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「子供を産めたら、オレだって大臣になれた」嫉妬と本音の自民党の男性議員たち「女は得だなあ」「オフレコ発言」全部書く!
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/40554
2014年09月30日(火) 週刊現代 :現代ビジネス
――「小渕優子なんて……」、女だらけの内閣に、あ~あ、言っちゃった
地道に頑張って当選を重ねてきた。次こそは入閣と思っていた。それなのに……。安倍総理の「女性登用」で、大物たちが歯ぎしりし涙を呑んだ。男の嫉妬はカッコ悪い。だが、それだけに恐ろしいのだ。
■「これ、逆差別だろ!」
「人事ってのは、喜ぶ人が1人いればその裏で4、5人は悲しむ人がいるもんだ。だが、これはそんなもんじゃすまない。1人の女性閣僚のせいで、10人が泣かされているんですよ!」
こう言って憤るのは、先日安倍総理が行った内閣改造で、「入閣待機組」の中でも登用が有力視されていながら、選から漏れたある自民党ベテラン議員だ。
小渕優子経産大臣ら5人の女性閣僚誕生に加えて、稲田朋美元行政改革担当大臣が党三役のうち政調会長に就き、内閣支持率は10ポイント以上も急上昇。安倍総理も「私の感覚では『女子力開花内閣』」と自画自賛した改造人事だった。
しかし、総理はご満悦でも、衆参合わせて60人近い「入閣待機組」の自民党男性議員からは、恨み節が一向にやむ気配はない。冒頭と別の議員たちもこう不平を唱える。彼らはいずれも衆議院当選6回以上のベテランだ。
「私だって8月には、地元紙で『入閣確実』と出ていたし、周囲からも『間違いない』と言われていたんです。それがフタを開けてみれば、何の経験も実績もない女性議員がポンポン大臣になっている。あれのどこが、誰が見ても納得できる人事なんですか?
中には有村治子(女性活躍担当大臣)みたいに、病気で休んでいたにもかかわらず、復帰していきなり大臣になったのもいる。おかしいでしょう。実力がないのは明らかなのに、女性で総理と考え方が近いってだけで選ばれたんですよ。しかも安倍総理は、入閣させなかったベテランを、党や国会の人事で処遇する素振りすら見せなかった。まったくナメられたもんです」
「能力があるから使うってことならかまいませんよ。でも、今回は『女性を最低5人入れる』と最初に決めておいてから、ムリヤリ数合わせをしただけ。自民党内には女性議員は1割しかいないのに、閣僚の3割を女にするって、どう考えても逆差別じゃないですか。
ベテラン勢の間では『オレたちもスカート穿こうか』『オレも赤ちゃんが産めたら、大臣になれたのに』なんて苦いジョークが飛び交っています。内心ではみんなカンカンです」
■「育児休職してたくせに」
さらには、こんな情けない噂も聞こえてくる。
「宮路(和明衆議院議員)さんは、閣僚名簿が発表された後、かなり落ち込んでいた。人前で涙を流したという話も聞きました。東大法学部を出て、農水官僚から政治家に転身したエリートですから、訳の分からない女性議員らに負けたのがよほどこたえたのでしょう」(自民党町村派中堅議員)
出世競争で女に敗れて、大の男が負け惜しみを口にし、悔し涙を流す―今や民間企業ではそう珍しくもない話かもしれないが、これは女性登用の波が世間よりも遅れてやってきた、日本の「保守の牙城」自民党の話。まして当選6回や7回の古株たちにしてみれば、この現実は到底受け入れがたいのである。冒頭のベテラン議員もこう漏らす。
「竹本(直一衆議院議員)さんは、大臣になれると思い込んでいたからガッカリしていますよ。派閥の長である岸田(文雄外務大臣)さんから、組閣前日の夜に『電話がかかってくるから待機していてくれ』と言われていたからね。平沢(勝栄衆議院議員)さんだって、『法務大臣あたりで入ることになりそうだ』と耳打ちされていたらしい。
にもかかわらず、『当選回数が少ないから有資格者ではない』と党内でも言われていた山谷えり子(拉致・国家公安担当大臣)や松島みどり(法務大臣)がどんどん入閣するんだから、そりゃ怒って当然でしょう。
