01. 2014年9月24日 00:21:30
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田母神俊雄氏インタビュー〜新党、集団的自衛権、歴史認識を語る BLOGOS編集部2014年09月16日 07:00今年2月の都知事選に出馬、61万票を集めたことが話題を呼んだ、元航空幕僚長の田母神俊雄氏。6月には「日本真正保守党」の結党を宣言、新著「田母神新党」(ワニブックス)では、自身の政策理念や歴史観について明らかにしている。 自身を「日本派」と定義し、その役割を自民党・次世代の党の"砕氷船"とする田母神氏に今後の活動方針、また、元航空幕僚長として集団的自衛権を巡る議論をどう見ているのか、話を聞いた。【大谷広太(編集部)、写真:野原誠治】 田母神俊雄氏(撮影:野原誠治) http://static.blogos.com/media/image/3355/1/ref_l.jpg
ーまず、2月の都知事選についてお聞きします。もちろん出馬されるからには当選を目指していたと思いますが、出馬すること自体に、何かしら問題提起の意味があったのでしょうか。 田母神俊雄氏(以下、田母神氏):私の考えがどのくらい支持されるのか、それをチェックしたいという思いはありました。当初、30万票くらい取れれば良いかなと思っていましたが、選挙期間中の手応えから、もしかしたら100万票くらいは入るのではないかと思っていました。しかし61万票で終わりました。 私が論文の問題で自衛隊を辞めた時、朝日新聞は「こんなゆがんだ考えの持ち主が、自衛隊組織のトップにいたとは。驚き、あきれ、そして心胆が寒くなるような事件である。」と書きました。61万票という選挙結果に、「田母神だけがおかしかったのではない、この61万票という印籠が目に入らぬか!」と言えると思います。 ーその後、新党「日本真正保守党」立ち上げを宣言されました。著書の中では「自民の右側に軸足を置く」、「次世代の党が自民党の砕氷船なら、日本真正保守党は次世代の砕氷船に」とのことですが、自民党、次世代の党、真正保守党の政治理念・政策の違いが見えづらいようにも思います。また、安倍総理の考えにも賛同、次世代に党にも貢献したいとのことですが、党に参画するというお考えはあるのでしょうか。 田母神氏:5月に日本会議のブラジル支部に招かれて、講演を行いました。現地の人達は祖国に大変熱い思いを持っていて、「中国や韓国に負けないようにもっと頑張ってくれ」、と叱咤激励されました。帰りの飛行機で色々と考える中で、"よしやろう"と決めて、6月2日に新党立ち上げ宣言をしたわけです。 もちろん、政治というのはリアリズムですから、現実を無視した議論は成り立ちません。しかし戦後、占領下で作られた、日本を弱体化しようという仕掛けに拘束されているような思いがするんです。 今、自民党の一部と公明党が安倍総理の足を引っ張っています。公明党はもともと集団的自衛権、国防軍構想、憲法改正、これらすべてに反対ですし、これでは安倍総理がやろうとしていることがやりにくいでしょう。自・公を分離させなければ、安倍総理が"日本を取り戻す"のは無理ではないかと思っています。 真ん中に安倍政権があるとすると、野党はみんな左側でしょう?少しバランスを取らないと。そういう意味で、自民党の"右側"にしっかりとした柱を立てて、「自民党しっかりやれ」「安倍総理もっと頑張ってくれ」という"健全野党"が必要ではないかと思っています。 そのような中、ようやく次世代の党ができました。もちろん、国家観・歴史観がしっかりしている方がほとんどですし、新憲法制定も目指していますので、政策面では支持しています。ただ、みなさん長年政治家としてやってこられた方々だから、過去の発言に拘束されてしまい、少し言いにくいようなこともあると思うんです。それに対して、私のところはこれからですから、何でも言えると。