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安倍政権のリスク管理
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52652163.html
2014年09月27日 在野のアナリスト
御嶽山が噴火しました。今回、気になるのは気象庁が予知できなかった、という点です。地震微動はあるものの、地殻変動などがみられず、警戒レベルだったというのです。安倍政権になってから、行政のこうした対応が目立ちます。デング熱もそうですし、広義では豚流行性下痢でも殺処分があるのに、問題ないとしてほとんど報じられていません。どうも「危険!」ということさえ「ムードを壊すな」という風潮に封じられ、発言を抑制されている気がしてなりません。
少し穿った見方をすると、これで川内原発の再稼動にも影響します。火山学会の反発を無視して、火山は予知できる、対策できる、として川内原発再稼動に対して、原規委はGOサインを出しています。しかし御嶽山の例をみるまでもなく、噴火を完璧に予知することはできません。それこそ予兆があるとき、原発停止の判断ができるのか? 人の判断に委ねるのですから、間違いも起こります。まず噴火を予知できる、と判断を下す時点で、すでに間違いが起こっているのです。
さらにこの「ムードを壊すな」としてつっこんだ挙句、頓挫した例は枚挙に暇なくなっています。日米のTPP交渉も同様。日本が歩み寄ったのに米国が折れなかったことで、甘利氏など「誠意ある対応がない」と憤慨して述べていますが、元々米国に妥協、歩み寄ろうという考えはありません。交渉ごとは双方が妥協するもの、という誤った固定観念でつきすすんだ挙句、それがないことで戸惑っている、というのが現状です。米国としては、米国益に適う目的で交渉しています。妥協するぐらいなら、交渉をまとめる必要などありません。パワーバランスが著しく偏っているTPP交渉において、妥協の産物はないのです。嫌なら交渉打ち切り、凍結で米国としては十分だということです。一時期、TPPは経済政策、成長戦略と語られることもありましたが、年内合意に暗雲ただよう今、成長戦略の柱が一つ、ぽきんと折られた形になります。
北朝鮮との拉致問題交渉も同じ、当初は政府関係者から盛んに喧伝され、秋口には解決、と俄かに国民の期待を煽った挙句、報告は先延ばし、暗礁に乗り上げています。北方領土の問題も、森元首相がプーチン大統領と会談して「訪日を妨げているのは日本」という露国の認識を伝えました。日本が独自外交できないことに「失望」とも。交渉ごとで、相手の信頼を失うことが、如何に国益を損なうかは語るまでもありません。安倍氏の地球儀外交で、初対面の相手がおらず、スムーズに意見交換できた、などと外務省は語りますが、人見知りでもあるまいし、一国の首相が初見の相手と話もできない、というのなら、それは首相として不適格なだけです。
「ムードを壊すな」と云われても「もう実体が壊れている」、それが今です。経済も同じで、8月の全国消費者物価は前年同月比3.1%上昇。増税分を除くと0.8%の上昇とされますが、伸び率は鈍化した。これは実質賃金の低下をいくらか緩和しますが、9月以降はここ数日ですすんだ円安で、ふたたび騰勢を強めることが予想されます。しかし年内に賃上げ、賞与増もないので、消費はさらに悪化することが予想されます。為替予約が切れる月頃にはふたたび値上げの波が来ます。
ムードが壊れる頃には、未曾有の景気悪化が襲っているかもしれない。海外勢が気にする「予想以上に増税の影響が大きい日本経済」に、さらに増税で財政再建をめざすのですから、ムードを壊しているのは安倍政権、ともなるでしょう。ムードを壊さないよう、リスクに関して判断を鈍らせた挙句、大きな被害をだす。それが武器使用緩和で、PKOへの派兵をすすめる安倍政権で起きることで、後に大きな犠牲を伴ってしまうのなら、より罪深い政権とも云えるのでしょうね。
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