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24日、ニューヨークのジャパン・ソサエティーで講演する安倍昭恵さん(共同)
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20140929/plt1409291140003-n1.htm
2014.09.29
「今回初めてお会いしましたが、暖かい雰囲気のとてもすてきな方でした。女性や食の問題などあっという間に時間がたってしまいました…」
国連総会出席のため、ニューヨークを訪問中の安倍晋三首相(60)に同行している昭恵夫人(52)は25日午後(日本時間26日未明)、自身のフェイスブックにミッシェル・オバマ米大統領夫人(50)と、市内のホテルで懇談した感想を書き込んだ。
これまで首相とオバマ大統領の個別の首脳会談はワシントンと東京で1回ずつ開かれているが、夫人同士の対面は初めて。約30分間の懇談は、両ファーストレディーとも関心が高い「食の安全」の問題などで盛り上がった。
昭恵夫人は、第2次政権発足以降行われた25回の首相外遊のうち14回に同行。外遊先では積極的に首相とは別の独自日程を組み、教育施設に日本語の書籍を「昭恵文庫」として寄贈したり、医療機関や社会福祉施設などで一般人と交流したりするなど、昭恵夫人流の“ソフト外交”を展開してきた。
こうした活動は現地メディアの格好の取材対象となり、外遊に同行するたびに昭恵夫人への注目度は高まっている。今回の米国訪問でも講演や視察の依頼が殺到し、泣く泣く断るケースも多かったという。
23日に首都ワシントンのシンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)で行われた講演も、CSIS側からの強い要望だった。昭恵夫人はニューヨークからの300キロを鉄路で移動。首相が掲げる「女性の輝く社会」の実現に向け意気込みを語った。
「女性が男性と同じように働くことが幸せで良い社会だとはとても思えない。女性も男性も、いろいろな働き方、輝き方が認められる社会がすてきだと思う」
率直に語る昭恵夫人への聴衆の関心は高く、質疑応答では日中関係に関する質問も飛び出した。昭恵夫人は「国同士の対立は仕方ない時があるかもしれない。しかし私は1人の女性として、どんな国の方とも仲良くしたい」と答えた上で、「女性の方が平和を好むのではないか。解決(の鍵)は女性同士のつながりにもある」と述べ、自ら日中関係の修復の手助けをしたいとの意向も示した。
海外で存在感を高める昭恵夫人について、米紙ワシントン・ポストは「首相の秘密兵器」と位置付け、タカ派の印象が強い首相のイメージをソフトにすることに貢献していると分析する。実際、12日に都内で開かれた女性国際シンポジウムでは、家庭で洗濯や皿洗い、ゴミ出しなどを行う首相の日常を紹介し、会場を沸かせた。
このシンポジウムでは昭恵夫人が、“家庭内野党”とも称される自身の行動について「主人の考え方を変えさせようなんてつもりはない」と強調し、会場の客席にいた首相が「昭恵は明らかに私の考えを変えようとするときもあり、結構議論になる」と反論する場面もあった。続けて首相は「私や私の党に投票していないであろう人の意見も聞く機会はおかげで増えた」と昭恵夫人を持ち上げたものの、内心は冷や汗タラタラなのかもしれない。
25日にニューヨークのフォード財団で開かれた防災シンポジムでは、昭恵夫人が東日本大震災の被災地で計画されている巨大な防潮堤建設事業に疑問を投げかけた。「私は計画に反対する活動家ではありません」と断った上で、「海と森を隔てることなく、人間が自然と共生できるような解決策を見いださなければならない。そのために知恵を貸してほしい」と訴えた。
首相周辺は「昭恵夫人は最終的に首相の反対することは決してやらない人だ」と指摘するが、昭恵夫人の影響力が高まっているがゆえに、「秘密兵器」の取り扱いには細心の注意が必要といえそうだ。(桑原雄尚)
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