日本の国はどうなるのが一番いいのか、どうするのが一番いいのか、ということを処世なしに考えていこうと。 そういう意味で、次世代の党が、自民党の"砕氷船"的役割を果たすということですから、田母神新党はさらに次世代の党の"砕氷船"的役割を果たしたいと思っているのです。 もちろん、次世代の党が私を求めてくれれば、将来、一緒になることもあるかもしれない。保守派の国民の中には私の言っていることを正当だと評価してくれる人が大勢いるので、どのようにしたら私の意見が政界で通りやすくなるか、よく考えて行動したいと思います。次世代の党の多くの人達とは国家観、歴史観が近いと思っています。 ー都知事選での得票数について考えますと、東京が最も無党派層、若い有権者、つまりネットユーザの層も多いエリアのひとつではないかと思います。逆に言えば、あの61万票がある意味で限界ではないか、という声もあります。どのようにして支持者を増やしていくのでしょうか。 田母神氏:現在、支持母体があるわけではないけれども、すでに田母神新党に入りたいという申し入れも来ていますから、支持者は全国的には相当いるだろうと思っています。 今後、勉強会、"田母神道場"みたいなものを立ちあげていこうかと思っています。各地方に支部を作って、来年の統一地方選にも候補者を出していく、というようなこともできればやっていきたいですね。 ー都知事選では支援していた「チャンネル桜」の水島総氏が、"新党立ち上げには反対"とのコメントを出されました。 田母神氏:水島さんは都知事選では一生懸命頑張ってくれたのでそれについては感謝しています。しかし今回は私は私の考えで、そのほうが上手くいくと思ってやっていますから。しかし自分の考えに合わないということで、公共の電波を使ってあそこまで批判するのかという思いがします。 ー集団的自衛権の行使容認の閣議決定を巡る議論について、どのようにご覧になっていましたか。 田母神氏:集団的自衛権というのは、一緒に行動している同盟国の軍が攻撃を受けた時に、これを自分が攻撃を受けたと認めて反撃をする権利なんですよね。これが認められないと、自衛隊が海外に出た時に困るわけです。 イラクやインド洋に行った時に一緒に行動していて、「俺がやられたときは助けてくれよな。でも、お前がやられたときは助けられないから、逃げるから」っていうことでしょう?こんなに非道徳的なことはありませんよね。日本人の国民性にも合いません。武士道の精神というのは、「俺はいいよと、でもお前が困ったときは助けてやる」、ということですよ。 国がそうさせているということですから、自衛官にしてみればたまらないんですよ。信頼されないんですから。武人にとって、卑怯だとか臆病だと言われることが最大の侮辱ですよ。侮辱をされ続けながら派遣されているようなものです。 また、"集団的自衛権が行使できるようになると、アメリカの戦争に巻き込まれる"という意見がありますが、そんなことはないですよ。集団的自衛権が認められなくたって、今までもイラクやインド洋に行っていました。集団的自衛権が行使されなければ、行かなくていい、ということはないですよね。行った時に行使できたほうがいいのか、出来ないほうがいいのか、という議論になるべきなんです。行使できたほうがいいと世界中の国が思っているから、日本以外の国はみんな集団的自衛権が行使できるのです。 日本だけが特別なことをやろうとしているわけではないんですから、行使できたほうがいいのです。 昔は軍事力の位置づけは戦争をするためのものであって、戦争をして、よその国から富や資源を分捕ることが軍事力でした。しかし今は戦争が起きたら勝つ、ということよりも、戦争を起こさない、ということを主眼に防衛力の整備が行われているのです。 国際社会というのは、残念ながら子どもの世界と一緒で、腕力の弱い者の言うことなんか誰も聞かないのです。だから外交交渉で、話し合いで問題を解決しようと思えば、軍事力を強化することが必要です。 どこの国も、軍事力をバックに外交交渉をするわけですよね。