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2014年09月29日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆通常国会閉会(6月22日)から約3か月ぶりにやっと臨時国会が9月29日に召集される。だが、国会軽視の安倍晋三首相の意向を反映してか、会期は11月30日までの62日間、つまりたったの2か月間にすぎない。このため、安倍晋三首相の所信表明演説、衆参両院での与野党の代表質問、衆参両院予算委員会での基本的質疑を経て、具多的な法案審議に入る。政府与党は、行政や民間企業に女性幹部の登用を促す「女性活躍推進法案(仮称)」、地域の活性化に向けた「まち・ひと・しごと創生法案」を提出、成立を目指す。
だが、日本の安全保障政策を根本的に変更することになる「集団的自衛権の行使に関する安全保障の関連法案」は、2015年1月に召集される次期通常国会に先送りすることにしている。このため、米国が有志連合を編成して空爆を行うなどの「イスラム国絶滅作戦」に日本が協力を求められても、難民救済、資金提供など後方支援以外の協力はできないので、PKO(平和維持活動)の増強を求められても、従来以上の協力は、難しい。従って、オバマ大統領らから対日不満をぶつけられることを十二分に覚悟しなくてはならない。
◆安倍晋三首相が、国会軽視姿勢を続けていることは、臨時国会開会中の外交日程に、歴然と表れている。それは、以下の通りだ。
10月16、17日、イタリアでアジア欧州会議(ASEM)
10月26日〜31日、オランダ国王が国賓として来日。接遇で忙しい。
11月10、11日、北京市でアジア太平洋経済会議(APEC)首脳会議。ただし、日中、日ロ、日韓首脳会議が期待されているが、実現は未定。
11月12、13日、ミャンマーで東アジア首脳会議(EAS)
11月15、16日、オーストラリアで主要20か国・地域首脳会議(G20サミット)
この過密な外交日程からは、安倍晋三首相が、北朝鮮に電撃訪問する日程を組み入れるのは、極めて難しく、日本人拉致問題の早期解決を、絶望視していることが読みとれる。
◆臨時国会開会中の安倍晋三首相には、不安材料が多々あり、それらが立て続けに起訴って襲ってくる可能性が大のため、「逃げ腰」姿勢を崩していない。
不安材料の第1は、安倍晋三首相の「健康不安」である。思い起こせば、2007年9月12日午後2時、「内閣総理大臣及び自由民主党総裁を辞する」と退陣を表明する記者会見を行い、同日予定されていた衆議院本会議の代表質問を中止、13日、慶應義塾大学病院に入院。検査の結果、胃腸機能異常の所見が見られた。入院中、妻の昭恵夫人から政治家引退を勧められたが、安倍晋三首相は「いや、それは違う」と答え、議員辞職は拒否。25日、内閣総辞職した。第1次安倍晋三内閣の在職日数は1年あまりとなる366日で、第1次安倍晋三改造内閣はわずか31日の短命に終わっている。
第2は、安倍晋三政権の「超右翼的性質」について野党が相次いで厳しく追及する。安倍晋三首相自身ばかりでなく山谷えり子国家公安委員長が、ヘイトスピーチにより国際的に厳しい批判を浴びている「超右翼団体」幹部と並んで写真を撮っていたり、親密な関係にあったりしていることが、マスメディアでも再三取り上げられており、野党各党が、腕まくりをして、追及の構えだ。
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