2人とも、『選挙区に帰って報告するのが辛い』と話していました。サラリーマンなら人事は自分だけの問題だけど、政治家1人の後ろには何千人、何万人もの地元の有権者がいる。総理はその重みをちゃんと分かっていませんよ」
根深い男たちの嫉妬心。「女は得だ」と吹聴して回る姿は実にみっともないが、そうした男の嫉妬が、時に一国を揺るがす事態を招くこともある。現に、古今東西の権力者を脅かしたその力は今、安倍総理をも捕らえようとしているのかもしれない。「女性登用」を機に、自民党内には怨嗟の嵐が吹き荒れ始めた。
風当たりが最も強かったのは、やはり女性閣僚の中でも特に目立つ、小渕優子経済産業大臣である。
まもなく5歳になる第2子の育児も一段落したということで、異例の大抜擢を受けた小渕氏。同じ額賀派の議員によると「一昨年に安倍総理から入閣を要請されたときには『まだ当選回数が浅いから』と辞退した。2回目のオファーがあれば、断っては失礼なのでお受けする」と話していたというが、前出のベテラン議員たちはこう反発する。
「小渕は確かに原発反対派の主婦層を説得し、原発再稼働を進めるにはうってつけでしょう。ただ、経産大臣は40歳の彼女にはまだ早い。少子化担当大臣の経験だけでは荷が重すぎる。軽量級だから官僚にいいように使われるのがオチです。
まあ、総理も潰すつもりで入閣させたのかもしれないけどね。その証拠に、総理はこの前(9月12日)のシンポジウムでは小渕の前で『近い将来、女性の自民党総裁が誕生することを信じているが、来年の総裁選はまだ早い』と言っている」
「オヤジさんは確かに徳のある人だったし、世話にもなった。しかし、それとこれとは別ですよ。成蹊だか成城だか知らないが(注・小渕氏は成城大学卒)、議員になったらなったで立て続けに育児休職。その上何もしなくても大臣になれるんだから、まったくいい気なもんです。人の苦労を何だと思ってるんだ」
■「第二の眞紀子になるぞ」
また、前出の額賀派議員はこうも証言した。
「小渕さんの人事をいちばん不愉快に思っているのは、彼女に取って代わられてしまった茂木(敏充前経産大臣・現選対委員長)さんでしょう。いまウチは額賀(福志郎元防衛庁長官)さんが『一丁上がり』という感じで、次は茂木派か小渕派か、という世代交代の時期に差しかかっています。さすがに今のところ本命は茂木さんですが、すでに派閥内対立の芽はある」
何だかんだ言って、自民党のベテラン男性議員には、一流大学を出てから専門分野で功成り名を遂げ、やっとの思いで当選を重ねてきた人物が少なくない。前出のベテラン議員が「安倍総理と考えが近いだけ」と断じた、いわゆる「安倍ガールズ」の面々は、彼らにしてみれば小渕氏以上に面白くない存在である。
今、小渕氏に負けず劣らず激しい批判にさらされているのが、法務大臣に就任した松島みどり氏だ。第一次安倍政権下の'06年には当選2回でいきなり外務政務官に、続いて翌年には国土交通副大臣に抜擢された松島氏だが……。
「彼女は東大出といっても経済学部卒ですから、『党内には東大法学部出の元弁護士だって何人もいる。その中で4回生の松島を選んだ意味が分からない』と不満が噴出しています。だいたい、法律を知らないのに国会で答弁できるのか」(冒頭の自民党ベテラン議員)
「松島さんは性格がかなりエキセントリック。先日の初登庁では、玄関に出迎えにきた職員が少ないことに腹を立て、議員会館の自室に帰ってしまった。他にも谷垣(禎一幹事長・前法務大臣)さんのお下がりの大臣車を『使いたくない』と言って新しい車を用意させたり、スケジュール管理を『自分でやる』と言い出して聞かなかったり、自分の新しい名刺を見て『字が小さすぎる。刷り直し!』と言い出したり。早くも法務省内では『あれは第二の田中眞紀子になるぞ』『さっさとやめさせろ』と非難ごうごうで、幹部から官邸にクレームもついています」(官邸スタッフ)
また、有村治子女性活躍担当大臣も、ある意味で松島氏以上に大きな疑問符が付くという声が上がる。