軍事力がないと、圧力かけられて、攻撃するぞと言われると、相手の要求を飲まざるをえなくなってしまいます。ですから、軍事力の均衡があって初めて外交交渉が成り立つのです。"戦争をしたら、お互い傷つくね、じゃあそんなことはやめて、話し合いで片付けよう"という機運が出てくるのです。 日本以外のすべての国が、"ふざけたことばっかり言うとぶん殴るぞ"という態勢で外交交渉をする。日本の場合だけが、軍事力は使わないとあらかじめ宣言しているから、"ふざけたことばっかり言うと話し合うぞ"と言っているようなものです。 総理の靖国参拝が出来ないのは、よその国が文句を言うからでしょう?中国から見れば、文句をいえば日本は必ず要求を飲むと、戦う意志がないと判断されているわけで、それも抑止力の低下を招いているんです。 日本人は非常に穏やかな民族だから、戦争を徹底的に避けようとしてきました。だけど止むを得ず戦争に引きずり込まれたのが戦前の歴史です。戦後の日本は、余計に戦争を避けていると思います。 社民党の福島みずほさんたちは、"戦争が出来る国にするんですか?"、と聞いてきます。その通りです。しかし「戦争が出来る国」のほうが、戦争に巻き込まれる確率は格段に低い、ということです。プロレスラーに飛び掛る馬鹿はいないのです。 ー集団的自衛権はもちろん、"現状では個別的自衛権も行使できない"、とも指摘されています。 田母神氏:集団的自衛権の議論の陰に隠れていますが、個別的自衛権さえ行使できないのが今の自衛隊なんですよね。 集団的自衛権の議論の中で、いざとなったら個別的自衛権が行使できるんだろうと思われているのかもしれないけれども、たとえば尖閣の海で海上保安庁の船が中国軍の艦艇から攻撃を受けたとします。すぐそばに海上自衛隊の船がいたとしても、反撃できるのかというと、できない。 また、自衛隊は平時から命令が出ないと警備活動もできないのです。海上警備行動が発令されたとしても、武器の使用は「正当防衛」と「緊急避難」に該当する場合だけですから、極めて制約のある状況でしか武器が使えないわけです。 能登半島沖不審船事件の際のような、不審船への立ち入りなど、現実に戦闘が行われる可能性を考えると、自衛官は"これって正当防衛にあたるのかな?緊急避難にあたるのかな?"と一瞬考えてしまいますよね。考えた瞬間に撃たれますよ。"危ない"と思ったら撃てる、という状況でないと任務達成はできません。 世界の軍は、国際法で動くんです。明文化された条約と慣習法の集合体が国際法ですが、それらは"禁止規定"、つまりやってはいけないことが書いてある"ネガティブリスト"で、あとは何でもやれます、ということなのです。 これに対し、日本の自衛隊は「自衛隊法」、「イラク特措法」といった国内法の根拠があって、予め"やれ"と言われたことだけが例外的にできるということになっているんですね。だからちょっと状況が変わると動けなくなります。 "インド洋で外国の艦艇に給油しなさい"、と派遣された海上自衛隊は、目の前で海賊に襲われている商船を見ても助けられない。助けたら違法行為になるんです。助けることによって人が死んだりしたら、自衛官は業務上過失致死罪、あるいは殺人罪などに問われる可能性もあるわけです。こんな国は日本だけです。おかしいでしょう? "よその国はいいけれど、君たちだけは武器の使用は非常に抑制されたものにする必要があるんです"と政府が言っている。こんな馬鹿なことはないですよね。 日本では、大臣も含め、"不測の事態を起こしてはいけない"、というでしょう。私は不測の事態は起きてもしょうがない、と思っています。不測の事態、すなわち尖閣の海における銃撃戦を恐れていたら島は守れません。不測の事態は現場を守る海上保安官や自衛官にとっては命にかかわる重大事です。しかし彼らが命をかけて頑張ってくれるから、島は守られるんですよ。"不測の事態は起こしてはいけない"ということを大臣が言うというのは、それだけで抑止力を低下させてしまいます。"