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あえて憲法論争を避ける安倍首相
http://bylines.news.yahoo.co.jp/amakinaoto/20141003-00039633/
2014年10月3日 6時34分 天木 直人 | 外交評論家
日米新ガイドラインから「周辺事態」という言葉が削除されそうだという大スクープを書いたのは毎日新聞だった。
こんどは産経新聞だ。
きょう10月3日の産経新聞が書いた。
10月8日に発表される日米新ガイドラインの中間報告では集団的自衛権行使容認を受けた協力のありかたは盛り込まれないと。
これには笑ってしまった。
私の言うとおりになったということだ。
私の長年の読者なら思い出してほしい。
私は集団的自衛権容認論議が盛んにおこなわれていた5月ごろ、安倍首相や高村自民党副総裁が、年内に日米新ガイドラインについて日米合意しなければならないので、その前にどうしても集団的自衛権行使容認の解釈改憲をしておかなければいけないと、しきりに強調していたのを聞いて、バカなことを言っていると笑ったものだ。
その理由はこうだ。
そもそもこれまでの日米ガイドラインは憲法9条違反であった。
それあえて違憲と認めず憲法9条の範囲の中で行なわれるものと強弁してきたのがこれまでの自民党政権だった。
だから今度の新ガイドラインも、何もわざわざ集団的自衛権行使容認を持ち出さなくてもよかったのだ。
それをわざざわざ、日米新ガイドラインのために解釈改憲をすると宣言した。
こんなことを言えば寝た子を起こすようなものだ。
違憲の日米新ガイドラインを作りますとわざわざ認めるようなものだ。
大変な議論になる。
バカなことをするものだ、と。
そんな論争に巻き込まれて日米新ガイドラインの合意が遅れれば米国は怒り出すのではないか、と。
米国にとっては憲法論議などどうでもいいことだ。
むしろはた迷惑だ。
米国はやりたいことを日本に黙って押し付ければいいだけの話なのである。
それをわざわざ解釈改憲で行おうとすれば一大論争になり米国が悪者にされる。
つまらないことになる。
いま安倍首相と官僚はそのことに気付いたのだ。
いや米国に文句を言われたのかもしれない。
周辺事態という言葉を削除した。
日米新ガイドラインのために集団的自衛権行使容認の閣議決定を強行したのに、それを明示しない。
この毎日と産経のスクープは安倍政権の戦略の方向転換を見事に教えてくれているのだ。
わけのわからない形にして、日米新ガイドラインの中身は憲法9条違反だらけとする。
まさしくなし崩し的に憲法9条違反を行う。
従来の自民党のやり方に戻ったということだ。
私があの時助言した通りだ。
それが得策であり、米国もそう要求しているということだ。
はじめから黙ってそうしておけばいいものを、いまさらもとに戻ってもごまかせない。
予算委員会で果たして護憲派野党はこの点を追及できるだろうか。
少なくとも代表質問の答弁では安倍首相はやたらに憲法9条順守を強調していた。
イスラム国への空爆には協力しないと繰り返していた。
自衛隊の命を危険にさらすことはないと言っていた。
気持ち悪いほど護憲的になってしまった。
しかし、やっていることは驚くべき憲法9条違反だ。
こんなことを許すようでは憲法論議そのものが無意味になる。
護憲派政党の腕の見せ所だが、おそらく嘘つき安倍首相のことだから厚顔にも憲法順守だと開き直るだろう。
ばかばかしい国会で終わるだろう(了)
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