「有村は大臣就任後の挨拶回りで『いやー今度、女性ナントカ大臣に就任しました。どうもありがとうございます』と言って回っていた。いくら冗談でも自覚が足りないんじゃないの。そもそも、マクドナルドに数年勤めただけで『私は元キャリアウーマンです』『女性の気持ちが分かります』なんて言ったら、世の女性からすればふざけるなって話でしょう。
あまり言われていませんが、彼女は今年の8月15日にも靖国神社を参拝し、得意満面で記者会見をやっている。結局はそういうタカ派の安倍シンパ議員のひとりにすぎません」(前出・自民党ベテラン議員)
全国紙政治部デスクは「有村氏の登用は本当に謎。実績はないし、客寄せパンダにもならない」としたうえでこう分析する。
「強いて言えば、大島派への配慮という側面があるかもしれません。大島理森氏は集団的自衛権の件で公明党説得に動いたから、その恩返しでしょう。しかし、入閣待機組の男性議員からすればそれこそ数合わせにしか見えず、松島氏以上に反発を招いている。しかも2つしかない参議院枠ですから、特に参院自民党で批判の声が収まりません」
■「閣僚の器じゃないよ」
さらに閣僚ではないが、行政改革担当大臣から政調会長に横滑りした、「元祖安倍ガールズ」の稲田朋美氏にも批判が集中している。前出とは別の男性議員たちが明かす。
「彼女が揮毫した『内閣人事局』の看板を見た時は、字があまりにヘタ過ぎて爆笑しましたよ。あんな字を書くような人間は、どうせ教養もないでしょう。
それに、彼女はもとを辿れば小泉チルドレンだったのが、麻生さん、安倍総理と時の権力者にすり寄って生きてきただけ。とても大臣の器じゃない」
「森(喜朗元総理)さんも、『オレは(稲田氏の地元の)福井みたいな人事はできない』と言っていた。どういう意味かというと、『福井は次の総選挙で選挙区が3つから2つに減る。だから稲田を特別扱いしてしまえば、残りの2人の立場がなくなる。そういう配慮を欠いた人事をする安倍総理の気が知れない』ということ。森さんの言う通りですよ。
しかも、安倍総理だって彼女では党がまとまらないなんて分かりきっている。だから塩谷(立元文部科学大臣)さんに政調会長『代行』という新設ポストをあてて、実質的には彼に仕切らせているんです。稲田は初めからお飾りなんです」
安倍総理の寵愛する女性議員にポストを軒並みさらわれ、こうしてプライドをかなぐり捨てて不平不満をぶちまける男性議員たち。彼らの親分たる派閥の領袖も、今回の改造人事ではメンツ丸潰れだった。
改造前、各派閥の領袖は「安倍詣で」で所属議員の登用を直訴した。とりわけ安倍総理自身も所属していた町村派(清和会)の長・町村信孝元官房長官は、8月から安倍総理のもとを訪れて「うちからこの3人を入閣させてくれ」と名前を出し、頭を下げた。このとき町村氏が最も強く推したのが、「男泣き」したという前出の宮路氏だ。
「ですが、安倍総理は町村氏が出した名前をすべて無視。松島みどり氏、山谷えり子氏、そして下村博文氏(文部科学大臣)と、まったく別の3人を入閣させました。町村氏は激怒しています」(前出・全国紙政治部デスク)
それだけではない。完全に「干された」のが、石原伸晃前環境大臣率いる石原派である。前出の平沢氏をはじめ、副大臣・党執行部まで含めても同派閥からの起用はゼロ。福島県の放射性物質中間貯蔵施設をめぐる「最後は金目でしょ」発言で事実上更迭された、石原氏の連帯責任をとらされる格好になったのだ。
「新聞には、組閣発表直後の石原派内が『お通夜みたいだった』なんて書かれていたけど、実際はそうでもなかった。初めから『今回は一回休みだな』と思っていた議員もいましたから。ただ、石原さんはみんなの前で『私のせいだ。申し訳ない』と謝っていたけどね」(石原派所属議員)
結局、安倍総理が要望を聞き入れて入閣させたのは、麻生派の山口俊一沖縄・北方領土担当大臣、そして二階派の西川公也農林水産大臣の2人だけ。それ以外の派閥領袖の意向はほとんど無視した。
