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http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20140926/dms1409260830011-n1.htm
2014.09.26 「日本」の解き方
日本は財政投融資という官製金融システムを持ち「金融社会主義」といわれてきた。マルクス経済学者、ルドルフ・ヒルファーディングの「金融資本主義」をひねった表現だが、金融に対し社会主義国のような国の過剰介入が日本で行われていることを揶揄(やゆ)している。
財政投融資のような公的金融システムは日本固有のものではないが、日本の規模と広がりは資本主義先進国では例を見ない。
かつてこのシステムは、入り口が郵貯や公的年金など、中間に当時の大蔵省、そして出口には特殊法人等公的セクターと政府系金融機関があった。1990年代に入ると、特殊法人への天下りや補助金投入、郵貯や政府系金融機関の民業圧迫などのほころびが出始めた。
そこで、小泉純一郎政権で、財投改革、特殊法人改革、郵政民営化、政策金融改革が相次いで行われることになった。これらは互いに密接に関係した一連の改革で、2001年財投改革、05年道路公団民営化、07年郵政民営化、08年政策金融改革と相次いで実施された。筆者はこれらの改革をすべて担当した唯一の人物だ。それらについては、学術書として『財投改革の経済学』(東洋経済新報社)、一般向けとして『さらば財務省』(講談社文庫)があるので参照していただきたい。
政策金融では、霞が関の官庁ごとの天下り先になっているということで、日本政策投資銀行や商工組合中央金庫は完全民営化、残りは1つ(日本政策金融公庫)に統合化された。政投銀と商工中金のトップはともに財務省と経済産業省の歴代次官経験者が天下る最高級ポストだった。
完全民営化方針で、天下りも終わりと思われたが、官僚はゾンビのように、粘り強く時間をかけて、完全民営化の方針をひっくり返してきた。官僚は天下り先確保となると、省をあげて最優先課題として必死になってくるものだ。
その1回目は、民主党への政権交代直後だ。政権運営で不慣れなところをつき、当初は15年10月までに政府の保有株をすべて売却して完全民営化する予定だったが、09年に完全民営化を先延ばしした。
2回目は、東日本大震災にかこつけて、11年に再延長した。
今回は3度目で、自民党への政権交代後でも再々延長が行われようとしている。しかも、自民党への政権交代後、昨13年6月、商工中金社長に杉山秀二氏(元経済産業次官)、10月には日本政策金融公庫総裁に細川興一氏(元財務次官)、12月には国際協力銀行総裁に渡辺博史氏(元財務官)が就任した。
政府系金融機関で残る民間人出身のトップは政投銀だけだ。ここも、今回の完全民営化の見送りとともに、いずれ官僚OBになるだろう。
官僚は、自分たちの天下り先確保のためには、重要な政府方針でも、適当な口実をつけて、いとも簡単に葬り去る。しかし、国民の生活を守るために、消費増税の見送りは頑としてやらないという身勝手な人々だ。官僚の官僚による官僚のための、国民不在の政策が進行中である。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
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