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「政党交付金がブラックボックス化した」と江田憲司氏は渡辺喜美氏の疑惑を指摘 photo Getty Images
遅延気味の特捜部の渡辺喜美氏捜査は、「政党交付金の闇」解明を目指せ!
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/40537
2014年09月25日(木) 伊藤 博敏「ニュースの深層」 現代ビジネス
みんなの党で浅尾慶一郎代表が、渡辺喜美前代表に離党を勧告するなど新旧代表のバトルが始まり、政局が混迷するなか、東京地検特捜部が手がける渡辺氏の政治資金規正法違反容疑の捜査が中断している。
■「何も調べないという選択肢はない」はずが・・・
化粧品通販大手・DHCの吉田嘉明会長が、渡辺氏に8億円の資金提供をしていた問題は、既に、憲法学者や市民団体などが東京地検特捜部に刑事告発。週刊誌等に大きく取り上げられ、吉田氏が証拠の資料などを開示していることから、特捜部は「受理して捜査」の方針を固めている。
この件を理由に、渡辺氏は今年4月7日に辞任会見を開き、「党の支持者や議員、関係者にご迷惑をおかけした」としながらも、「借り入れは個人的なものであり、違法性はありません」と、強調した。
だが、会見をテレビで見ていたある検察幹部は、「何も調べないという選択肢はない」と、漏らしている。
捜査に当たるのは直告班である。特捜不祥事を受けた「特捜改革」で、独自に扱う事件を少なくした特捜部は、直告班の検事を半減。いまや1班(検事10名前後)体制で、複数の事件を扱える体制にない。
今年の上半期は、大手製薬会社・ノバルティスファーマの薬事法違反事件にかかり切りだった。結局、同社元社員と法人としてのノバルティスを7月末に起訴して終結した。
■「官邸の意向」を気にするようになった特捜部
それだけに夏休み後の9月、渡辺氏の政治資金捜査が本格化すると見られており、事実、9月11日、フジテレビは「特捜部が複数の関係者から事情を聞いた」と報じ、渡辺氏にも直撃取材を行っている。
この捜査着手報道はフライング気味だったようだが、特捜部が準備を整えていたのは事実であり、それが浅尾VS渡辺の構図のなか、停滞を余儀なくされている。
特捜部が動けば、必ず事件報道となって渡辺氏にダメージを与える。しかも渡辺氏は、政権与党との協力関係を党に訴え、それを浅尾氏が率いる執行部に否定され、党を割って出ようとしている。
元来、特捜部は、政局を引き起こすような捜査を嫌うところだし、4年前の冤罪の村木厚子(現厚労省事務次官)事件以降、「官邸の意向」を気にするようになった。安倍晋三政権に連携を持ちかけている渡辺氏への捜査を躊躇するのも無理はない。
■公職選挙法違反も政治資金規正法違反も否定
もともと難しい事件ではある。
上脇博之・神戸学院大学法科大学院教授(憲法学)らの告発状には、主たる疑惑が次のように指摘されている。
「吉田会長からの8億円の借り入れのうち、2012年5月の5億円のなかの2億5000万円については『みんなの党』の政治資金、渡辺前代表の資金管理団体『温故知新の会』の政治資金、または渡辺前代表の衆議院総選挙の選挙運動資金のいずれかであったにもかかわらず、いずれの収支報告書にも『収入』として記載されておらず、政治資金規正法または公職選挙法に違反している疑いがある」
これに対して渡辺氏の反論は、みんなの党が、4月24日に出した「内部調査結果」に沿うものである。
「借り入れは、渡辺前代表が自身の選挙運動以外の政治活動等のために個人的に借り入れたものである」として公職選挙法違反を否定。
また、「政治家個人の借り入れや借り入れの使途についての報告書の作成義務はない」として政治資金規正法違反も否定していた。
■政党助成法違反の疑い
週刊誌報道などがあって渡辺氏は吉田氏に全額を返済。マスコミを使った債権回収を終えた吉田氏が、舌鋒鋭い攻撃を控えるようになったこともあり、検察が渡辺氏の口を割らせ、政治資金として使ったことを認めさせるのは難しいだろう。
捜査の行方は、みんなの党の分裂騒ぎを見届けた特捜部が、吉田氏を始め関係者の事情聴取を活発化させ、それを踏まえて、渡辺氏に厳しく迫ることができるかどうかにかかっている。起訴するか否かの判断は、11月末と目される臨時国会が終わった後に下されるだろう。
告発のあった公職選挙法、並びに政治資金規正法以外に指摘したいのは、政党助成法違反の疑いである。
組織を掌握する力に欠けているのか、渡辺氏は、今回の分裂騒動の前に、「結党の同志」である江田憲司氏とも分かれ、昨年12月、江田氏は衆参14名を引き連れて離党。結いの党を立ち上げた。
この時、江田氏は離党原因のひとつに渡辺氏の不透明な党資金の管理を上げ、「年間17億円にものぼる政党交付金、2億円を超える立法事務費をブラックボックス化し、私を含む役員や所属議員にチェックさせなかった」と、批判した。
政党交付金は渡辺氏が独占。そうなると、政党交付金の3ヵ月に一度の交付時期と、「渡辺口座」から「吉田口座」への振込時期が重なっていることの理由がつく。
渡辺氏は、吉田氏への返済原資に政党交付金を充てていたのではないか――。
■渡辺氏の資金捜査を通じて「政党交付金の闇」解明を!
政党交付金は党の口座に入るためにワンクッション置くが、先の江田証言と合わせて考えれば、この資金移動は疑わしいし、なにより吉田氏自身が、3月28日の時事通信インタビューでこう語っている。
「選挙後に議員が多数、当選すれば、政党助成金がみんなの党に入り、その後に返してもらえると認識していた」
政党助成法は、政党交付金を借金返済に充てることを禁じており、資金の流れに渡辺、吉田両氏の認識が重なれば、明白な政党助成法違反である。
今回の問題に限らず、政治家の政党交付金の私的流用は目に余る。小沢一郎・生活の党代表は新生党、自由党の解党で総額22億円を手にし、舛添要一・東京都知事は、2億5000万円の銀行借入金を新党改革の交付金を利用した巧みな手口で返済した。
みんなの党の政党交付金をひとりで差配していた渡辺氏は、5人以上の“同志”を引き連れ、党を割ろうとしている。5人にこだわるのは、それが政党交付金を受け取れる最小議員数だからだ。
政治腐敗防止のために、国民ひとりあたり250円を拠出、300億円ものカネが政党に渡される。その趣旨から遠く離れた形で政党交付金が使われている以上、渡辺氏の政治資金捜査を通じて、その実態が解明されるのを期待したい。
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