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2014年9月28日
長野県と岐阜県の県境に位置する御嶽山が噴火し、30名以上の方が心肺停止状態で発見されるという惨事が発生した。
火山噴火予知連絡会は
「概ね過去1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山」
を活火山と定義しており、現在、110の山を「活火山」に認定している。
2009年6月には、今後100年程度の中長期的な噴火の可能性及び社会的影響を踏まえて、
「火山防災のために監視・観測体制の充実等の必要がある火山」
として47火山が選定された。
9月27日に噴火した御嶽山はこの47火山のひとつである。
この47火山については、気象庁が、噴火の前兆を捉えて噴火警報等を適確に発表するために、地震計、傾斜計、空振計、GPS観測装置、遠望カメラ等の観測施設を整備し、関係機関(大学等研究機関や自治体・防災機関)からのデータ提供も受け、火山活動を24時間体制で常時観測・監視している。
御嶽山は、この監視体制の下に置かれていた火山である。
気象庁は、火山活動の状況に応じ、警戒が必要な範囲や避難など住民らが取るべき行動を5段階の「噴火警戒レベル」で示している。
御嶽山について気象庁は、今回の噴火が発生するまで「噴火警戒レベル」を「平常である」の「1」としていた。
噴火が確認されて、「噴火警戒レベル」を「入山規制」の「3」に引き上げた。
居住地域に影響があるレベル5(避難)とレベル4(避難準備)は、通常の警報より警戒度が高い「特別警報」に位置づけている。
御嶽山については、上記のように、活火山の中でも特に監視・観測体制を充実させる必要があるとする47火山に選定されており、鹿児島県の桜島などと同様に、地震計や遠望カメラなどを整備して24時間体制の観測を実施している。
噴火の危険性が高まったと判断されると、噴火前に警戒レベルが引き上げられるが、今回の噴火では、噴火の前に警戒レベルは引き上げられなかった。
9月11日には火山性地震が多発していたが警戒レベルは引き上げられなかった。
この点について、気象庁火山課の北川貞之課長は、
「その後は減ったため、特段、危険性が高まっているとは考えていなかった」
と説明している。
過去の噴火回数が少なく、経験値が低いことに加えて、地殻変動など噴火の予兆を示すデータが他になかったことを理由に挙げ、
「前もって予測することは難しかった」
と説明している。
ただし、上記のように、9月11日に火山性地震が多発していたことから、気象庁は9月16日に、
「2007年に小規模な噴火が発生した火口やその付近に影響する程度の火山灰は噴出する可能性がある」
との情報を発表して警戒を呼び掛けていた。
事前の警戒情報の提供が適切であったのかどうかについては、今後検証が行われることになると思われる。
紅葉シーズンの週末に噴火が発生したために大参事になってしまったとも言えるが、行方不明者の救出、負傷者のご回復、亡くなられた方のご冥福を心より祈念申し上げる。
私たちは、日本列島が世界有数の火山地帯の上に立地し、いつでも火山噴火と巨大地震に見舞われる可能性があることを、改めて認識しなければならない。
そして、地震や火山噴火が発生する際に懸念される原発への影響を、十分に考慮しなければならない。
安倍政権は東京電力福島第一原発の重大事故の収束も実現しないまま、九州電力川内原発の再稼働を強引に推し進める姿勢を示している。
今回の御嶽山の噴火は、この安倍政権の暴挙に対する、地の底からの警告であると受け止めるべきである。
福島の場合は、地震と地震に連動して発生した津波が原発のメルトダウンを招き、人類史上最悪レベルの放射能事故を引き起こしたものである。
5月21日の福井地方裁判所による関西電力大飯原発運転差し止め命令判決は、大飯原発の地震に対する備えがまったく不十分であることを、運転差し止め命令の根拠として提示した。
2008年に発生した宮城岩手内陸地震では、4022ガルの地震加速度が観測された。
これに対して、大飯原発の設計は、1260ガルの揺れまでの対応にとどまっており、福井地方裁判所は、これでは原発の安全性は担保されないと指摘したのである。
九州電力が再稼働を計画している鹿児島県の大飯原発の耐震設計は、620ガルの地震動までしか対応していない。
また、現在、火山活動が活発化している活火山である桜島の火砕流が川内原発にまで届く可能性も指摘されている。
地震活動研究者である神戸大学名誉教授の石橋克彦氏は、日本における火山活動が、いま「活動期」に移行していることを指摘している。
御嶽山の噴火は、安倍政権の、極めて安易な原発再稼働推進の動きに対する、地底からの激しい警告であると受け止めるべきである。
川内原発の再稼働を拙速に実現することは断じて許されない。
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