http://www.asyura2.com/14/senkyo171/msg/680.html
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北朝鮮をめぐる国際交渉は、日本とのあいだに限られているわけではなく、このところ米国や韓国とのあいだでも活発に行われている。
そして、それらはお互いに密接に絡み合っている。そのなかでも、米朝交渉はとりわけ重要な意味を持っている。
先月16日には、米国政府高官が軍用機で北朝鮮を訪問した。北朝鮮からは、金正恩第1書記がスイス留学時代に面倒を見ていたとされる外相が今週UN総会への出席を名目に訪米し、米国政府高官と協議の場を持つと言われている。
韓国も、最近安全保障担当補佐官が訪米し、北朝鮮問題を協議した。
日本政府が北朝鮮に調査団を派遣したところで、何か実効性があることをできるわけでもない。
拉致被害者に関する調査そのものは、小泉首相(当時)が訪朝した2002年の段階で終わっており、その“正しい”内容は日本政府にも伝達されている。
今回新たに調査対象として加えられたアジア太平洋戦争後北朝鮮に残った日本人や北朝鮮に帰国した朝鮮人に同行した日本人の所在も、“独裁監視国家”である北朝鮮当局が把握していないはずもない。
日本政府が北朝鮮から報告を受けてどのような動きをする(できる)かは、米朝協議の結果に大きく影響される。
調査の報告が遅れているのは、間近に行われる米朝協議をにらんでのものと考えるのが妥当だろう。
※ 関連投稿
「安倍訪朝に米国務長官が再度懸念を表明:16日に米国政府高官が軍用機で訪朝:日朝国交正常化を求めてきたのは米国」
http://www.asyura2.com/14/kokusai9/msg/343.html
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北朝鮮に調査団検討 拉致調査報告先送り 政府、戦略練り直し
政府は19日、拉致被害者家族会を内閣府に招き、北朝鮮が拉致被害者らの安否に関する再調査の報告を先送りすると伝えてきたことを明らかにした。報告時期は当初「夏の終わりから秋の初め」として9月第2週で調整していた。日本側は調査の進捗状況や手法を検証するため、北朝鮮に調査団の派遣を検討するなど戦略の練り直しを迫られている。
家族会との会合で、山谷えり子拉致問題相は北朝鮮側が18日に「1年を目標に調査しているが、今は初期段階であるので、初期段階を超えた説明はできない」と伝えてきたと述べた。交渉にあたる外務省の伊原純一アジア大洋州局長は「初期段階という意味が分からない。具体的にどういうことなのか、聞く機会を早くつくらないといけない」と指摘した。
■「北朝鮮は不誠実」 会合後、家族会の飯塚繁雄代表は「北朝鮮の報告は不誠実だ。政府は慌てず確実な報告がとれるようにしてもらいたい」と記者団に語った。
政府は関係省庁で構成する調査団の派遣に向け、北京の大使館ルートや来週の国連総会での当局者の接触を通じて働きかける。再調査に関する5月の日朝合意では、日本側が求めた場合、北朝鮮は「日本側関係者の北朝鮮滞在、関係者との面談、関係場所の訪問を実現」させるとしている。しかし今回の調査団を北朝鮮が受け入れるかどうか、はっきりしていない。
日朝関係筋によると、北朝鮮が再調査に着手した7月以降、日朝両政府は報告時期や内容を巡って水面下で交渉を続け、初回の報告時期は9月第2週をめどにすることでいったん大筋合意した。
一方で初回に報告できる内容として北朝鮮が伝えた中身は、日本側の想定を大きく下回るものだったという。北朝鮮は調査開始前に拉致被害者を含む生存者リストを水面下で示しており、日本側は「調査が始まれば具体的な成果が得られる」と期待したが、思惑通りには運んでいない。
北朝鮮は貨客船「万景峰号」の日本入港や航空チャーター便の往来の解除に加え、食料・医薬品など人道支援も求めた。菅義偉官房長官は19日の記者会見で追加の制裁解除について「現時点で全く考えていない。何が一番効果的か、したたかに交渉したい」と述べた。
■小出しの対応 水面下の交渉が膠着する中、首相官邸は「時期を急ぐよりきちんとした内容を出してもらわなければならない」との姿勢に傾き、北朝鮮も報告延期を伝えた。安倍晋三首相は19日の講演で「残念ながら手間取っているのも事実だ。形ばかりの中身のない報告をもらってもしょうがない」と語った。
小出しの対応を強める北朝鮮に日本側では「最初からまとまった成果が出てくるとは思っていない。小出しにしてくると思っていた」(政府高官)との見方がある一方、「拉致された方を北朝鮮は掌握している」(菅氏)との認識から不信感も強まりつつある。
[日経新聞9月20日朝刊P.]
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