不測の事態が起きても守るぞ"、と言わないといけないのです。 自衛隊が適切に動けていれば、中国も尖閣諸島で狼藉はできないし、韓国に竹島が取られることも無かったと思いますよ。 ー今後、国会で審議が始まる安全保障法制で必要なことはなんでしょうか。 田母神氏:できるだけゆるやかな法律にすることですね。どんなに法律を細かくしても根拠規定で行くかぎり、全体の中では決めきれません。法律に適合しない事態は次々に起こります。最終的に禁止規定、ネガティブリストで動けるようにしなければ自衛隊の活動は効果的なものにはなりません。 集団的自衛権について、閣議決定に至る議論の中で、自民党は"15の事例集"を作って、これはできない、これはできる、と、国民の皆さんにわかるように話もしましょうとしたのは、極めて馬鹿なことだと思います。 話し合えば話し合うほど、こういう風に行けば、日本は集団的自衛権を行使できない、ということが中国などに伝わるだけです。自衛隊に何ができて何ができないかがわかるということは、作戦計画の手の内を相手にあらかじめ知らせてあげるということになるのです。 だからさきほどの話と同様、根拠規定では戦えません。禁止規定で、捕虜虐待はいけないとか、民間人を攻撃してはいけないといった、禁止事項以外は何でもやりますということ、何をするかわからないということが、抑止力になるのです。 ー防衛省・自衛隊の課題として、どのようなものがあるのでしょうか。 田母神氏:一つには、自衛隊が敵地攻撃能力を持っていないということですね。なんぼ殴ってこられても、受け止めることしかできません。抑止力としても、敵地攻撃能力は重要です。 今は日米安保条約によって、アメリカが反撃をしてくれることになっていますが、本当に反撃してくれるのかはわかりません。私は反撃してくれる可能性は限りなくゼロに近いと思っています。 アメリカは、日本が攻撃を受けた時に自動的に参戦してくれるわけではないのです。日米安保条約には、それぞれの国の法的手続きに従って行動するとしか書かれていません。ですからアメリカ大統領が日本を守ると決心をして、アメリカ軍に行動を命じなければアメリカ軍は行動してくれないのです。また、大統領が決心してくれても、その有効期間は極めて短く、二ヶ月経つと議会が同意をしなければ軍を行動させることはできません。アメリカの議会では年中行事のように"反日法案"のようなものも通るわけですし、議会がいつでも日本を守る議決をしてくれるかはわかりません。 でも、予めそんなことを言ってはいけません。抑止力を低下させることになりますし、侵略を誘発することになりますから。いざとなったらアメリカは日本のために戦うだろう、という形を強化しておくことが大事なのです。日米共同訓練をやったり、首脳会談をしたり。尖閣に日米安保が適用される、と言わせることが大事なことです。 二つ目は、自衛隊はアメリカ軍の支援がなければ国を守れないということです。自衛隊は、アメリカ軍の友軍として行動するときにはかなり強い軍です。でもアメリカ軍と仲違いして行動するときは、ほとんど能力を発揮できなくなります。 例えばアメリカの戦闘機やミサイルシステムを使っていますね。これらは自動車とは違うんです。自動車はアメリカのものを買ってきても、日本の町工場で修理・整備しながら動かすことができます。でも戦闘機やミサイルはアメリカが継続的に技術支援をしてくれるという前提がないと動かせません。 しかも、現代では、戦闘機やミサイルシステムの能力の半分以上はソフトウェアが決めるんです。ソフトウェアの中身は目には見えませんから余計にそうですね。暗号も、敵味方識別装置もアメリカのシステムを使っていますから、それらが無ければ、通信やデータ交信による組織的な戦闘ができなくなります。つまり、アメリカがへそを曲げたら自衛隊は動けないのです。 また、兵器輸出の原則として、輸出国が相手国に自分と同じ性能のものを輸出することはありません。 