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日経平均の円建て、ドル建て推移で一目瞭然/(C)日刊ゲンダイ
アベノミクス完全破綻…日銀短観発、バブル崩壊が始まった
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/153833
2014年10月4日 日刊ゲンダイ
1日に発表された日銀短観で大企業・製造業の業況判断は前回調査より1ポイントだけ改善した。それを受けて日経新聞は「景況感小幅改善」とか書いていたが、全産業は3ポイント悪化だし、その他の指標もボロボロ。2日の日経平均は大幅下落した。米国の株安、円高など、さまざまな理由が語られているが、この下落はそんな一時的な現象ではない。ズバリ、安倍バブル、完全崩壊ではないか。株価はこれからどんどん下がる。まさしく、1990年の再現になりそうだ。
先のバブルは1989年の12月に日経平均3万8915円という頂点を付けた後、1990年1月から落ち始め、2月はガンガン下がり、26日に大暴落した。その後、日本経済は奈落の底に沈んでいくのだが、そのとき、ある予兆があった。日銀短観が1989年7−9月期から下落し、それから2四半期遅れて、株が大暴落したのである。
今回も同じパターンをたどるのではないか、とみられている。日銀短観は4―6月期から全産業全業種で下落(大企業製造業は5ポイント悪化、中堅企業製造業も4ポイント悪化、中小企業製造業は3ポイント悪化)し、今回の7―9月期でさらに下がったからだ。こうなると10―12月期で株がドンと下がるのがこれまでのパターンなのである。
■鉄火場相場入り
RFSマネジメント・チーフエコノミストの田代秀敏氏が言う。
「なぜ日銀短観と株価が連動するかというと、外国人機関投資家が短観を非常に注目しているからです。とくにアベノミクスで大量に日本株を仕込んだ外国人投資家は今、いつ売り抜けるかを見極めるために、連続性があり、信頼できる日銀短観に注目する。そういう視点で日銀短観を見ると、前回の発表で売り時であることがわかり、今回の判断で決定的になったと思います。とはいえ、売り抜けるには先物や空売りなどの仕掛けの準備も必要ですから、それが整うまでは待つ。もう一度、売り抜けるための相場をつくる可能性もある。いずれにしても10月以降、いつ安倍バブルがはじけてもおかしくありません」
田代氏がもうひとつ注目しているのが日経平均のドル建て換算値だ。ドル建てで見ると、日経平均は年初来、ボックス圏の中を上下するだけで、昨年末の高値を一度も更新していない(グラフの青い線)。
「こういうのを鉄火場相場というんですよ。ドル建ての株価が円安で下がると買い、円高で上がると売り抜ける。外国人投資家が、そういう取引を繰り返しているので、相場がボックス圏から抜け出せないのです。企業業績の成長を期待し、先行投資するというノーマルな相場ではありません。だとすると、ますます、大暴落の懸念があります。ババをつかまされるのは前回同様、個人投資家になりかねません」
円建てでの株価上昇が続いた1980年代末のバブル期も、ドル建て日経平均株価は1989年3月からボックス相場に入っていた。ますます、不気味な兆候だ。
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