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記事の最後に書かれている「田中教授は無党派層を3つに分類する。第1は、政治への関心が低いため支持政党を持たない政治的無関心層。第2は政党拒否層で、有権者になった時から「どの政党も支持したくない」と考える。第3は、それまでの政党支持を捨てて無党派になった脱政党層だ。第1の層は選挙でほとんど投票に行かないが、第2の層と第3の層は経済や国際問題に関心が高く、その時々で投票行動を決める。こうした無党派層が動きだせば「風」が吹く。「1強」の構図に見える自民党の基盤は盤石なわけではない」というのが実相だろう。
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無党派層 膨張のワケ
第2次安倍政権で24ポイント上昇 自民支持低下、野党に流れず
20〜40歳代に多い傾向
特定の支持政党を持たない「無党派層」の動きが注目を浴びている。日本経済新聞社の世論調査では、7月に全体の47%に達し、調査を始めた1987年9月以降、過去最高を記録した。9月3日の内閣改造・自民党役員人事が好感され、その直後の調査では38%まで下がったが、なお高い水準にある。なぜ無党派層が膨らんでいるのか。
(編集委員 佐藤賢)
無党派層に厳密な定義はない。日本経済新聞社は世論調査で、まず「どの政党を支持していますか」と聞く。「なし」や「言えない・分からない」と答えた人に「しいていえば、どの政党に好意を持っていますか」とたずねる。それでも「なし」と応じた人を無党派層と呼んでいる。
無党派層は2013年10月に20%台に乗り、今年7月には47%となり第2次安倍内閣下で最低だった自民党(35%)を上回った。40%台は調査開始から初めて。内閣改造直後の緊急調査では、女性閣僚の積極登用などが評価され安倍内閣と自民党の支持率が盛り返し、無党派層は38%になったが、比率はなお大きい。
計量政治学(選挙分析・世論研究)が専門の明治大の井田正道教授は「自民党の支持率が低下すると、無党派層が増える現象は以前からあった」としたうえで、最近は大きな特徴がみられると指摘する。「従来は自民党が下がれば野党は少し増えるか横ばいだったが、自民党の支持率低下に野党離れも加わり、無党派層が急激に増加している」
数字に端的に表れている。13年3月から今年9月まで1年半の変化を比べてみよう。無党派層は14%から38%に24ポイント上昇した。一方で自民党の支持率は51%から44%に7ポイント下がり、民主党や日本維新の会など野党支持層も25%から13%に12ポイント落ちた。無党派層が増えた分の約5割は野党支持層から、約3割は自民党支持層から回った計算になる。
自民党が支持率を落としたのは、特定秘密保護法成立や集団的自衛権の行使容認などで、弱い支持層の一部が離れたためとみられる。意識調査論などを専門とする桜美林大の橋本晃和特任教授は、利害が絡んだ組織や団体との関係を持たない人が多くなり「党派性を持たず、主体性を主張する『個の確立』が進んでいる」との見方を示す。
野党も政権批判層の受け皿になっていない。二大政党の一角をめざす民主党は安全保障政策などでバラバラな印象を与え、自民党との明確な対立軸を示せていない。維新は憲法観の違いから分裂。みんなの党は渡辺喜美前代表の政治資金問題で失速した。
「有権者は民主党政権への失望が心に残り、なかなか民主党に行かない」「民主や維新、みんなは政党としての歴史が浅いため政党支持が強くなりにくく、支持層がすぐに離れやすい」。井田教授はこう分析する。
無党派層は年代別では20〜40歳代に多い傾向がある。早稲田大の田中愛治教授によると、一般的に人の政治意識は8歳から24歳までに形成されていく。「40歳代前半から若い層は、政党に頼れば日本がうまくいくという経験がなく、無党派になりやすい」という。93年に自民党が分裂し、政党の離合集散が相次いだ。政権を奪還した自民党は09年に再び下野。民主党政権も3年3カ月しか続かなかった。
田中教授は無党派層を3つに分類する。第1は、政治への関心が低いため支持政党を持たない政治的無関心層。第2は政党拒否層で、有権者になった時から「どの政党も支持したくない」と考える。第3は、それまでの政党支持を捨てて無党派になった脱政党層だ。
第1の層は選挙でほとんど投票に行かないが、第2の層と第3の層は経済や国際問題に関心が高く、その時々で投票行動を決める。こうした無党派層が動きだせば「風」が吹く。「1強」の構図に見える自民党の基盤は盤石なわけではない。
時の政治情勢 映す 1995年▼青島・ノック氏、知事に / 2005年▼郵政選挙で自民圧勝
無党派層の動向が国政選挙のカギを握ると言われて久しい。無党派層の増減は、時の政治情勢を映し出している。
おおむね10%台だった無党派層が20%を超えたのは、1993年の自民党分裂による政権交代の後だ。細川護熙政権への有権者の期待は失望に変わり、村山富市政権は「55年体制」で敵対した自民党と社会党の連立で政党不信を膨らませた。
95年の統一地方選では東京都で青島幸男氏、大阪府で横山ノック氏という無党派知事が誕生した。既存政党への反感を抱いた無党派層の力だった。
2001年に小泉純一郎首相が誕生すると、自民党への期待から無党派層はいったん10%後半に縮んだ。次第に20%を超えるようになったが、郵政民営化を争点にした05年の衆院選は自民党が無党派層の票を大量に得て、圧勝につながった。
07年7月の参院選からは民主党への期待が高まり、無党派層は10%台に収まった。09年に民主党政権が発足して以降は民主党支持層が減った分、無党派層が増えるパターンになった。民主党政権が末期に近づいた12年7月は自民党の支持率も上がらず、無党派層は32%に達した。
[日経新聞9月21日朝刊P.4]
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