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2014年9月21日
2010年の沖縄県知事選で、仲井真弘多氏は普天間の県外・国外移設を公約に掲げて当選した。
その仲井真氏が、本年1月の名護市長選を目前に控えた昨年12月に辺野古海岸埋立申請を承認した。
仲井真氏は沖縄県民を裏切ったのである。
そして、安倍晋三政権の菅義偉官房長官は、
「埋立申請承認がすべて」
だと発言している。
「埋立申請承認」を盾に、辺野古米軍基地建設を強行しようとしている。
これに対して、沖縄県民が怒るのは当然のことだ。
沖縄県民は2010年の沖縄県知事選で、辺野古海岸に米軍基地を建設することに、明確なNOを突き付けた。
辺野古海岸を有する沖縄県名護市の市民は、2010年以降、4度あった意思表示の機会のすべてにおいて、辺野古海岸に米軍基地を建設することを拒絶する意思を明示した。
この意思を踏みにじり、背徳の「埋立申請承認」を盾に辺野古海岸米軍基地建設を強行するのは、まさに「銃剣とブルドーザーによる暴挙」に匹敵する行為である。
11月16日に投開票日を迎える沖縄県知事選の最大の争点は、辺野古海岸を破壊して米軍基地を建設することの是非である。
県民を裏切った仲井真弘多氏は、臆面もなく知事選に出馬する意向を示した。
この背徳の人物を再選させるなら、沖縄の民主主義は永遠に消えることのない禍根を残すことになる。
辺野古に米軍基地を造らせないとする県民は、大同団結して、辺野古海岸米軍基地建設を阻止するただ一人の候補者を擁立し、この候補者の当選を何としても実現しなければならない。
米軍基地建設阻止を求める政党、団体は、翁長雄志氏の擁立を決めた。
その翁長氏が9月13日に出馬表明記者会見を行った。
その模様はネット上で動画配信されているから、はっきりと確認できる。
もちろん、その模様を何度も確認している。
記者会見で質問が集中したのは、言うまでもなく
「埋立承認撤回」
である。
菅官房長官が明言したように、辺野古米軍基地建設問題の核心は
「埋立申請承認」
である。
つまり、辺野古基地建設阻止の第一歩が
「埋立申請承認撤回」
になる。
誰が考えても分かることだ。
この点に質問が集中した。
しかし、翁長雄志氏は、この質問に対して、合理性のある答弁をまったく示せなかった。
「保守と革新が腹8分、腹6分でまとまっているから、具体的に埋立承認撤回と明言できない」
の繰り返し。
ほとんど意味不明である。
そもそも、辺野古米軍基地建設阻止を求める翁長氏を支持する沖縄県政野党5団体は、翁長氏と交わす協定で
「新知事は埋め立て承認を撤回」
と明記する方針だった。
それが、7月、翁長氏との調整で
「新知事は埋め立て承認撤回を求める県民の声を尊重し、辺野古新基地は造らせません」
と変化した。
何が変わったのかというと、
「埋立承認撤回」の確約
が排除されたのである。
これを翁長氏は「腹8分目、腹6分目の共闘」と言っている。
つまり、いわゆる「革新系」会派は「埋立承認撤回」の確約を求め、翁長氏側にいる「保守系」会派が「埋立承認撤回」の公約化を拒絶しているのである。
選挙前に「埋立申請承認撤回」を確約しておかなければ、辺野古米軍基地建設は止まらない。
菅義偉氏が、「これがすべて」と明言しているのだから、結果は非を見るよりも明らかだ。
喜納昌吉氏が問題提起したのはこの点だ。
喜納氏が知事になりたいとかいう、低い次元の話ではない。
現在の選挙の図式で進もうとするなら、翁長氏に「埋立申請撤回」を確約させるべきである。
この確約を得ずに翁長氏支持で突き進むのは、翁長氏支持の5会派も、県民を冒涜することになる。
県民が新しい知事を選ぶ選挙である。
県民が求めていることは、
「辺野古に米軍基地を造らせない」
ことであり、選挙前にはっきりさせておかねばならないことは、そのための、実効性のある、具体的手段について、確約することである。
翁長氏は確約を拒絶しているが、その理由について、合理性のある、人を納得させる内容を何ひとつ示していない。
翁長氏が埋立申請撤回を拒絶するなら、別の統一候補を必ず擁立するべきである。
喜納氏である必然性はない。糸数慶子氏でもよい。稲嶺進氏でもよい。伊波洋一氏でもよい。高良鉄美氏でもよい。
翁長氏支援陣営の各会派、政党は、問題の核心を「玉虫色」のまま選挙に突入するべきでない。
このような「曖昧さ」が、のちの禍根を引き起こす原因になる。
知事権力を取ることが目的だけなら、単なる権力闘争だ。
そうではなく、正統性のある、透明性のある、県民の意思を問う選挙にしなければ沖縄の政治は完全に堕落してしまう。
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