき第20回国防軍反対デモが東京・新宿で行われた。野党時代の自民党が発表した憲法改正草案には国防軍の創設が盛り込まれているが、その自民党が総選挙を経て与党に返り咲いた平成24年12月以来、ほぼ毎月ペースで地道にデモが続けられている。昨年9月の第10回デモを見学して以来、久しぶりに密着ルポを敢行することにした。(溝上健良)
■前進あるのみ
過日、小紙「話題の本」コーナーで辛坊治郎著『冒険訓』(光文社)という本を紹介した。辛坊氏がヨットで遭難・生還してから初の著書で、これは売れるだろうと踏んでの紹介だったが、驚いたことに紙面で掲載した当日に、辛坊氏がラジオ番組でその書評を取り上げていた。「溝上?…これ、何て読むのかな…さんが『冒険訓』を『話題の本』で紹介してくれているんです。私これまでに十何冊、本を出しているんですが、新聞がこうやって取り上げてくれたのは初めてです」「ありがとうございます! 感謝感激、雨あられ」。筆者としても記事が公共の電波で感謝されたのは初の体験だった。感謝感激、雨あられ。なお、名前は「みぞかみ・たけよし」と読みます。
なぜこの本を取り上げたかといえば、一つには辛坊氏が太平洋ヨット横断へ出発するにあたって遺書を書いた、その効用が詳細に述べられていたからだ。もう一つには、集団的自衛権の行使容認問題の解説が非常に適切で分かりやすく、多くの人に読んでもらいたいと思えたからだった。問題解決のためには最終的に憲法改正が必要との指摘は、その通りだと思える。重ねて一読をお勧めしたい。
さて、自民党の改憲案に異議を唱える国防軍反対デモ。この日は地下鉄新宿御苑前駅近くの公園に集合し、「解釈改憲で9条をこわすな!デモ。」と大書された横断幕を掲げて、約40人で出撃した。うち8人は太鼓を叩きながらの行進でなかなか勇ましい。沿道の人たちも思わず二度見していた。
出発前には「過去には異なる主張の人が妨害に来たこともありますが、挑発には乗らないようお願いします」との呼びかけがあったものの、実際にはまったく妨害などはなかった。別の取材で、いわゆるカウンター勢力の迎撃があって泥仕合となるデモに遭遇したこともあったが、今回のデモは粛々と前へ進む。今日は安心して取材を続けられそうだ。心洗われる思いがする。
■ひたすらに左へ左へ
公園を出発したデモ隊は靖国通りを西へ進む。新宿の大ガードをくぐって左折し、新宿駅西口前を通って甲州街道を左折。JRの線路を越えて明治通りを左に曲がり、最後にもう一度左に折れて新宿区役所の裏手あたりで流れ解散となった。「α」の字を描くように左回りで新宿駅を一周する、約1時間の行進だった。
デモは拡声器を持った指揮者にあわせて、参加者が同じ文言を唱和する形で主張を訴えていた。その内容を検討してみたい。
「戦争する国、絶対反対」「安倍は辞めろ」「とっとと辞めろ」「解釈改憲絶対反対」−。
集団的自衛権の行使容認に反対との主張は分かるが、解釈改憲「絶対反対」はまずいのではないか。そもそも自衛隊(あるいはその前の警察予備隊)を創設する際には、憲法解釈を変更しているわけである。解釈改憲絶対反対と主張する以上は、自衛隊の存在自体を否定しなければならなくなるはずだ。そこまで主張する覚悟があってのことなのだろうか。疑問が残る。
「海を守れ」「辺野古(の海)を埋めるな」「辺野古の新基地絶対反対」「ジュゴンを守れ」−。
ここはコラムニスト、勝谷誠彦さんの著書名を借りるならば「代案を出せ!」といったところだろうか。米軍普天間飛行場をそのまま使い続けろということか、あるいは米軍は沖縄から撤退せよということか、その先の見通しを聞いてみたいところだ。仮に米軍が沖縄を去った場合に喜ぶのはどこの国か、よく考えてみる必要もあるだろう。
「国防軍反対」「9条生かせ」「アジアに平和を」−。
1時間にわたりデモ隊の主張をずっと聞いていたが、国外のことに関しての主張はこの「アジアに平和を」しかなかったはずだ。国防軍反対デモの深化が感じられる。
振り返れば昨年の第10回デモでは米軍がシリアを空爆するかもしれないという状況下で「ストップ・ボミング・シリア(シリアへの空爆中止を)」などと、国際情勢についての訴えが多かった。しかしそのことと「国防軍反対」との関連が沿道の聴衆にはうまく伝わらなかったようで、どうも訴えが空回りしている感が否めなかった。
対して今回の第20回デモはほぼ国内の話題に焦点をしぼっての主張だった。現在は米国などによる「イスラム国」への空爆が行われておりデモでも言及があるかと思ったが、一切なし。もともと憲法9条は日本国内でしか通用しない話であり、海外の事案に触れるほどにボロが出かねないことを考えれば、もっぱら国内の話に終始するというのは懸命な選択だと思われた。欲をいえば、憲法改正による「国軍創設」を掲げた太陽の党結成についても言及してほしかった。沿道の反応は、さほど悪くはなかったような気がする。
■飛び入り歓迎も…
しかし聴衆の支持が得られたかといえば、必ずしもそうではないようだった。実はデモ隊が掲げるプラカードの中に、残念なものがあったのである。安倍首相の顔写真をあしらった「死神総理」との看板。さらには首相に対し、「テロリスト/逆賊、売国奴」という看板も。これはもはやヘイトスピーチ(憎悪表現)のレベルだろう。
現在、日本でもヘイトスピーチの法規制が必要だと「人権派」の方々が主張しているがその際に、少数派集団に対して憎悪をあおる表現がヘイトスピーチだ、などと定義づけられる傾向にある。先のような過激な表現を少数派に対して行えばヘイトスピーチに当たるが、安倍首相に対してならばそうではない、らしいのである。憲法14条に掲げられている「法の下の平等」はどうなっているのかと思わされる。
ともあれ「死神総理」などのプラカードは、沿道の人をドン引きさせるには十分な効果があったといえる。「一緒に歩こう!」とデモへの飛び入り参加を求める呼びかけもむなしく、デモ隊はほぼ一定の人数を保ったままで終了した。
デモを終えて、この日の参加者は45人だったと発表された。やはり参加者数は赤穂浪士並みだった。この実数発表の潔さは、参加人数の水増しが常態化している脱原発関連デモの主催者にも見習ってほしいものである。
ともあれ今回の国防軍反対デモは憲法改正の必要性について改めて考えさせられる、一見の価値のあるデモだった。今後も息長く続くことが予想される。「軍を保持する」と打ち出した産経新聞「国民の憲法」要綱に対する「軍反対デモ」もあるかもしれない。また誰もが忘れたころに、取材に行くことにしたい。
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