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足並み乱す元凶/(C)日刊ゲンダイ
読売“A紙対策”余波 消費増税「軽減税率」署名が集まらない
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/153626
2014年9月26日 日刊ゲンダイ
「本来なら今頃、各新聞販売店がスクラムを組んで、購読者に署名活動を展開しているはずでした。でも、この状況では足並みは揃いっこありません」
そう嘆くのは、都内の読売新聞の販売店関係者だ。彼らが署名を集めるはずだったのは、新聞購読料に対する消費税の軽減税率適用について。
安倍首相は消費税率10%への引き上げの可否を「年内に判断する」と明言。日本新聞協会は税率10%引き上げ時に、「5%の軽減税率適用」を与党に要望してきた。
悲願達成に向け、全新聞社とも「10〜11月が軽減税率適用の勝負時」と判断。そこで各社の販売店をフル動員させ、軽減税率を求める購読者の署名をカキ集め、10月中にも「これが国民の声だ」と、政府に渡す予定だったという。
■誤報の朝日に追い打ち
誤算は、朝日の誤報問題だ。朝日の販売店は空前の規模で部数が落ち込み、何とか読者を食い止めるのに必死で、「そのうえ、署名をお願いできる状況にない」(朝日販売店関係者)という。
さらに追い打ちをかけているのが、朝日の誤報に乗じた読売の読者奪還プロジェクトだ。「A紙対策」と称して、朝日の慰安婦報道を非難する小冊子などを大量に作製、配布してきたが、このネガティブキャンペーンが署名活動の足並みを乱す元凶になっている。前出の読売の販売店関係者が言う。
「宅配する新聞は違っても、同じエリアの販売店同士は新聞販売同業組合の活動などを通じて、横のつながりが強いんです。他社の顧客を奪う行為に出れば、同業者から白い目で見られるだけ。ましてや全新聞社を挙げて軽減税率適用の署名活動を展開するなら、なおさら横のつながりを大事にすべきでしょう。朝日の公称部数は660万部で、全新聞購読者に占める割合は相当なもの。“朝日叩き”に走るライバル紙は朝日購読者の軽減税率を求める署名が、ごっそり抜け落ちてもいいのでしょうか。我々への指示は矛盾しているし、溺れた犬を棒で叩くのは慎むべきですよ」
消費税を上げなければ国家財政が破綻するように報じながら、裏で「消費税をまけて」と権力にスリ寄る。自己矛盾だらけの大新聞を象徴するような話だ。
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