航空自衛隊はF-15という戦闘機を使っていますが、その能力はアメリカのF-15に比べ2つか3つランクが下がります。ロシアが中国に輸出しているスホーイ戦闘機も同様です。世界最高性能のものを持とうとすれば国産にするしか無いのです。 じゃあどうするのかと言うと、自民党が昭和30年の結党時に"自衛力を強化して、自分で自分の国を守る体制を作るんだ"とした、その方向に向けて一歩ずつ進むべきだと思います。今は日米同盟を堅持するしかありません。しかし長期的には、自分の国を自分で守らないと損がでます。 ー今回の内閣改造で就任した、江渡聡徳防衛大臣についてはいかがでしょうか。 江渡さんは、私が航空幕僚長をやっていたときの副大臣でした。能力も高く人格者ですし、色々やってくれると思いますよ。 ー田母神さんの考える、「右」「保守」「日本派」「愛国」の政治とはどのようなものでしょうか。 田母神氏:保守派というのは、伝統とか文化に然るべき敬意を払う態度を持っているひとのことだと思っています。 例えば"談合が悪い"、といったときに、これまで談合がどういう役割を果たしてきたか、何が悪かったのか、立ち止まってしっかりと考える態度を持つ人だと思うんです。 冷戦が終わってから、"改革"の号令のもとに、日本は色々とシステムを変えてきました。 何か問題があって変えたというよりも、グローバルスタンダードに合致しないから、ということで変えものがたくさんあると思います。それらは変えた結果、何かいいことがあったのでしょうか。私は"改革"という名の、"日本ぶち壊し"でしか無かったのではないかと思います。 結果として、日本は経済戦争に敗れ、GDPは20年前よりも下がっています。日本国民がサボっていたから?若い人たちが働かなくなったから?そんなことはないですよ。 政府と日銀が、みんなにそこそこ仕事があって、食える、という適正な規模に日本経済の規模をセットするわけですが、20年間やってきたのは緊縮財政です。 国の借金をゼロにしなければいけない、国の借金が無くなれば色々と手が打てて景気が回復するんだ、そうやって国を立て直すんだと、緊縮財政にチャレンジしてきました。しかし歴史的に見れば、それらが成功したことは一度もないと思います。 そうではなく、一時的に借金や国債発行をしてでも公共事業どんどんやって、景気が回復すれば、税収は増える。そうすれば国の財政はあとから勝手に回復するのです。 人間はどんなときに幸福になれるのでしょうか。自分がやりたいことをできることが人間の一番の幸せだと思います。やりたいことは人それぞれ違いますが、希望することができることが幸せです。 そのために必要なのは、ひとつは政治的に自由であること。また、行動するためにお金があることです。自由と繁栄。人間を幸せにするための基本的要件です。この20年を振り返ると、政治的自由は溢れすぎるほどありました。日本の国をつぶす自由さえ認めているのが我が国なのです。しかしお金がない、就職もできない、やりたいことができない人が多かったですよね。 だからゆるやかな経済成長を作ること。それが政治家に課せられた最低限の使命だと思います。今、安倍政権が目指している経済成長が実現して、失業率が1%以下になれば、幸せになるための舞台が整うということです。それが出来なかったこの20年は、正しい政治とはいえなかったと思います。 ーインターネット上での歴史認識を巡る議論や、「ヘイトスピーチ」についてどう見ていますか。 田母神氏:日本人は控えめで謙虚な国民性を持っていますよね。だから日本人同士であれば、"俺が悪かった"と言えば、"いや俺も悪かった"と言って仲直りができます。 しかしそれは 国際政治では絶対やっちゃいけないことです。日本以外の国では、謝るということはお金を出すということ。"俺が悪かった"と言えば、そうだ、お前が悪かった、だから金を出せと言われるだけなんですよ。 