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朝日新聞の9・11“誤報テロ”東京本社実録ドキュメント
http://wjn.jp/article/detail/7478876/
週刊実話 2014年10月2日 特大号
ついに朝日新聞社のトップが辞任に追い込まれた。同時に編集部門の最高責任者の「職を解く」という解任、いずれは木村伊量社長(60)も引責辞任することを示唆した。
一連の従軍慰安婦誤報、吉田調書誤報、池上彰連載コラム掲載拒否の3連続不祥事は、朝日新聞の屋台骨を揺さぶり、ひょっとすると廃刊にすら追い込まれる危機的状況にあることが浮き彫りになった。
9月11日夜、約1時間40分にも及ぶ「謝罪会見」は、杉浦信之取締役編集担当の解任の理由について、福島第一原発の事故直後の模様を伝える「吉田(昌郎所長)調書」報道で、作業員の一時的な退避を「命令に背いた撤退」と報じ、東京電力社員の名誉を傷つけ、読者の混乱を招いたというのは周知の事実だ。
これについては後で述べるとして、まずは謝罪会見から1日たった12日午後、「社員のみなさまへ」と題するメールが全社員に配信された。約1000字に及ぶメールの発信元は、木村社長本人。
吉田調書の第一報を取り消し、謝罪した会見に触れながら、
〈せっかくのスクープ素材を得ながら、肝心の裏付け取材がおろそかになり、思い込みや原稿のチェック不足もあって、結果的に朝日新聞に対する読者の信頼を傷つける危機的な事態を招きました〉
と悔しさをにじませた。そして、
〈編集部門の最高責任者である杉浦信之・編集担当(取締役)を更迭せざるを得なかった〉
と解任であることを改めて認めた。
その上で、会見でも話したように、社内委員会の立ち上げ、自らの進退にも触れている。最後に、〈しばらくは嵐のような毎日が続くと覚悟しています。(中略)苦境の中でこそ真価が問われます。苦しい道のりですが、みなさんと共に歯をくいしばって前に進みたいと思います〉と締めくくった。
しかし、最後の署名は、肩書きなしで〈木村伊量〉とあるだけ。「これで、木村社長の引責辞任はよりはっきりした」という声が社内から起きたという。
「特別編集委員ら社の中枢を占める記者たちが発するツイッターからは『中途半端な謝罪』『読者への説明が先だろう』などの批判、混乱が続いていますよ」(朝日新聞記者)
こうした混迷は、会見前日の10日午後からすでに始まっていたという。
朝日新聞では平日の夕刊発行後に、東京、大阪、名古屋、西部(福岡)の4本社の出稿部の部長たちが参加した「部長会」が開かれる。内線電話やパワーポイントなどを使い、紙面について検討したり、これからのプランを紹介しあったりする。
「普段なら笑い声さえ漏れる部長会だが、この10日は、吉田調書報道の誤りを伝えることが報告されると、雰囲気は一変した。『なぜ、ここまで引きずったのか』『どうして誤りに気付かなかったのか』『説明の記者会見を開くと約束しろ』など、厳しい声が続出したようです」(ベテラン記者)
「一連の誤報、掲載拒否騒動のうち、『従軍慰安婦問題』の吉田(清治)証言の火付け役は大阪本社。東京本社を批判できるのか」(別の朝日新聞記者)
という意見はともかくとして、各部長の怒りを爆発させたのは杉浦取締役編集担当の「皆さんの意見は15階に届けます」とのKY(空気が読めない)発言だったという。
15階とは、社長をはじめとした役員のいるフロアを指す朝日新聞の隠語だ。
「編集の責任者はあなたでしょ!」
「何をのんびりしたことを言ってるんですか」
「今すぐ方針を示してください」
などなど、杉浦取締役編集担当に対して怒声に近い発言が相次いだという。
「火に油を注ぐような責任逃れの発言をした杉浦氏は、経済部の出身。週刊誌アエラの発刊にも携わったというが、これといった特ダネを書いたことはないし、もっぱら社内の政治力学でのし上がってきた人物です」(朝日新聞OB)
官僚臭が充満する朝日新聞では、他人のミスをあげつらうことで出世するタイプの記者(今は管理部門などに所属)を、ナチスの秘密組織に例えて「ゲシュタポ野郎」と蔑む呼び方があるが、杉浦取締役編集担当は、まさにそのうちの一人だとか。
11日夜の記者会見、12日付紙面での「お詫び訂正」は極秘のうちに進められたはずだが、こんな社内の不統一、混乱があれば隠せ通せるはずもない。11日未明には、すでに一部ネットなどに「社長辞任か」などの観測記事が流れる始末。
「編集局などが騒然となる中、非編集部門ではまず、11日昼に幹部に状況説明、夕方から一般社員らに説明という何とものんびりした流れとなった。しかし、夕方の説明前には皆、知っていました」(現役社員)
また、吉田調書の誤報について、ある朝日OBは「朝日新聞の今の姿勢が顕著に現れた由々しき原稿」と断罪する。
朝日の誤報といえば、共産党幹部・伊藤律氏の架空会見(1950年)、自社のカメラマンがサンゴに傷を付けておいて「傷つけられたサンゴ」と大騒ぎした沖縄サンゴ報道('89年)が知られるが、このOBは「二つの誤報はいわば、特ダネ欲しさの捏造記事。構造は単純だった。しかし、吉田調書報道は、民主党政権と東電の対立をことさら強調する意図を感じさせた」と指摘する。
「9月11日の出来事を『朝日の一番長い日』『朝日の9・11』と話したノーテンキな社員もゴロゴロいた。国際問題にもなった従軍慰安婦問題の総括、反省は全く進んでいない状況だというのに、こんなことを口にする社員たちは自分たちの置かれた状況をわかっていない」(朝日新聞幹部)
朝日新聞東京本社の周辺には連日、制服、私服の警察官が多数張り付き、大型バスや抗議する団体の車両の進入を食い止めるための柵まで設置されている。
朝日新聞は誤報テロ9・11から立ち直れるか。
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