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円安&増税のWパンチ…家計負担「年34万円増」の驚愕試算
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/153802
2014年10月3日 日刊ゲンダイ
秋の値上げラッシュが始まった。1日、スターバックスは10円程度、「餃子の王将」はメニューの大半で5〜10%値上げに踏み切っている。「十勝のむヨーグルト」は6〜12円アップだ。
10月以前にも牛乳やチーズ、ハム、かまぼこ、小麦粉、バターなど食料品が相次いで値上がりしている。
総務省が9月26日に公表した東京都区部の9月消費者物価指数(中旬速報値)は、前年同月比で2・9%の上昇だった。物価上昇の最大の理由は、急ピッチで進む円安だ。電気代やガソリン代は跳ね上がり、漁船の燃料費も高騰。たこ(上昇率22.8%)、さけ(同18.2%)、えび(同17.9%)など軒並み値上がりした(別表参照)。
円相場は、きのう一時、1ドル=110円台に乗せた。「節目を突破したことで、この先、円安に歯止めが利かなくなる」(市場関係者)という見方も台頭してきた。
「次の節目は110.64円で、その次は111.60円です。こうした水準を簡単に超え、流れが変わらないようだと、大きな節目である120・10円を目指すことになるでしょう」(マネーパートナーズの武市佳史チーフアナリスト)
120円という水準は、これまでの円安とケタ違いの物価上昇をもたらすという。
「110円までは、円安による輸入資材などの値上がり分を、企業が負担するケースが多かった。ところが、110円を超えると、価格転嫁せざるを得なくなるでしょう」(第一生命経済研究所首席エコノミストの熊野英生氏)
日本商工会議所が9月中旬に実施した「経営上望ましい為替水準」によると、「1ドル=100〜105円未満」が38.8%と最多だった。「110〜115円未満」は2.5%、「115〜120円未満」は1.6%に過ぎない。企業経営にとって110円がギリギリの円安ラインだということが分かる。
何とか円安によるコスト高を自社で吸収してきた多くの企業が、110円超えをきっかけに、雪崩を打って値上げ表明する可能性が高いのだ。
一方、サラリーマンの実質賃金(8月)は2.6%減。14カ月連続のマイナスだ。さらなる円安進行で、サラリーマンは地獄の生活を強いられるというのに、日銀の黒田東彦総裁は「円安は問題ない」とのんきに構え、安倍首相は「プラスもマイナスもある」と“口先介入”するだけ。水準是正へ動く気などさらさらない。
静岡大学名誉教授の土居英二氏(経済統計学)の「円安・消費増税が家計に与える影響」をベースに、1ドル=120円でどうなるかを試算した。
2人以上の平均的世帯(年収599万円)では、安倍政権が発足する前の12年9月に比べ、円安による負担増は18万8000円、消費増税分(5→10%)は15万3000円。トータルで何と34万1000円の負担増だ。
“アベクロ”コンビの円安誘導は、庶民の家計を破綻させる。
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