ヘイトスピーチにしても、日本を弱体化させたい人たちが、国連の人権委員会に仕掛けている、マッチポンプのような面があるのではないでしょうか。日本にもヘイトスピーチがあるかもしれませんが、韓国や中国で行われている日の丸を燃やしたり、安倍総理の写真を踏んづけたりするというようなことを放っておいて、なんだと言いたいですね。そういうことはお互い止めようと言いつつも、正しい情報を発信していかなければならないと思います。 朝鮮半島で日本がやったこととして、学校を作りましたし、朝鮮人を帝国議会の国会議員にもした。陸軍士官学校に入った朝鮮人は将校になれたし、将軍にもなれました。朝鮮人の将校が日本人兵士を指揮する風景もごく普通でした。朝鮮王朝の李垠皇太子に、日本の皇族梨本宮方子女王殿下が嫁がれた。これを当時の列強といわれる国がやったことと比べれば日本がやったことは、白人国家の植民地政策と違うということはすぐに分かります。日本は朝鮮半島、台湾、満州に住む人たちも日本国民として扱おうとしたのです。インド人がイギリスの士官学校を出てイギリス軍の将校になってイギリス軍の指揮をすることはありませんでした。オランダ王朝からインドネシア王朝に嫁ぐ、というようなこともありませんでした。 日本はまた明治維新以降九つの帝国大学を作りました。東大、京大、東北大、九州大、北海道大と来て、6番目には1924年朝鮮半島に京穣帝国大学、7番目には1928年台湾に台北帝国大学を作っています。そしてその3年後1931年大阪帝国大学、1939年名古屋帝国大学という順番です。誰のために作ったのですか。現地の人達のためにも高等教育を受けさせるためです。これは白人国家が"教育を与えたら反抗してくる"と、愚民化政策を行っていたのとは全く逆の政策なのです。 この20年間、"日本は悪だ"という仕掛け、自虐史観が作られてきたと思います。南京大虐殺にしろ、従軍慰安婦を強制連行したということにしろ、みんな噓です。 朝日新聞が従軍慰安婦報道の誤りについて、まだ謝罪をしていません。こんないい加減なことを30年以上やって、日本の国をこんなに貶めて、そのままぬくぬくとしているのはおかしいと思います。朝日新聞は廃刊になるまで読まない、買わないということです。朝日新聞を買うということは反日活動に支援金を与えるようなものだと思います。 歴史は戦勝国が作ります。戦争に負けた日本は一時戦勝国の歴史観を強制されるのです。日本は今も、占領下でアメリカに押し付けられた歴史観に拘束されています。集団的自衛権の議論でも、侵略を始めるのではないか、というイメージを持っている人もいるでしょう。正義の国・民主主義国家アメリカ、極悪非道の独裁国家日本、というのは真実ではないのです。 アメリカで黒人の公民権法が成立したのは、1964年ですよ。東京オリンピックで金メダルを取った黒人の陸上選手、ボブ・ヘイズは、選挙権がないまま国の代表として100mを走ったんです。戦前の日本が、アメリカの民主主義より遅れていたということは言えないと思います。 (2014年9月3日談) たもがみ としお 1948年、福島県郡山市生まれ。67年、防衛大学校入学(第15期)、電気工学専攻。卒業後の71年、航空自衛隊入隊。地対空ミサイルの運用幹部として約10年の部隊勤務を経験。その後、統合幕僚学校長、航空総隊司令官などを経て、2007年、第29代航空幕僚長に就任。 08年10月、民間の懸賞論文へ応募した「日本は侵略国家であったのか」(いわゆる「田母神論文」)が政府見解と対立するとされ職を解かれる。同年11月、参議院防衛委員会に参考人招致されたが、論文内容を否定するつもりはないことを改めて強調した。 14年、東京都知事選挙に出馬し、610,865票を得た。 著書に、「自らの身は顧みず」(WAC)、「ほんとうは強い日本」(PHP)、「安倍晋三論」(ワニブックス)、「田母神戦争大学 心配しなくても中国と戦争にはなりません」(産経新聞出版)など多数。 http://blogos.com/article/94139/ |