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2014-10-05 08:06:5
「国」というくくりに緩みが生じ、漂流し始めた感があります。国家とは、とくに国民国家とは何なのか。あるいは何だったのか。
最近の動きでは、イギリスでのスコットランド独立運動。住民投票は、あわや独立派の勝利かと思わせるほどの緊張感がありました。
より最近の例としては、香港での普通選挙を求める動きが挙げられます。香港での民主化を求める動きは、自分たちの幸せを実現するための社会的ルール作りですが、中国本土の共産党による一党独裁に風穴を開ける、そんな影響をもつ流れとしても位置づけられます。
来月11月には、カタルーニャ自治州政府(スペイン)が独立を求めて住民投票をおこないたい考えと伝えられています。もっとも、スペイン国会は、州政府から出されていた住民投票の請願を憲法違反として否決しましたが。
独立を求めて長い闘いを続けているカナダのケベック州。中国では、チベットを始め多くの少数民族が共産党独裁政権に異議を唱えています。ロシアでも、チェチェンを筆頭にロシアからの離脱を求めて闘い続けています。
これらは、”少数民族”、あるいは言語を同じくする”少数文化族”が、多数派の一国の枠から分裂していこうとする動きです。
こうした流れとは別に、イスラエルによるヨルダン川左岸への侵攻は、水資源や農地を求める国家拡張であり、パレスチナ人を追い出す動きです。それに抵抗する人間への見せしめとして、ガザ地区の封じ込めと空爆があるようです。
一方、一国の枠を超えて地球全体を単一ルールにしようとする動きもあります。実際に一国の枠を超えた例は、EU(欧州連合)であり、国境を越えて単一の通貨ユーロにしました。一国の主権が大きく制約されることを受け入れました。
これとは別に国民国家を積極的に攻撃しているのが、グローバルな巨大資本です。利益を求めて地球上をうごめくことを、グローバリズムというそうです。一国の枠が狭過ぎて、地球全体を同じルールで利益が上がる美味しい狩り場にする。そうした強烈な意志を具体的に具現しようとするのが、グローバリズムです。
その端的な例の一つが、TPP(環太平洋経済連携協定)です。ISD条項のなかにラチェット規定というルールをもぐりこませ、巨大企業を一国の上に置くことに成功しつつあります。すでにアメリカの巨大企業が、カナダ政府やメキシコ政府を訴えて、賠償金をむしり取った実績があります。
ところで、沖縄。もともとは琉球王国として独立していましたが、江戸時代に島津藩に侵略され、属国として支配下に置かれました。しかし、今でも独自の「島言葉」が命脈を保っており、琉球風の食文化も色濃く残っています。
その沖縄を、日本の本国政府は二流以下に置き続け、戦後も米軍基地を押しつけてきました。それでも独立運動は細々とした動きにとどまっています。
国とは何か。国とは国民を幸せにする装置、あるいは生きる喜びを実現するための基礎的な土台、システムといえます。
沖縄の人々は自分たちの幸せを実現するために、独立をめざしてはどうでしょう。事実、「独立の勧め」がにわかに活気づいています。
そこにはこんな提案もありました。
「沖縄は独立して、憲法9条を完全実施する『平和の島』を実現する。米軍基地も自衛隊基地もすべてなくして、平和外交に徹する。そのうえで、米国や中国に平和の実現を働きかけ、国連を『平和を確実にするための国際機関』として機能させる役割を果たす」。もちろん、多様な価値観を認め、寛容な多文化主義の世界のモデルになる。
沖縄の知事選挙が近づいてきました。沖縄の人々は、「沖縄にとって日本国とは何か、沖縄はどうあるべきか」を考え続けているのだと思います。
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