「加えて安倍総理は、高市(早苗)さんを総務大臣に据え、石破(茂地方創生大臣)さんと守備範囲をあえてバッティングさせることで、石破さんを抑え込むというなかなかの高等戦術も使っている。高市さんは政調会長のとき、安倍総理に仕事を言いつけられると徹夜でこなしていたほど。今、党内で最も総理の意のままに動く部下と言っていい」(前出・自民党中堅議員)
つまり安倍総理は、自ら育ててきた「安倍ガールズ」を、女性登用の名のもとに要所要所に配置することで、党内の抵抗勢力を封じ込めにかかっているのだ。これに反発しているのは、男性議員だけにとどまらない。
「小池百合子(元防衛大臣・党広報本部長)氏は、今回再入閣できると思い込んでいたらしい。しかし、前の総裁選で石破氏を応援したことが仇になって外された。『広報本部長なんて格下のポストで頑張ってきたのに』と激怒したそうです。
彼女にとって最大のライバルは高市氏。しかし安倍総理の下では、どうあがいても小池氏に勝ち目はない」(前出・全国紙政治部デスク)
■男の嫉妬が安倍を襲う
ここまで紹介した自民党議員たちのオフレコ発言を総合すれば、女性議員抜擢に端を発した安倍総理への反発は、もはや隠しようもないレベルに達しつつあることが分かる。政権支持率が60%近くまで回復し、以前のような求心力を取り戻したように見えても、それはあくまでも表面上のことにすぎないのだ。
党内の空気が決定的に変わったきっかけは、自民党の議員たちにとってさえ、「安倍政権の終わり」が近い将来の「現実」として形をとり始めたことだ。潮目が変わったのである。冒頭のベテラン議員が指摘する。
「安倍総理が次の支持率浮揚策として、北朝鮮による拉致被害者の帰国を考えているのは周知の通り。しかし今のところ、北朝鮮からは想定を下回る報告しか出てきていない。かといって、国民の期待が高い以上収穫ゼロというわけにもいかない。これが第一の関門です。
第二の関門が、閣僚の失言。すでに各紙の記者は『松島が最も可能性が高い』と狙いを絞っている。彼女は以前、参院予算委員会で委員長が止めても無視してしゃべり続け、怒られたことがあります。ただでさえ危ないのに、大臣になって何が飛び出すか」
そして、最大の不安要素は何と言っても、急速に現実味を帯びつつあるアベノミクスの崩壊である。
「株価は横ばいだし、塩崎(恭久厚生労働大臣)が年金資金の株式への直接投資を進めるから、しばらくは持つでしょう。しかし、現時点でさえ輸出、住宅、消費とどれを取っても落ち込みがひどい。10%への消費税再増税なんて決めたら、ただでさえ下降線の景気にとどめを刺すことになる」(同・ベテラン議員)
年末に判断を迫られる消費税再増税については、閣内でも意見が割れている。谷垣幹事長、麻生太郎財務大臣らが「絶対に予定通り上げるべき」と主張する一方、菅義偉官房長官や、本誌9月20・27日合併号でインタビューに応じた本田悦朗内閣官房参与などは消極的だ。ほかならぬ安倍総理自身も、「『上げずに済むならそうしたい』と話している」(前出・官邸スタッフ)という。
「谷垣氏や麻生氏は、内心では『ポスト安倍』にやる気満々。消費税増税が国際公約になっていて避けられないのなら、安倍総理が『増税を強行し、日本経済を破壊した総理大臣』という悪名と国民の不満をすべて被ってくれれば、彼らにとっては実に都合がいい」(前出・全国紙政治部デスク)
第二次安倍政権の発足以降、内外で「安倍一強」と言われてきた自民党。だが、「女性登用」に反発するベテラン議員たちの力は、もはや総理とて無視できない。政治評論家の浅川博忠氏はこう警告する。
「当然ながら、入閣待望組の議員はキャリアが長く実力者が多い。支持率が急落すれば、抑え込まれてきた彼らの不満は爆発し、周囲を巻き込んで『反安倍』の流れができるでしょう。そうなれば、政権運営はますます厳しくなります」
男の嫉妬ほど恐ろしいものはない。彼らがひとたび牙を剥けば、来年9月の総裁選を迎える前に、安倍政権はひとたまりもなく崩壊することになるだろう。
「週刊現代」2014年10月4日号より
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