http://www.asyura2.com/14/senkyo172/msg/241.html
Tweet |
八幡和郎氏
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20141001/dms1410011140009-n1.htm
2014.10.01
朝日新聞の木村伊量(ただかず)社長が、大誤報の謝罪と編集部の抜本改革を表明したが、「読者と東京電力」にだけ謝れば済むことでないはずだ。慰安婦報道にせよ、東電福島第1原発の吉田昌郎元所長の調書についても、「日本国民と日本国家」には謝らなくてよいのだろうか?
権力の巨悪を批判することを躊躇(ちゅうちょ)しては、ジャーナリズムとしての存在価値がない。だが、国民や国家の信用を著しく傷つけることが予想されるような記事を書くときは、それなりの慎重さを持って報道したり、書き方に気をつけろと言っても、言い過ぎではないと思う。
今回の問題は、産経新聞による、朝日新聞とそのグループに対する全面勝利という結果となった、ある意味で、世界のジャーナリズム史に残るかもしれない“事件”だった。当初は朝日寄りだった他のメディアも、最後には足並みをそろえて朝日を非難している。
ただ、いけないのは、せっかく朝日の記事や謝罪に至るまでの経緯を批判しておきながら、それは一言だけで、番組や発言時間、記事のほとんどを、「しかし、だからといって…」という火消しの方に割いている進歩系マスコミや言論人が多いことだ。これでは、「リベラルは胡散臭い」という印象を、日本人に植え付けてしまいかねない。
リベラルという政治勢力が、国際的な常識に近い重さで存在しないことは、やはり日本の国益のためにもよろしくないはずだ。こうした自殺行為は現に慎しんで欲しい。
朝日は、全面的な編集体制の見直しをするそうだ。ぜひ、その中で、外国で「反日発言」を引き出す質問を禁止してほしい。
例えば、ワシントンや北京での記者会見で、政府関係者の最初のブリーフィングでは日本に関する発言がなかったのに、わざわざ日本について質問し、その回答における日本に対するちょっとした否定的なコメントを、あたかも、その国の政府がわざわざ日本を非難する声明を出したがごとくみせかけて報道する手口だ。
世の中には、問われれば言わざるを得なくなることが多い。他社が同様の手法を使っていないとはいわないが、朝日が特によくやる手だ。「マッチポンプ」はみっともないし、日本政府は必要もない対応を強いられる羽目になることが多い。ぜひ、やめてほしい。
■八幡和郎(やわた・かずお) 1951年、滋賀県生まれ。東大法学部卒業後、通産省入省。フランス国立行政学院(ENA)留学。大臣官房情報管理課長、国土庁長官官房参事官などを歴任し、退官。作家、評論家として新聞やテレビで活躍。徳島文理大学教授。著書に『本当は偉くない? 世界の歴史人物』(ソフトバンク新書)、『日本史が面白くなる「地名」の秘密』(洋泉社)など多数。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK172掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。